
32年ぶりに日本で開催されるアジア大会愛知・名古屋が19日に開幕する。今大会からテックボールとともに正式競技に初採用された『パデル』は世界で最も急成長しているラケットスポーツのひとつとも呼ばれている。
1970年代に誕生したパデルは、テニスとスカッシュ(四面を壁に囲まれたコートで2人が交互にボールを壁打ちしあうラケットスポーツ)を掛け合わせたような特徴をもつ競技。日本パデル協会によると、パデルは2026年現在150か国以上に普及し、約3500万人がプレー。スペインでは競技人口がサッカーを超えて国内第1位となったほか、ヨーロッパ、南米、アメリカでも競技人口がテニスを超えるなど、世界中でブームを起こしているという。
競技は高さ3mの強化ガラスと金網でできた壁で囲まれた、テニスコートよりもひと回り小さいコートで実施。小さい穴がいくつも空いた板状の『パデルラケット』と、テニスボールに比べてバウンド力が抑えられた専用球『パデルボール』を使って対戦する。公式競技としてはダブルスのみが行われていることも特徴の1つとなる。
4点先取の6ゲーム3セットマッチ、得点のカウント(15、30、40、G)など、試合進行に関するほとんどのルールはテニスと同様。最大の違いは“壁を利用した返球が可能”という点で、特有のルールとして「相手からのボールが壁に当たっても、空中に浮いている間は返球できる」「ボールを自陣の壁に当てる返球が可能」「返球したボールが相手コートに1度もバウンドせず、直接相手の壁にぶつかった場合は失点」などが追加されている。
このルールが生み出すのが、壁を使った多彩で立体的なショット。自陣の壁を使って返球のコースを変える『コントラ・パレッド』や、相手の強力なスマッシュ(レマテ)が壁に跳ね返ったところを打ち返す『レボテ』、壁にあたると低い軌道で不規則に弾むサイドスピンスマッシュの『ビボラ』など、相手の意表を突く戦略的なプレーが観客を魅了する。
また、競技に親しむ人々には8月31日に代表引退を発表したサッカー界の“神の子”リオネル・メッシ(39、インテル・マイアミ/アメリカ)や、Jリーグ・ヴィッセル神戸でもプレーした“マジシャン”アンドレス・イニエスタさん(42)、経営するクラブでパデル選手を育成するテニス界の“BIG3”ラファエル・ナダルさん(40)など、著名な選手が数多くいることが知られている。
今大会、男子代表にはピックルボールのプロ選手としても活躍する畠山成冴(29、西牧アンドカンパニー)らが選出された。5月にピックルボールの国際ツアー男子シングルスで日本勢初の準優勝となった畠山は、パデル代表としても全日本選手権で優勝3回、2024年には日本代表のキャプテンを務めるなど、ラケットスポーツの二刀流を実現させている。
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女子代表にはパデル界でテニス四大大会と同等の位置づけにある大会「Premier Padel」に日本初・アジア初の出場を果たした徳本佳恵(35、Tactical)や、徳本とペアを組み、2024年の国際ツアーで初タイトルを手にした塚本早紀(35、東京ガス/Tactical)らが選ばれた。女子代表はその全員が昨年初の開催となったアジア杯(国別対抗戦)初代女王に輝いたメンバーで、アジアの頂点が決まる今大会でもメダルの獲得が期待されている。
アジア大会愛知・名古屋の開幕を控え、8月に行われたメディアサミットには塚本が登壇。初参加となる大会への意気込みを「パデル、まだ知らない方たくさんいらっしゃると思いますが、『やってみたい』『見てみたい』、1人でも多くの皆さんにそう思っていただけるように、まずは結果で頑張っていきたいと思います」と話し、「今回の大会、しっかりと金メダルを取って、結果で日本を盛り上げていけたら」と目標を語った。
【アジア大会代表】※アジア大会開会式(9月19日)時点の年齢
■男子
畠山成冴(29、西牧アンドカンパニー)
富田一輝(31)
中村進之介(30、CHIGASAKI PADEL CLUB)
安藤輝明(27、Nexus)
■女子
塚本早紀(35、東京ガス/Tactical)
徳本佳恵(35、Tactical)
小澤琴巳(28)
佐藤千文(25、Kula courts/The Padel method)
【競技日程】
9月28日〜10月3日
会場:名古屋市東スポーツセンター
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