
洗濯物をてきぱきとたたみ、カクテルを作り、ロックのかかったイーサネットケーブルを器用に外す――。人間の動作だけから学習したというロボットAIの映像が、Xで注目を集めている。開発した米Reward AIは「人間レベルに近い器用さと効率」をうたい、映像はいずれも早送りなしの1倍速だと説明。Xでは「これが1倍速?」「これまでで最速のロボット操作モデル」と、その動作速度や滑らかさに驚く声が上がっている。
映像でロボットを動かしているのは、Reward AIが9月15日に発表したロボット向け基盤モデル「OM-1」(Omnibody Model 1)。人間が物を扱う際の動きを直接記録し、そのデータのみでロボットに動作を学習させるのが特徴だ。人間がロボットを遠隔操作して集めるテレオペレーションのデータや、実機ロボット上で収集したデータは使わないという。
公開した映像では、複数のロボットアームが連携してスマートフォンを箱に詰めるほか、酒をシェーカーに注いでカクテルを作ったり、洗濯物をたたんだりする様子を披露。イーサネットケーブルの小さなラッチを押しながらコネクターを抜くなど、細かな操作もこなしている。
こうした動きを学習するために使うのが、人間の手や指の動きを捉えるウェアラブルデバイス「Omnibody Hand」だ。人が装着した状態で、物をつかむ、押す、滑らせる、ひねるといった作業をすると、画像や触覚、指の間の距離、手の位置・姿勢などを記録する。
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さらにOM-1は、産業用アームから人型ロボットまで、異なる種類のロボットをまたいで使えるという。OM-1が出力した動きを各機体向けの制御層が実際の動作に変換し、ロボットごとの違いに対応する仕組みだ。制御層はシミュレーション上の強化学習で訓練するとしている。
新しい作業についても、30分未満の人間による実演データから学習できるという。複数のアームを使う作業では、一方のアームがもう一方のミスを補うほか、モデルが再試行するタイミングを判断する。
学習データの収集に使う「Omnibody Hand」は、Reward AIのメンバーらが手掛けた研究「DexCap」を基に開発した。DexCapは、器用な物体操作に必要な人間の動きを収集するモーションキャプチャー技術だ。
Reward AIは、OM-1の提供開始時期や価格、提供形態は明らかにしていない。同社は、工場やキッチン、倉庫などへのロボットの大規模展開を目指しており、顧客の現場ですでに使われているさまざまなロボットへの適用も想定している。
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