
コンビニエンスストアの"レジ横"ホットスナックの定番、ローソンの「からあげクン」が今年で発売40周年を、そして、あまじょっぱいパウダーがクセになる亀田製菓の「ハッピーターン」が50周年を迎えました。どちらも節目の年を前に、過去最高の売上や出荷額を記録しています。
長年にわたり、多くの人々の心を掴んで離さないロングセラー商品。なぜこれほどまでに長く愛され続けているのでしょうか?
【写真を見る】「からあげクン」40周年、「ハッピーターン」50周年 ロングセラーの秘密とは【THE TIME,】
年間販売高トップ3を独占!累計50億食を突破した「からあげクン」ローソンといえば、「どらもっち」や「プレミアムロールケーキ」など、スイーツ系の商品がたびたび話題となります。しかし、そんな人気スイーツを抑え、プライベートブランドの年間販売高トップ3を独占しているのが、「からあげクン」です。
今年8月には累計販売数50億食を突破、さらに「月刊コロコロイチバン」でからあげクンが主人公の漫画の連載も始まるほどの人気ぶり。
1986年に発売されるやいなや、大ヒットとなった「からあげクン」、愛される理由の一つは、その手軽さにあります。
開発のきっかけについて、ローソンのからあげクン開発担当者・新井愛未さんによると、「開発担当者がアメリカへ行った際、当時の若者が一口サイズのチキンを片手で食べていたのを見て、発想が生まれた」とのこと。
また、日経クロストレンドの森岡氏は、「おかずの定番だった唐揚げを持ち歩ける“おやつ”にした点」が画期的だったとした上で「コンビニで初めてフライヤーを導入し、ホットスナックという文化をからあげクンで定着させていった」と分析します。
|
|
|
|
そして 、発売以来変えずに大事にしていることが”むね肉”を使っていること。「当時あった“パサパサして美味しくない”というむね肉のイメージを覆し、美味しくジューシーに召し上がっていただくというコンセプトを今も大事にしている」。このこだわりが、からあげクンならではの食感を生み出しているのです。
430種類以上!飽きさせない“多彩なフレーバー”からあげクンの魅力を語る上で欠かせないのが、その豊富なフレーバー。
これまで発売されたフレーバーは、約430種類にものぼります。今でこそ種類が豊富なイメージですが、発売当初は「レギュラー」のみ。その2年後の1988年、激辛ブームに乗って現在の1番人気「レッド」が登場し、様々な期間限定フレーバーが生まれるようになったのは1994年ごろからでした。
進化は味だけにとどまりません。2022年には、タルタルソースなどを内部に入れたフレーバーが登場。そして今年は「サクッと! からあげクン」という、”衣”に注目した新商品が開発されました。
次々と新しいフレーバーを出すことについて、
新井さんは、「定番の安心感があってこその様々なフレーバーだと考えている。別の味を開発することで、『レギュラーやレッドも食べてみようかな』と、定番があるからこそ楽しんでもらえると信じている」。
新フレーバーを生み出すため、担当者は毎週1回、取引先との開発会議を行っており、現在すでに2027年度の新商品を検討している最中だといいます。多い時には一つの商品で30種類ほどの試作を食べることもあるそうです。
|
|
|
|
味の着想を得るために大切にしているのは「街に出ること」。テーマパークなどで長い行列の先にどんな味があるのかを調査することもあるといいます。驚くべきことに、この国民的ヒット商品の開発を担うローソンの担当者は、新井さんただ一人です。
もちろん、商品開発はうまくいくことばかりではありません。過去には、試作段階で「ボツ」になった商品もあるといいます。その一つが、なんと「コーラ味」。
甘いものとしょっぱいものの組み合わせに可能性を感じ試作したものの、「別々で食べた方が美味しい」という結論になり、発売には至らなかったということです。
「ハッピーターン」が目指したのは“これまでにない新しいお煎餅”続いては、今年発売50周年を迎える亀田製菓の「ハッピーターン」。同じく60周年を迎える自社の「柿の種」とコラボし、大きな話題を呼びました。
開発の背景について、亀田製菓の広報担当者は「当時、これまでなかった新しいお煎餅を作ろうと開発が始まった。お煎餅といえば醤油味の硬いものが主流だった時代に、女性や子どもにも楽しんでもらえるものを目指した」と語ります。
ハッピーターンが愛される理由の一つは、”変わらない包装”です。街の人からは「クルッと開けてパクッと食べられる」という声が聞かれるように、個包装には開けやすさと、開けた時に手を汚さないようにする工夫が施されています。また、一見お煎餅に見えない楕円の形状は、丸い形のものより口に含みやすくするための工夫です。
|
|
|
|
そして、愛されるもう一つの理由は、あまじょっぱい味が特徴の”魔法の粉”です。
洋風の味わいを目指したことが、特徴的な味付けに繋がったといいます。
しかし、人気に火が付くまでには長い道のりがありました。発売から29年間、売り上げはなかなか伸びませんでしたが、転機が訪れたのは2005年。インターネット上でハッピーターンの粉が話題になったのです。
「魔法の粉だ!」「粉だけ売ってくれないかな」。こうした声は、亀田製菓の想定をはるかに超えるものでした。
この反響を受け、亀田製菓はあの粉に「ハッピーパウダー」と命名。パッケージも粉を前面に打ち出したデザインにリニューアルしました。さらに、お煎餅の生地の表面に「パウダーポケット」と呼ばれる溝をつける工夫を施し、ハッピーパウダーがより多く付着するように改良。
この戦略が見事に的中し、売り上げは急拡大。去年はついに出荷金額100億円を突破しました。
周年を迎えたロングセラー商品たち。変わらない魅力を守りつつ、時代のニーズに合わせて進化し続けることで、今後も幅広い世代に愛され続けていきそうです。

