大木優紀さん 新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(45歳)。
40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。現在は旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報を担当。さらに2025年10月には、ハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任し、家族とともにハワイへ移住。新たなステージで活躍の場を広げています。
第60回は、旅行会社勤務の大木さんが、旅行アプリ「NEWT」の予約データをもとに、シルバーウィークの傾向を分析します(以下、大木さん寄稿)。
◆2026年の「シルバーウィーク」は11年ぶりの5連休!
日本はシルバーウィークがやってきますね。みなさんは旅行のご予定などありますでしょうか?
私は今ハワイに住んでいるので、日本のみなさんがちょっとうらやましくなるような、今年のシルバーウィークの並びだなと思っています。
カレンダーを見ると、9月19日の土曜日から23日の水曜日まで、5連休。さらに9月24日、25日に有給休暇を取れば、なんと9連休にすることもできます。
そもそも「シルバーウィーク」という言葉、私が子どもの頃には、ほとんど聞かなかったような気がします。
ゴールデンウィークは毎年安定した連休がありますが、シルバーウィークは不安定で、毎年何連休になるかはわかりません。今年は、敬老の日と秋分の日の並びによって5連休になる、ちょっと珍しいお休みなんです。
実際、今回の5連休は2015年以来、11年ぶり。そう考えると、2026年のシルバーウィークは、いつもの9月の連休とは少し事情が違います。
そんな「久しぶりの9月の大型連休」。旅行アプリ「NEWT」のデータを見てみると、今年ならではの連休の旅行の傾向がしっかりと見えてきました。
今日は、そのデータをご紹介しながら、2026年のシルバーウィークの旅行事情についてお話ししていきたいと思います。
◆平均旅行代金が前年比65%増の「奮発モード」
今回の調査で、まず驚いたのが平均旅行代金の数字です。なんと前年比65%増。この1年間でもっとも高い水準となっていて、本当に大きな伸び率になっています。
もちろん、単純に旅行そのものの値段が上がったというだけではありません。今回の数字から見えてくるのは、旅行者自身が少し奮発して、これまでよりグレードの高いホテルを選んだり、いつもより遠くの目的地へ足を伸ばしたりする、「奮発モード」なんです。
11年ぶりの大型連休ということもあり、「次にいつ、こんなまとまった休みが取れるかわからない。それなら、今回はちょっと贅沢してみよう」という心理が働いているように見られます。
そして、そんな「ちょっと奮発したい」という気持ちは、目的地選びにも表れていました。
まず、海外旅行の行き先1位は、今回も変わらず韓国。ただ、構成比としては大きく下げていて、前年比12.29ポイント減。一方、2位は台湾、3位はベトナムで、ベトナムはお盆の9.1%から10.3%へと伸びています。
さらに4位はタイ、5位はシンガポール、6位はオーストラリア。こちらもお盆と比べて倍以上に伸びています。
こうして見てみると、全体として日本から近い国への旅行だけではなく、そこからもう一歩足を伸ばした国にも関心が広がっていることがわかります。
「せっかくの大型連休だから、いつもより少し遠くへ行ってみよう」。そんな旅行者の気持ちが、今回のデータには表れています。
◆旅行者の属性にも特徴アリ
次に旅行者の属性について紐解いていきたいと思います。
今回、シルバーウィークの予約数を年代別に見てみると、もっとも多かったのが20代。もともと、NEWTは若い世代からの支持を集めていますが、このシルバーウィークは全体の約27%を占め、最大のボリュームゾーンとなりました。
さらに面白い傾向として見えてきたのが、誰と旅行するのかという「旅のスタイル」です。今回、「大人ふたり旅」が73.8%と圧倒的に多い結果となっています。
この傾向は、お盆の旅行とはかなり違っています。
お盆は学校の夏休みなどに合わせて、家族で予定を合わせて移動する家族旅行が多くなる一方、シルバーウィークは、友人同士や母娘など、「大人ふたり」でゆったり楽しむ旅行という色合いが強くなっているというのがデータから見られています。
年齢層を見ても、お盆と比べてシルバーウィークは若い世代の旅行が目立ちます。
お盆や年末年始には「帰省」や「家族と過ごす」という、ある種の定番の過ごし方がありますよね。でも、シルバーウィークには、そうした「家族と過ごさなきゃ」というしがらみがありません。
だからこそ、気の合う友人と出かけたり、母娘で旅行したり、パートナーとふたりでちょっと遠くまで足を伸ばしたり。自分が一緒に過ごしたい人と、自分がしたいことを自由に選んで楽しめる。
シルバーウィークの20代のふたり旅、いいなぁ。ちょっと遠くまで行って、ふたりでゆっくり癒される旅。データを見ながら、なんだか羨ましくなってしまいました(笑)。
◆2026年シルバーウィークのキーワードは?
そして今回、個人的に面白いなと思ったのが、予約されているツアーのタイトルに含まれるキーワード分析です。
近距離ツアーで目立つのは「駅近」「コスパ」。短い日程の中で無駄なく楽しむための実用的なワードが並びました。
一方、中長距離のツアーになってくると、キーワードが一変。「5つ星」「デトックス」「癒し」といった言葉が急に増えてくるんです。
遠くへ行くからといって、現地で予定を詰め込んで観光地をたくさん巡りたいというわけではない。むしろ、せっかく時間をかけて遠くまで行くなら、上質なホテルでゆっくり過ごして、日常の疲れを解きほぐしたい。
近場なら「タイパ・コスパよく」、遠くへ行くなら「ゆったり・贅沢に」。
同じシルバーウィークの旅行でも、休みの長さや行き先によって、旅に求めるものがこんなにも変わるんだなと、データを見ていてとても興味深く感じました。
◆シルバーウィークは「自分のために使える休み」なのかも
こうしてデータを見てくると、今年のシルバーウィークには、大きく2つの旅行スタイルが見えてきました。
ひとつは、せっかくの大型連休だからこそ、少し予算をかけて遠くまで行き、普段できないことをして自分を癒す旅。もうひとつは、移動や費用を抑えて、近場で効率よく楽しむ旅です。
単純に全体の値段が上がった、予算が上がったという話ではなく、旅行者一人ひとりが自分の休みの使い方を意識的に選んでいる、そんな結果なんじゃないかなというふうに私は感じました。
シルバーウィークとお盆を比較すると、同じ連休という枠組みでも、誰とどんな目的で休みを過ごすかによって、旅行者が求めるものが違ってくる。
「しがらみのない」自由なお休みのシルバーウィーク。だからこそ、自由に旅もデザインできる。日本を離れてハワイで暮らしている今、そんな傾向がデータから見られて、日本の暮らしが一気に羨ましくもなりました。
みなさんは今年のシルバーウィーク、誰と、どんなふうに過ごしますか?
【調査概要】
集計データ:旅行アプリ『NEWT(ニュート)』予約データ
今年のシルバーウィーク対象期間:2026年9月19日〜9月27日
前年のシルバーウィーク対象期間:2025年9月13日〜9月23日
今年のお盆対象期間:2026年8月8日〜8月16日
データ基準日:2026年8月19日時点で確定している予約実績に基づく速報値
※今後の追加予約により数値が変動する可能性があります。
<文/大木優紀>
【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母