※写真はイメージ(以下同)’26年上半期に大爆騰し、一時は時価総額日本一となったキオクシア。株価は調整局面に入っているものの、AI向けSSDの需要拡大を背景に、さらなる成長を期待する声もある。果たして、この熱狂は続くのか。キオクシアで16年間、半導体の研究開発に携わった投資家・もふ社長氏が、同社の強みや今後の成長材料を解説する。
◆キオクシアの熱狂は続くのか?
’26年上半期に大爆騰して一時、時価総額日本一の銘柄となったキオクシア(東P・285A)。この熱狂は続くのか。同社(旧東芝メモリ)で16年、半導体の研究開発に携わった投資家のもふ社長氏に聞いた。
「AIの情報処理では、GPUが演算を担い、記憶領域のHBMがすぐ使うデータ、SSDが大量のデータを蓄える役割を担います。キオクシアは、このSSDの中核となるNANDフラッシュに長年特化してきた会社です。前身の東芝時代にはNAND型フラッシュメモリを発明し、3次元化も世界に先駆けて研究してきました。
さらに、競合の多くがメモリと制御回路を同じウエハー上に作ってきたのに対し、キオクシアは両者を別々に最適化して作り、貼り合わせる『CBA』を本格採用。これによりNANDを高速化し、AI向けSSDで大きな強みにしようとしている」
◆トヨタの2倍の時価総額がある!?
株価は調整局面だが、PERは7〜8倍前後と割安だ。
「キオクシアの上期の予想営業利益は3.2兆円。トヨタの通期予想営業利益が3.4兆円ですから、単純に考えれば、トヨタの2倍の時価総額があってもいいはず。
すると株価は20万円近くあってもおかしくないのですが、これはメモリ価格の高騰が一時的なもので、足元で巨額の利益が出ていても、短期的な業績拡大に終わると市場が考えているため、PERで見ると割安感が残っているのでしょう」
◆AIの進化で生じた課題の解決法が業績のカギ
では、実際にこの好業績は続くのか。カギはAIの進化で生じた課題の解決法にある。
「扱うデータ量が加速度的に増えたことで、メモリ容量とデータを送り込む速度に限界が生じています。それを解決するためにキオクシアが開発しているのが、3つのAI向けSSD。短期記憶のHBMから溢れたデータを受けるCMX SSDと、GPU直結で高速化したIOPS SSDは製品化のめどが立ち、次世代サーバーにも載る見込み。
そして配線を光に替える光SSDは、研究開発中で、完成すれば業界のゲームチェンジャーになり得る。この3つの材料は、まだ今の株価には織り込まれていないと思います」
◆水冷技術を開発している会社にも注目
AI半導体株の勝ち筋は、ボトムインフラにあると語る。
「今後、熱問題はさらに深刻になる。例えばエヌビディアが開発したヴェラ・ルービンという新サーバーは、1台でドライヤー約100個分も発熱し、空冷では対処しきれない。そこで、水冷技術を開発しているバーティブHD(NYSE/VRT)などに今は注目しています」
過熱するAI市場。この波に乗るべきか?
【投資家 もふ社長氏】
キオクシア(旧東芝メモリ)で半導体の研究開発に従事。独立後は個人投資家として活動。YouTubeチャンネル「もふもふ不動産」
※2026年9月16日号より
取材・文/週刊SPA!編集部
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