なぜLINEは“ちょっとした気遣い”で重宝された「ミュートメッセージ」を有料化したのか?

0

2026年09月08日 08:11  ITmedia Mobile

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia Mobile

有料機能になった「ミュートメッセージ」

 LINEヤフーがLINEの「ミュートメッセージ」機能の無料提供を8月26日に終了しました。現在は「LYPプレミアム スタンダードプラン」(月額650円)の特典として提供されています。


【その他の画像】


 ミュートメッセージとは、送信ボタンを長押しして選択すると、相手のスマートフォンの通知音やバイブレーションを鳴らさずにメッセージを送れる機能です。通常は時間帯を問わず着信通知が行われますが、本機能を使えば通知は届かず、相手が自らLINEを開いたときに初めてメッセージに気付く仕組みになっています。


 例えば「もう寝ているかもしれないが、明日の予定だけ伝えておきたい」「相手が仕事中や会議中かもしれないので、通知で邪魔をしたくない」といった場面で活用されてきました。相手が「おやすみモード」などで通知を制御していない場合でも、相手の迷惑にならずに連絡できる、こまやかな気遣いをかなえる機能として人気を集めています。


 ミュートメッセージはこれまで、正式リリース前の新機能を試せる「LINEラボ」で設定することで、無料で使えました。しかし、現在は有料プランの特典として組み込まれました。


 ミュートメッセージの有料化に対し、Xでは「有料化するなら深夜の連絡がしづらくなる」「この機能のために課金しようか迷う」「有料化のニュースで初めて知った」といった声が上がっています。本機能がどのようなシーンで重宝されてきたのか、詳しく解説します。


●ミュートメッセージが重宝されてきた理由


 ミュートメッセージがこれほど支持を集めてきた理由は、単に便利だからというだけではありません。そこには、LINE特有の利用環境やコミュニケーション事情が大きく関係しています。


 LINEは、手軽かつ即座に連絡を取れるツールとして定着してきました。テキストでありながら電話のような即時性を備え、相手が開封すれば「既読」マークも付きます。すぐに読んでもらえる前提があるからこそ、「LINEによって待ち合わせの事前約束が不要になった」と感じる人も多いはずです。


 しかし、この即時性が心理的な負担となる場合もあります。開封すると「既読」が付くため、すぐに返信しないと「既読無視(既読スルー)」と受け取られ、相手を不快にさせる恐れがあります。そのため、未読状態のまま通知画面で内容を確認し、読んだかどうかをあいまいに保とうとする動きが広がりました。


 一方で送信側にとっても、即座の返信を求めていないケースがあります。相手が慌てて返信してくると、かえって心苦しく感じることもあるでしょう。お互いに気を遣い合うあまり、深夜までやりとりが途切れないことも珍しくありません。そうした際にも、ミュートメッセージが威力を発揮します。相手の都合がよいタイミングで確認してもらえるためです。


 LINEはプライベートな交流にとどまらず、仕事の取引先やママ友など、配慮を要する相手との連絡にも広く使われています。従来の電子メールのように時間帯を気にせず非同期でやりとりできる手段として、ミュートメッセージが重宝されてきたのです。


●なぜミュートメッセージは有料になった?


 では、なぜミュートメッセージの無料提供は終了することになったのでしょうか。その背景には、LINEヤフーの事業戦略の転換があります。同社は2026年7月2日の15周年イベントにて、個別のニーズに応える機能を有料会員サービス「LYPプレミアム」の特典として拡充していく方針を表明しました。全ユーザー向けの基本機能は無料で提供しつつ、特定の層が求める高度な機能を有料化する方針であり、ミュートメッセージはその第1弾にあたります。


 背景にあるのは収益構造の変化です。従来の広告事業の伸びが鈍化する一方、PayPayとの連携をはじめとする「戦略事業」が急速に成長しており、新たな収益軸へのシフトが進んでいます。既に生活インフラとなったLINEを、広告収入のみで支え続けるビジネスモデルからの脱却を図っていると考えられます。


 現在の有料プランには「LYPプレミアム スタンダードプラン」に加え、7月に始動した「LYPプレミアム ライトプラン エンジョイパック」(月額290円)があり、今秋にはLINE MUSICとのセットプランも登場予定です。


 さらに「LYPプレミアム with Netflix」(月額1590円)も順調に推移しています。今後はさまざまなパックが展開され、各自の利用スタイルに応じたプラン選択が主流となっていくでしょう。


 なお、ミュートメッセージ同様に今秋からの有料化が予定されている「メッセージ編集機能」も、現在はLINEラボで無料提供されています。誤字脱字の修正など送信取り消しまで必要ない場面で重宝するため、試用した上で気に入れば「LYPプレミアム スタンダードプラン」への加入を検討するのも選択肢の1つです。



    ニュース設定