限定公開( 2 )

2019年の開始以来、多様な最新論文を取り上げている連載「Innovative Tech」。ここではその番外編として“ちょっと昔”に発表された世界中の個性的な研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
オランダのユトレヒト大学などに所属する研究者らがApplied Animal Behaviour Scienceで2014年に発表した論文「Will a hiding box provide stress reduction for shelter cats?」は、猫にとって箱に入ることがどのような影響を与えるかを検証した研究報告だ。
動物保護施設に収容されたばかりの猫は、見知らぬ環境や人に強い不安を覚え、深刻なストレスを抱えてしまう。こうしたストレスは免疫力を低下させ、施設内での感染症リスクを高める原因となるため、到着後すぐに猫を安心させることが重要になる。
猫には本能的に、狭い場所に身を隠すことで落ち着こうとする習性があるが、これまでの保護施設では、スペースの都合や衛生管理の理由から、専用の隠れ場所が用意されないことも少なくなかった。
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研究チームは、施設にやってきたばかりの猫に、身を隠すための箱を与えることが、実際にどれほどストレスを和らげるのかを検証した。実験では、施設に到着したばかりの猫19匹を、隠れ箱を与えるグループ(10匹)と与えないグループ(9匹)に無作為に分け、14日間にわたってそれぞれのストレスレベルを観察した。
その結果、箱を与えられなかったグループは、個体によってストレスの強さに大きなばらつきがあり、環境に慣れて落ち着くまでに14日間かかった。それに対して、箱を与えられたグループは、ほぼすべての猫が等しく早い段階でストレスを低下させており、3日目の時点ですでに14日目と同等レベルまでリラックスできていることが判明した。
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