不動産大手、データセンター強化=AIで市場拡大、開発ノウハウ活用

0

2026年09月13日 08:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

大和ハウス工業が福島県大熊町で竣工した小型データセンター「Module DPDC Fukushima」(同社提供)
 総合デベロッパーなど不動産大手が、データセンター(DC)の開発を強化している。総務省によると、国内の関連市場の規模は2028年に5兆円超に達する見込み。人工知能(AI)ブームを追い風に今後も拡大が期待されている。ただ、特に都市部の近隣住民との摩擦が増えており、各社は土地取引や再開発で蓄積したノウハウを生かし、円滑な事業拡大につなげたい考えだ。

 大和ハウス工業は千葉県印西市で計14棟のDCを建設する計画で、9月下旬に5棟目を着工する。部材の一部を工場で製作し、現場で組み立てる「モジュール型」の小型DCも開発しており、4月には福島県大熊町で1棟目が完成した。用地確保から竣工(しゅんこう)までを担える体制を整え、将来的には「運営・管理まで賄えるようにしたい」(野辺克則上席執行役員)と意気込む。設備工事を得意とする住友電設(大阪市)を買収し、施工での連携も視野に入れる。

 三井不動産は35年度までにDC関連で累計6000億円超の投資を計画する。相模原市、東京都日野市、大阪府の北摂地域、東京都の多摩地域の計4エリアで開発が進行中で、「投資機会の獲得ペースは想定以上」(広報)という。

 日野自動車の工場跡地を利用する日野市の案件では、地元自治体との協議を踏まえて計画の見直しを実施。住宅地への日照を考慮し、建物の高さを当初の80メートルから63.5メートルに段階的に引き下げた。10月から造成工事に着手するが、住民から建物の排熱に懸念が出ていることから、対話を継続する。

 新規参入の動きも相次ぐ。三菱地所は4月にデータセンター事業室を設置。すでに複数の案件に出資した。東急不動産(東京)が開発に初参画した北海道石狩市のDCは、再生可能エネルギー100%で8月に稼働を開始。同社は大阪市でも新たな計画を進めている。

 従来、DCの開発主体は通信・IT関連の企業が多かった。不動産大手も本腰を入れ始めた背景について、デロイトトーマツの田村貴海パートナーは「従来のテナントビジネスの延長として取り組めると判断したのだろう」と指摘。「開発は電力の確保が前提だが、敷地に公園を設置するなど、各社が得意とするまちづくりに資する計画が広がるだろう」と予想している。 

東急不動産が開発に参画した北海道石狩市の「石狩再エネデータセンター第1号」(同社提供)
東急不動産が開発に参画した北海道石狩市の「石狩再エネデータセンター第1号」(同社提供)

    ランキングトレンド

    前日のランキングへ

    ニュース設定