AIと「人」の融合が顧客満足度1位を支える――デル宮崎カスタマーセンターの内部を歩く

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2026年09月16日 16:10  ITmedia PC USER

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デルの宮崎カスタマーセンターが入居している商業施設「カリーノ宮崎」。JR宮崎駅から徒歩10分ほどの好立地にある

 デル・テクノロジーズが9月12日、11月で設立21周年を迎える宮崎カスタマーセンターでプレス向けの発表会を行った。


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 日本全国のデル製品ユーザーに向け、テクニカルサポートを提供しているデル・テクノロジーズの「宮崎カスタマーセンター」。2025年11月に設立20周年を迎えた同センターについて、その概要や近年注力しているAIを活用したサポート体制、そして同社が大切にしている人材育成や地域貢献活動について解説する。


●充実のサポート体制を支える「宮崎カスタマーセンター」の概要


 同社の日本国内におけるテクニカルサポートは、主に2つの拠点で役割を分担している。本社がある東京・大手町の拠点ではハイエンドサーバを担う一方、宮崎ではクライアントPC全般からエントリーサーバ、一部のストレージ製品までのサポートを幅広く担当する。


 宮崎カスタマーセンターには総勢約400人が在籍しており、その全員が正社員として雇用されているのが大きな特徴だ。約半数がテクニカルサポート業務に就き、残りが内勤営業などを担当している。


 同社の保守ネットワークは日本全国に広がり、約200の保守拠点、1200人規模のオンサイトエンジニア、18カ所の保守部品配送拠点を構えている。


 宮崎センターでは、顧客からの電話やオンライン経由での問い合わせに対し、受付から障害の切り分け、部品の手配、そしてオンサイト出張修理や引き取り修理の手配まで、正社員の専任エンジニアが一貫して対応する仕組みを構築している。


 これにより、顧客が「たらい回し」にされるのを防ぎ、迅速かつ的確な問題解決を実現しているという。


 そもそも、なぜ宮崎に大規模な拠点を構えたのだろうか。その理由として、自治体の強力なIT誘致や協力体制、中心市街地にある大型オフィス(旧壽屋跡の広いフロア)、駅や空港からの良好なアクセスに加え、ホスピタリティーにあふれる人材の確保がしやすかった点を同社は挙げている。


●テクニカルサポートを進化させる「AI」と最先端ツール


 宮崎カスタマーセンターのサポート業務において、今や欠かせない存在となっているのがAIや最先端のデジタルツールだ。現在、同社はSalesforce基盤へのツール統合を進めながら、以下のようなシステムを運用している。


 顧客がオンラインサポートを利用する際、AIボットがサービスコードから機器を特定し、対話形式で障害の切り分けから修理手配までを自動で行うのが「バーチャルアシスタント」(AIボット)だ。もちろん、必要に応じて同画面からスムーズに有人対応へ切り替えることもできる。


 また、顧客の過去の障害や修理履歴をAIが2〜3行で自動的に要約するのが「Gen AI Case Summary」(問い合わせ履歴の要約)で、エンジニアは速やかに状況を把握でき、シームレスな継続対応が可能になる。


 「Next Best Action(NBA)」は、AIが自動的に切り分け手順を生成し、エンジニアに対して迅速かつ正確な解決策(推奨アクション)を提示する。


 複数の案件を一括管理し、AIが対応の進ちょくや優先順位を分析してフォローアップの指示やアラートを出すのが「Case Intelligence Dashboard(CID)」だ。


 そして、機械学習テクノロジーを用い、顧客から送られた画像などからLCD(ディスプレイ)の画面割れなどの損傷を自動検知して修理を提案する「Visual Listening」(画像解析)も利用されている。


 また「AR Assistant」(拡張現実)はARアプリを使用し、顧客自身が行う内部パーツの交換手順を視覚的にサポートする。


 同社では、現在の事象や過去の履歴を自動的に収集・分析し、対応方法を自律的に決定する次世代の「統合型エージェンティックAIモデル」の開発も進めている。


 一方で、AIボイスIVR(自動音声応答)については、日本語特有のニュアンス認識や応対品質の課題から、本格的な導入には慎重な姿勢を見せているという。むやみにAI化を進めるのではなく、顧客満足度の維持・向上を最優先する姿勢がうかがえる。


●高品質なサポートを生み出す「人への投資」とボランティア活動


 AIがどれほど進化しても、サポートの要となるのは「人」である。宮崎カスタマーセンターでは、手厚い育成活動と多様性を重んじる職場環境作り、そして積極的な地域ボランティア活動を推進している。


 新卒採用においては、入社後にPCの基礎から学ぶ6週間のトレーニングを実施。現場配属後も先輩社員が伴走し、AIによるサポートツールと組み合わせることで、サポート品質の均一化を図っている。


 また、新人1名に対して先輩2名がつくメンター制度や、定期的な1on1ミーティング、会社が費用を補助する資格取得支援制度などを整備している。これらの取り組みの成果として、電話応対コンクールでは全国大会への出場や新人賞、準優勝などを多数獲得している。


 さらに、障がい者雇用の取り組みとして「キャリアサポートセンター」を社内に設置しており、1年間のビジネススキル研修プログラムを通じて業務スキルと就労習慣を身につけた後、ビジネスサポートグループとして各部門の業務をサポートする体制を整えている。


 宮崎という地域に根ざした活動も活発だ。「親子パソコン組立教室」の開催をはじめ、地域の夏祭り「えれこっちゃみやざき市民総踊り」への参加、大淀川周辺のシティクリーン活動、青島太平洋マラソンでの給水ボランティアなど、多岐にわたるCSR活動を継続している。過去には熊本地震の際の初動支援(物資提供やバス派遣)や募金活動なども実施してきた。


働きやすい環境作り


 こうした活動を支える基盤として、ワークライフバランスや女性活躍推進にも力を入れている。男性を含む育休の取得促進、社内マッサージルームの設置、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を解き放つパネルイベントなどを実施し、宮崎市から「ワークライフバランス・女性活躍推進事業者」として表彰を受けた実績もある。


 最先端のAIテクノロジーの活用と、社員一人一人の成長を後押しする手厚い教育体制、そして地域社会への貢献。デル・テクノロジーズ宮崎カスタマーセンターの「顧客満足度1位」(日経コンピュータ調べ)という称号は、システムと人が融合した、弛まぬ努力の成果といえるだろう。



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