デザイナー非公開「エーエス」がデビュー、ユーロヴィンテージを遊び心と日本製で再構築

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2026年09月09日 17:21  Fashionsnap.com

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 デザイナー非公開の新ブランド「エーエス(AS)」が、2027年春夏コレクションで本格始動した。ヨーロッパものを中心としたヴィンテージウェアを、遊び心のあるディテールと余白のあるフィッティング、日本製の緻密な作り込みで再構築したアイテムが揃う。

 デザイナーは、独学で服作りを学び自身のブランドを10年以上運営しているほか、都内有数のセレクトショップの立ち上げにも参画した人物。「大人が着られる質の良い服は、実は選択肢があまり多くない。シンプルすぎるか、マニア向けすぎるかで両極端。作り込みの良さと洒脱な遊び心を兼ね備えたブランドが必要だと思った」と、エーエス設立の背景を語った。すでに2026年3月にプレデビューコレクションを発表しているが、卸売りの開始など本格的な活動は2027年春夏からとなる。

 ブランド名は、「Authentic Source」「Among Shapes」「At the Seams」「A Singular form」という4つのテーマに共通する頭文字を取ったもの。デザイナーが収集するユーロヴィンテージなど、古くからある服の基本形を土台に、服と体の間に生まれる空間や、縫製やパターンなどの構造を起点としたデザインを提案する。コレクションごとのテーマは設けず、発表した型をシーズンごとにアップデートしながら、徐々にバリエーションを増やしていく。

 ブランドのアイコンとして打ち出すのが、ダブルフェイスのセーリングジャケット。ネップ感のあるコットンシルクの裏に、愛らしいギンガムチェックの生地を配した。水濡れを防ぐためにウェルトが2重になった腰ポケットなど、ヴィンテージのディテールを随所で引用。他のアイテムにも共通するカーコートを思わせる形状のカフは、片側だけをきれいに折り返せるよう設計した。特に人気を集めたというコートは、二重織りのふっくらと柔らかなコットン地を使用。バルカラーとチェスターを融合させたようなユニークなデザインで、生地のドレープを活かすロング丈のAラインシルエットに仕上げた。ラペルの真ん中にもボタンがあしらわれ、留めて襟を立てることでレザーの切り替えがアクセントとなる仕掛けだ。

 ドレッシーなセットアップは、福島の老舗のテーラード専門工場で製作。ボタン位置の低い1ボタンにローゴージという重心の低い仕様に、ややオーバーサイズのフィッティングも相まってリラックスした雰囲気に。ごく薄い毛芯や裄綿を仕込むことで、カジュアルになりすぎない立体的なフォルムを実現した。コットンと和紙を混紡した裏地や、トラウザーズのバックポケットに配した“ボンタン”風のフラップなど、スタンダードな型に忍ばせた意外性のあるディテールが目を引く。

 レーヨンシルクのシャツは、ビスポークを思わせるイニシャル風の刺繍がワンポイントに。群馬を拠点とする職人に依頼し、ひと手間の要る芯入りの刺繍でぷっくりと膨らんだ質感を表現している。ニットセーターは、バックの襟ぐり付近にアイレットを配置。メキシカンジュエリーの職人が手掛ける、オリジナルのシルバーチャームを穴にはめることでカスタマイズできる。フライトジャケットとライダースの要素を混ぜ合わせたというレザージャケットは、ヒマラヤ原産のブルーシープというヤギの革を使用。ラムのようなキメの細かさがありながら、耐久性も兼ね備えているという。
 価格は、トップスが3万3000〜9万9000円、アウターは9万3500〜46万2000円、ボトムスは8万8000〜9万3500円。今後は、自社のオンラインストアを中心に、独自性のある個店のセレクトショップなどに卸売りを拡大する方針で、ポップアップストアの出店などを通じてブランドの認知拡大を図る。

■エーエス:公式インスタグラム

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