《すり足・小股歩きは「サルコペニア」かも》 放置すると転倒リスク増、80代でも改善する自宅でできる運動習慣

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2026年09月13日 08:10  週刊女性PRIME

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「よぼよぼ歩き」はサルコペニアのサイン!?(写真はイメージです)

「足が思ったよりも上がってなくて転倒」「歩く速度が遅くなった」「歩幅が狭くなった」……。すり足や小股歩き、つまずきが増えてきたら、足腰の「力」が落ちているサインかも。そこで、手軽にできる5つの運動をご紹介。毎日の習慣に取り入れて、足取り軽く、元気に動ける身体に。

よぼよぼ歩きはサルコペニアのサイン

 年齢を重ねると、歩き方にも変化が表れる。歩幅が狭くなる、いわゆる「よぼよぼ歩き」には特徴がある、と話すのは作業療法士の荻野秀一郎さん。

「本来の歩行は、足を大きく前に振り出し、つま先を上げて、かかとから着地する。そして後ろの足で、しっかり地面を蹴り出すことで、次の一歩が自然に前へ出ます。身体はまっすぐ前を向いて、ふらつきもない。

 しかし、よぼよぼ歩きになると、足を半歩分しか前に出せない“小股歩き”になります。また、『ざっざっ』と足を引きずるような音が出る“すり足”や、歩くときに上半身がふらついたり、反対に固まったりする歩き方にもなります」(荻野さん、以下同 

 こうした変化の大きな原因となるのが、筋肉の衰えと関節の動きの低下だ。

「足腰の筋力が落ちると、身体を支えきれず膝が曲がったり、足を高く持ち上げにくくなったりします。また股関節が硬くなると、足を前へ大きく振り出せなくなり、歩幅が狭くなります。こうした変化を自覚したら、サルコペニアを気にしたほうがよいでしょう」

 サルコペニアとは、全身の筋肉量や筋力が減り、身体能力の低下が起こっている状態のこと。加齢だけでなく、栄養不足や運動不足、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が重なることで起こる。「よぼよぼ歩きは、まさにサルコペニアのサイン」と荻野さんは断言する。放置すると、どうなるのか。

「いちばんのリスクは転びやすくなることです。足を上げているつもりでも上がっていないので、カーペットやコードなどにひっかかって転倒してしまいます。また、ベッドなどから立ち上がって、一歩目を踏み出そうとしたときにヨロヨロとなって、こらえきれず転んでしまったりします」

 よぼよぼ歩きを改善、予防するために、紹介する5つのトレーニングを、まず実践してほしい。

「どれもシンプルで続けやすいものです。当教室に、両脚の変形性膝関節症で転びやすくなったと2年前から通われている80代の女性の生徒さんがいらっしゃいます。

 つま先が上がっていなくて、すり足だったので、これらのトレーニングのうち、特に“つま先上げ”と“脚振り”を重点的に継続してもらったところ、転ばなくなりました。以前から好きだった一人旅に、また行けるようになったと喜んでいます」

 続けることで、誰しも効果が表れるようになるという。継続のポイントは、現状を把握すること。

「例えば、買い物に行くだけで足が疲れるなど、今の身体の状態を把握してください。運動をするうちに、だんだんと買い物が楽になれば、その成果を実感できます。それがモチベーションアップにつながるはずです」

 目指すは「自分の身体は自分で支える」ことだ。

「足腰」力を回復する5つのトレーニング

 歩行するには、片脚で自分の体重を支えることが必要。そのためにまず、“片脚立ち”のトレーニング。また、つまずき防止には、脚を高く上げる“もも上げ”と、つま先を上下させる“つま先上げ”が有効。さらに歩幅を広げるために、“脚振り”で股関節の可動域を広げよう。両腕を大きくスイングする“腕振り”は、体幹を鍛える効果がある。

ふらつきがち・踏ん張りがきかない人におすすめ

●「片脚立ち」トレ

片脚で、身体を支える力を養う。壁やイス、テーブルなどに軽く手を添え、片脚で立つ。まず左右20秒ずつを目安に。慣れてきたら、20秒×3セットなど、無理のない範囲で増やす。

【ポイント】手は添えるだけ。体重をかけすぎないこと

小股歩きが気になる人におすすめ

●「脚振り」トレ

壁やイスなどにつかまり、片脚を後ろへ大きく引いてから、前へ振り出す。股関節をしっかり動かすことで、狭くなりがちな歩幅を広げるトレーニング。左右それぞれ20回を目安に行う。

【ポイント】脚のつけ根から大きく脚全体を振る。上半身は動かさないように

ふらつきがち・上半身が硬い人におすすめ

●「スイング」トレ

片腕全体を前後に、上半身をひねりながら大きく振る。慣れてきたら、歩くときのように両腕を交互に、身体と連動させて一緒に動かすと、体幹や腹筋も鍛えられる。左右それぞれ20回を目安に行う。

【ポイント】下半身は安定させて、腕の動きに合わせて顔も動かすとやりやすい

つまずきやすい人におすすめ

●「ももあげ」」トレ

立って行う場合は、壁やイスなどに軽く手を添え、太ももをゆっくり高く持ち上げて下ろす。左右交互に20回繰り返す。座って行う場合は背中をまっすぐにし、胸に太ももを近づけるように脚をゆっくり上げる。

【ポイント】勢いをつけず、5秒ほどかけて太ももをゆっくり上げる

すり足・つまずきが気になる人におすすめ

●「つま先上げ」トレ

イスに座り、膝を90度程度に曲げ、かかとを床につけたまま、両足のつま先を20回上下させる。片足ずつ行ってもOK。つま先をしっかり持ち上げることで、歩行時に足先が床に引っかかるのを防ぐ。

【ポイント】足を前に出して行うと効果がないので、膝の曲がりは90度をキープ

トレーニングの注意点&コツ

・痛みが出たら中止する
・最初から5つ全部を行わなくてもOK
・回数は体力に合わせて増減
・運動中は、壁・イス・テーブルなどにつかまって安全第一で行う
・運動後の疲れや痛みが翌日まで残る場合は、やりすぎの可能性があるので回数を減らす
・朝に行うと、身体がほぐれて一日の歩き出しが軽くなる
・運動と合わせて、タンパク質の摂取と十分な睡眠も意識する

取材・文/池田純子 イラスト/石山綾子

荻野秀一郎さん


作業療法士。病院での臨床経験を経て、リハビリの知識を生かして「予防教室フラミンゴ」を開設。高齢者の病気やケガを防ぎ、健康な毎日を支える活動に取り組む。「フラミンゴの介護予防チャンネル」はチャンネル登録者数30.8万人。https://www.youtube.com/channel/UCKpvPwurAJ_dfkdFXPjBiBA?view_as=subscriber

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