
ネパールと中国で犠牲者が1000人を超えた大規模な土石流の発生からきょうで1週間。命からがら助かった人も、家族を救えなかった深い喪失感を抱えています。
先月25日に撮影されたネパールと中国の国境検問所付近の映像。世界各国からのトレッキング客や巡礼者たちがいます。
この翌日、国境地帯で大規模な土石流が発生しました。人々の暮らしが息づいた集落は一瞬にして土砂にのみ込まれ、濁流で山肌はえぐられました。
記者
「濁流で道路や橋が壊されていて、これ以上、進めなくなっています」
インフラの復旧には数か月かかるとみられています。
|
|
|
|
行方不明者は日本人5人を含め、5000人以上。多数の作業員が閉じ込められた水力発電所のトンネルでは、暗闇の中で捜索が続いています。
救助隊員
「ここから先には行けない。向こうは水が上まである」
トンネルのうち1か所では、ドローンで捜索が行われたものの、生存者の痕跡は確認されなかったということです。
いまも全容が見えない土石流の被害。JNNは、自宅で濁流に襲われながらも奇跡的に命をとりとめた男性に話を聞きました。
チットラ・バハドゥール・バッタさん(48)
「地面が揺れて、(濁流は)ロケットのように押し寄せた。長い時間、(激流の)渦に巻かれた。思い出したくないほど怖かった」
|
|
|
|
バッタさんは頭を負傷しましたが、流木や電線にしがみつき、何とか助かりました。しかし…
チットラ・バハドゥール・バッタさん
「妻は行方が分からなくなりました」
一緒にいた妻は、目の前で流されてしまいました。
チットラ・バハドゥール・バッタさん
「(妻の)手をつかんで逃げようとしたが、とてつもない流れで、(妻は)引き離されてしまった。妻がいない人生なんて無意味だ」
犠牲者はネパール側だけで1100人を超えましたが、遺体の損傷が激しいことなどから、身元が確認できたのは1割にも満たない状況です。
|
|
|
|
記者
「首都カトマンズの警察病院には、行方不明者の家族や親族がDNAサンプルを提供しに続々と訪れています」
DNAの提供にはすでに300人近くが訪れていて、外国人も対象です。
夫が行方不明の女性
「夫が行方不明です。息子の血液でDNA検査しに来ました。(夫は)働いてご飯を食べさせてくれた。でも、もういません」
ネパール政府はおよそ160万人が災害の影響を受けたとしていて、深刻な人道危機が広がっています。

