画像提供:マイナビニュースNEXER Groupは、日住サービスと共同で実施した「リースバックの認知と老後の住まい・資金計画への関心に関するアンケート」の結果を8月31日に発表した。調査は2026年8月12日〜21日の期間、450名を対象に行われた。
はじめに、リースバックという言葉をどの程度知っているか尋ねたところ、最も多かったのは「名前を聞いたことがある程度」で47.1%だった。次いで「まったく知らない」が37.1%、「内容までよく知っている」が15.8%となった。
「内容までよく知っている」と「名前を聞いたことがある程度」を合わせると62.9%となり、およそ3人に2人がリースバックを何らかの形で認知していることがわかった。一方で、仕組みや内容まで理解している人は15.8%にとどまっており、言葉自体は知られているものの、具体的な内容については十分に浸透していない状況がうかがえる。
老後の資金確保や生活費の工面のための選択肢として、リースバックに関心があるか尋ねたところ、「まったく関心がない」が53.1%で最も多かった。
次いで、「あまり関心がない」が27.8%、「やや関心がある」が17.1%、「とても関心がある」が2.0%となった。
「とても関心がある」と「やや関心がある」を合わせても19.1%にとどまり、関心がある人は2割未満だった。
認知度が62.9%であるのに対し、関心を持つ人は19.1%。リースバックという言葉は知られていても、実際に自分の老後の選択肢として考えている人はまだ少ないことがわかる。
「関心がある」と答えた人からは、「老後資金を考える上で、有効な選択肢だと思える」「自宅の処分などの手間を子どもに残したいとは思わない」といった声が寄せられた。
一方、「関心がない」理由としては、「契約内容が複雑そうだから」「売却後は家賃の支払いが発生するため、毎月の収支バランスが重要」といった声があった。契約内容の複雑さや売却後の家賃、自宅を手放すことへの不安などが、関心を持つ上でのハードルになっているようだ。
老後の住まいと資金の確保について尋ねたところ、最も多かったのは「今の持ち家に住み続ける(特に売却は考えていない)」で58.0%だった。
次いで「預貯金・年金でまかなう」が24.0%、「まだ具体的には考えていない」が22.4%、「子ども・家族へ相続する」が10.4%となった。
多くの人が、住み慣れた現在の自宅にそのまま住み続けることを老後の住まいとして想定していることがわかる。一方で、22.4%は「まだ具体的には考えていない」と回答しており、老後の住まいや資金について、具体的な方針を決めていない人も少なくない。
老後の住まいや資金について不安に感じることでは、「生活費・老後資金が足りるか不安」が51.3%で最も多かった。
次いで、「年金だけでは暮らせないのではないか」が37.1%、「病気・介護が必要になったときの住まい」が27.8%となった。
また、「住み慣れた家を離れたくない」と「家の維持費・修繕費・固定資産税の負担」は、いずれも18.2%だった。
老後の生活資金への不安だけでなく、住み慣れた家に住み続けたいという思いと、その家を維持するための費用への懸念も存在していることがわかる。
具体的には、「経年劣化によるランニングコストの増加」「年金と貯蓄で寿命まで耐えることができるのか心配」といった声が寄せられた。物価上昇や長寿化による生活費の不足、住宅の維持費など、老後の暮らしを長期的に維持することへの不安がうかがえる。
「自宅を売却しても、そのまま住み慣れた家に住み続けられる」というリースバックのような選択肢が、老後の生活設計に役立つと思うか尋ねたところ、「やや役立つと思う」が42.9%で最も多かった。
次いで、「あまり役立たないと思う」が28.9%、「まったく役立たないと思う」が22.0%、「とても役立つと思う」が6.2%と続いた。
「とても役立つと思う」と「やや役立つと思う」を合わせると49.1%となり、約半数がリースバックのような選択肢を老後の生活設計に「役立つ」と考えていることがわかった。
その理由として、「資金面での見通しが立つから」「自宅の処分と生活資金の確保が同時に実現できる」「住居の心配が当面はなくなるので」といった声が寄せられた。
一方で、「結局、家賃が必要になる」「一時的な収入に過ぎない」といった理由から、役立たないと考える人もいた。
リースバックを老後の選択肢として検討する際には、自宅を売却して得られる資金だけでなく、その後に発生する家賃などの住居費も含め、長期的な生活設計を考える必要がありそうだ。
リースバックを検討する場合、どのような条件やサポートがあれば安心して利用できるか尋ねたところ、最も多かったのは「売却価格が適正・納得できること」で44.7%だった。
次いで、「毎月の家賃が無理のない金額であること」が39.3%、「長く(一生涯など)住み続けられる保証があること」が34.4%となった。
上位には、売却時の価格、住み続ける際の家賃、そして将来にわたって住み続けられるかという、資金と住まいの安定に関わる項目が並んだ。
具体的には、「仕組みをしっかりと理解した上で納得して利用したいので、詳細な説明とサポートが欲しい」「分からないことは何でも相談できるサポートがほしい」といった声が寄せられた。
また、売却価格の妥当性を判断できる資料や、契約内容について専門家に相談できるサポートを求める声もあった。長く住み続けられることや、リースバックの仕組みを十分に理解した上で利用できることを安心材料として挙げる人もいる。
老後も住み慣れた自宅で暮らしたい一方、生活費や住宅の維持費には不安がある――そんな悩みを抱える人は少なくないようだ。リースバックは、自宅に住み続けながらまとまった資金を得られる選択肢の一つだが、売却後は家賃の支払いが発生する。目先で得られる金額だけでなく、家賃を含めた長期的な収支や契約条件まで確認することが重要だろう。(安藤美耶)