※画像は生成AIによるイメージです「セクシー女優は大変だ」「思うように稼げる商売ではない」ということを記事に書くと、ほぼ確実に「でもメーカー専属になれたら昼職より稼げて、ちやほやされるだろ」と突っかかってくる人が現れる。
たしかにメーカー専属女優になり、契約が続けば、セクシー女優は天国かもしれない。しかし、あくまで契約が延長されるか、契約終了後も企画女優として仕事が回り続ければ……という話だ。成功例に当てはまらなければ、天国はそう長く続かない。
もっと言ってしまうなら、売れたら楽しい期間は伸びるけれども、将来に関する保証は全くない。有頂天でいられる期間も限られていると考えると、皆さんが想像する“贅沢”も、ある意味虚像……なんて捉え方をしても、あまり間違っていないだろう。
◆ヒエラルキー崩壊で偏るオファー
以前のセクシー業界は、メーカー専属の単体女優・企画単体(キカタン)女優・企画女優という3つのヒエラルキーで構成されていたが、ある時を境にキカタンも企画も一緒くたになった。今はAV新法や売り上げの関係でリリース本数が少なく、芸名が出ない素人モノに有名女優が出演するのが普通。売り上げに苦戦するなか、無名女優が減ったことがヒエラルキー崩壊の理由である。
リリース本数が絞られると、1本あたりの売り上げを大きく伸ばしたいのがメーカーのホンネ。1本1本が絶対に外せないのなら無名を使う余裕などないため、結果的に売れっ子へのオファーが集中するわけだ。
はっきり言ってしまうと、現在は数字を出せる演者に依存する傾向が強まり、人気女優は数ヶ月以上先までびっちりとスケジュールが埋まっている。これはたしかに、天にも昇るような気持ちになるが、その分の疲労は大きい。
一方で無名女優は明日明後日のオファーさえやってこない。なんともシビアな格差に、女優もプロダクションも頭を抱える毎日だ。中間層と呼べる“そこそこ”の女優が減り、今は“天か地か”の二極化が否めない。
◆専属スタートでないと“詰む”現実
この業界は水商売と違って、努力をすれば売れるものではない。デビュー時から未来は7割くらい決まっているようなもので、今はメーカー専属デビューでないと延命がかなり難しい。
専属女優スタートだとメーカーの大々的なプッシュもあって注目度が高い一方で、企画女優としてのスタートだと宣伝力が弱い。相当SNSがうまいか、運が良いか、あるいは単体レベルの可愛さがないと初動から苦戦し、その後も鳴かず飛ばずの状況に陥りやすいのだ。
少し前なら無名の企画女優からのステップアップも望めたが、販売本数とオファーの激減により、下剋上はかなり困難になっている。どんなに本人にやる気があってもチャンスさえ与えられないならば、演者はどうしようもない。
売れれば天国、負ければ地獄。そんな勝敗が最初の時点である程度決定しているうえに、良いスタートを切っても勝ち続けられるとも限らないのがセクシー業界の非常に厳しいところ。
また、最初の数ヶ月はオファーが多くても、何年も一定水準の収入を保てないなら、幸せなどすぐに過ぎ去る。一瞬の高収入など長い目で見たら大したことないので、「ちやほやされて贅沢」といった世間のイメージとは遠くかけ離れているだろう。
◆一生稼げるなんて一握り
売れ続ければ天国であることに間違いはなく、人々が想像するところの“贅沢”はそれなりに手に入るはずだ。実際に身を粉にして働いているのだから、決してラクをして稼いでいるわけではないのだが。
ただ長年稼げる女優はほんの一握りで、おまけに一生涯遊んで暮らせるほど稼げるわけではない。ビデオ撮影のみで年収3億円なんてのは絶対にあり得ず、歳を取れば若い頃のようにバンバン作品へ出演することもできなくなる。半数以上はどこかで撤退して、舞台から降りねばならない日が必ずやってくる。
それが「勝ち続けたうえで去る」のか「負けたから撤退」なのかは人それぞれだけれど、一生続けることが難しく、おまけに一生分稼げないとなると、「イイ思いができる期間は限られている」といっても過言ではない。
◆人気商売で活躍できる期間は「短く儚い」
漫画『闇金ウシジマくん』の「フーゾクくん」編で、「夜職の高収入は退職金の前借りのようなもの」というセリフがある。近頃ではXで似たような意見が飛び交っており、セクシー女優の人気や収入に関しても同様のことが言えるだろう。
幸せを延命するために演者としてトップを狙うか、あるいは期限付きの幸福と割り切って働くか……。いずれにせよ、人気商売で活躍できる期間は、基本的に短く儚いのである。そんな現実を冷静に見ると、世間が指摘する“贅沢”なんてのも、そう大きくはないのかもしれない。
文/たかなし亜妖
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。