
Q. 「うつの人に『頑張って』は禁句」って本当でしょうか?
「親しい友人が最近うつ状態になってしまい、心配です。週末に会えたとき、『頑張って』『早く元気になってね』と声を掛けてしまったのですが、一緒にいた友人から、前向きな言葉はよくないと、後で注意されました。本当に元気になってもらいたくて、自分の本心でかけた言葉なのですが、言うべきではなかったのでしょうか?」A. よかれと思った励ましがプレッシャーになってしまうことがあります
うつの状態の人に接するときには、どのような言葉をえらぶか、かける言葉に少し注意が必要です。何気ない親切から出た一言が、相手を追い込んでしまうことがあるからです。今回挙げられている「頑張ってね」「早く元気になってね」といった言葉には、「早く良くなってほしい」という期待の気持ちが込められていますが、その期待がプレッシャーとして伝わってしまうこともあります。元気なときは、「行動を促進させる言葉」は喜ばれるものです。しかし、心が病んでいるときには、励ましがプレッシャーになってしまうことがあります。
たとえば「頑張ってね」は「精一杯やってきたのに、もっと頑張らなきゃダメなのかな」、「早く元気になって」「そんなに落ち込まないで」は「今の自分は迷惑なのかな」というように、本人を追い詰める方向に受け取られてしまうことがあるのです。
反対に、支えになるのは、相手が安心して楽に過ごせるような言葉です。「今はゆっくり過ごそうよ」「焦らなくて大丈夫」といった言葉は、周りに迷惑を掛けているのではと気にしがちな本人の気持ちを和らげ、回復への希望を持たせてくれます。
・相手の話をじっくり聞き、否定せずに受け止める
・無理に外出や趣味を勧めず、ゴロゴロしていても見守る
・周りが不安になったり心配し過ぎたりしない
・落ち込み方が強いようなら、心の専門医への受診を勧める
・回復期こそ、頑張らせないように注意し、焦らず見守る
うつの状態にある人は、自分を責めてしまう傾向があります。だからこそ周りの人は、言葉や態度で相手を追い込まないよう注意を払っていくことが大切です。
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大美賀 直子プロフィール
公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。(文:大美賀 直子(公認心理師))
