【セントライト記念予想】AIが指名したのは妙味ある1頭 明暗を分ける条件は“枠順”

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2026年09月09日 20:30  netkeiba

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サノノグレーター(撮影:下野雄規)
【文・構成:伊吹雅也(競馬評論家)=コラム『究極のAI予想!』】

netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

◆3番人気以内の馬があまり崩れていない点は押さえておきたい

AIマスターM(以下、M) 先週は紫苑Sが行われ、単勝オッズ12.7倍(6番人気)のマスターソアラが優勝を果たしました。

伊吹 お見事と言うほかありませんね。雨で馬場が悪化していたうえ、スタート直後に挟まれるようなシーンがあったものの、怯むことなくポジションを取りに行き、中団のインコースを確保して1コーナーへ。そのまま先団に離され過ぎないくらいの絶妙な位置でレースを進め、4コーナーでスムーズに外へと持ち出しています。逃げたナイスプレーアスク(6着)をサムシングスイート(2着)、リアライズルミナス(7着)、ドリームコア(3着)が捕らえにかかる中、残り200m地点のあたりでこの集団に並びかけると、ゴール前はサムシングスイートとの追い比べに。最後の最後まで脚色は衰えず、結局サムシングスイートに1/2馬身の差をつけて入線しました。マスターソアラ自身の走りはもちろん、大野拓弥騎手のレース運びも本当に素晴らしかったです。

M マスターソアラは今回が通算3戦目。前走のクイーンCで4着に健闘した実績があったとはいえ、今回は半年以上の休養明けでしたし、半信半疑くらいに見ていた方も多かったのではないでしょうか。

伊吹 正直なところ私もそのひとり。前回の当コラムで指摘した通り、近年の紫苑Sは重賞で好走したことのある馬が優勢でしたから、もう少し高く評価するべきだったかもしれません。母のマスターワークは現役時代にJRAで2勝しており、本馬の半姉にあたるマイスターヴェルクはデビュー3戦目のフェアリーSで4着に好走。この他、近親に2017年の中日新聞杯を勝ったメートルダール、2024年のダービー卿CTで優勝を果たしたパラレルヴィジョン、今年の日本ダービーで2着に食い込んだパントルナイーフなどがいます。父は2020年のアイルランド2000ギニーなどを制したシスキン。先週の中京2歳Sで産駒のジーティーマイカとシスキンブルームがワンツーフィニッシュを決めたのも記憶に新しいところですね。

M マスターソアラは秋華賞への優先出走権を獲得。今後は未定とのことですが、もし無事に本番へと駒を進めてきたら、かなりの注目を集めることになるでしょう。

伊吹 紫苑Sが重賞となった2016年以降の秋華賞を振り返ってみると、紫苑Sで5着以内となった馬の成績は[3-5-0-26](3着内率23.5%)とまずまず。ただし、紫苑SがGIIとなった2023年以降は[0-1-0-8](3着内率11.1%)とあまり上位に食い込めていません。こうした傾向がオッズにどう影響してくるかも興味深いところ。買うべき紫苑S組を的確に選べるよう、これからもじっくり今回のレースを復習していきたいと思います。

M 今週の日曜中山メインレースは、3着以内となった馬に優先出走権が付与される菊花賞トライアルのセントライト記念。昨年は単勝オッズ2.6倍(1番人気)のミュージアムマイルが優勝を果たしました。なお、その2025年は単勝オッズ25.4倍(8番人気)のヤマニンブークリエが2着に、単勝オッズ4.4倍(2番人気)のレッドバンデが3着に食い込み、3連単の配当は1万9770円どまり。堅めの決着となりやすいイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

伊吹 実際、過去10年のセントライト記念における3連単の配当を振り返ってみると、平均値こそ4万5662円でしたが、中央値はなんと9925円。2021年に30万7170円の高額配当が飛び出したものの、1万円未満だった年が5回、2万円未満だった年が7回もありましたから、荒れにくいレースと言って良さそうです。

M 過去10年の単勝人気順別成績を見ても、3番人気以内の馬が非常に優秀な成績を収めていますね。

伊吹 ちなみに、単勝7番人気から単勝9番人気の馬が2016年以降[1-2-0-27](3着内率10.0%)だった一方で、単勝10番人気以下の馬は2016年以降[0-0-0-50](3着内率0.0%)でした。今年も、超人気薄の馬が馬券に絡む可能性は低いという前提で予想に臨むべきでしょう。

M そんなセントライト記念でAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、サノノグレーターです。

伊吹 面白いところを挙げてきましたね。実績上位ではありますが、今回のメンバー構成だとそれなりに妙味あるオッズがつきそう。

M サノノグレーターはキャリア7戦。前走のラジオNIKKEI賞で自身初の重賞制覇を果たしています。もっとも、それより前の重賞は4戦して5着が最高。他の実績馬や新興勢力を重視しようと考えている方が多いかもしれません。

伊吹 もっとも、2走前の皐月賞(9着)は勝ち馬ロブチェンとのタイム差が0.8秒で、上がり3ハロンタイム順位は単独6位。展開を考えれば悪くない内容だったと言えるでしょう。他ならぬAiエスケープが狙い目と見ているわけですから、人気の盲点となるようであれば楽しみ。こうした状況を踏まえたうえで、私はレースの傾向からサノノグレーターの好走確率を見積もっていきたいと思います。

M 最大のポイントはどのあたりですか?

伊吹 今年も枠順が明暗を分けそう。2019年以降の3着以内馬21頭中18頭は、馬番が1番から9番でした。

M 外寄りの枠に入った馬は強調できませんね。

伊吹 ちなみに、馬番が10番から18番、かつ“JRAの、GIのレース”において2着以内となった経験がない馬は2019年以降[0-1-0-32](3着内率3.0%)。大舞台で優勝を争ったことのある馬でない限り、二桁馬番の馬は評価を下げるべきでしょう。

M サノノグレーターも、まずは好枠を引き当てたいところです。

伊吹 あとは血統もチェックしておきたいファクターのひとつ。同じく2019年以降の3着以内馬21頭中16頭は、サンデーサイレンス系種牡馬の産駒でした。

M 好走馬の数だけでなく、好走率にも大きな差がありますね。

伊吹 なお、父がサンデーサイレンス系種牡馬でない、かつ生産者がノーザンファームでない馬は2019年以降[0-0-1-38](3着内率2.6%)。サンデーサイレンス系種牡馬の産駒でもノーザンファーム生産馬でもない馬は、上位に食い込む可能性が低いと見るべきでしょう。

M サノノグレーターの父はサンデーサイレンス系に属するグレーターロンドン。血統面に不安はありません。

伊吹 さらに、同じく2019年以降の3着以内馬21頭中20頭は、前走との間隔が中10週以上でした。

M 休養を挟んで臨む馬が優勢、と。

伊吹 前走との間隔が中9週以内だったにもかかわらず3着以内となったのは、2021年2着のソーヴァリアントだけ。今年の該当馬も疑ってかかった方が良さそうです。

M サノノグレーターは前走のラジオNIKKEI賞から中10週での参戦。ギリギリではありますが、こちらの条件もしっかりクリアしています。

伊吹 もともと私も、枠順次第ではシルシを回そうと考えていました。一応付け加えておくと、前走のラジオNIKKEI賞が大外一気の差し切り勝ちでしたから、仮に好枠を引いたところでそれを活かせるかどうかは未知数。ただ、Aiエスケープが有力と見ているのならば、あまり心配する必要はないのかもしれません。実際のオッズも確認したうえで、最終的な評価をじっくり検討するつもりです。

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