「子連れはグリーン車に乗るな」新幹線で母親に怒鳴った男性…駆けつけた車掌の“冷静な一言”

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2026年09月19日 16:01  日刊SPA!

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※画像は生成AIによるイメージです
 出張や旅行、帰省など、多くの人が利用する新幹線。限られた空間で長時間過ごすからこそ、お互いへの気遣いが欠かせない。しかし、ときには子ども連れに対する考え方の違いから、思いもよらないトラブルが起きることもある。
 今回は、新幹線で子ども連れをめぐるトラブルに遭遇しながらも、周囲の人の毅然とした対応によって救われたという2人のエピソードを紹介する。

◆「子連れはグリーン車に乗るな」と突然怒鳴られ…

 娘が1歳だった頃、夫と3人で東京から広島へ向かっていた佐伯綾香さん(仮名・30代)。

 長距離移動だったため、少しでも落ち着いて過ごせるようグリーン車を予約。子どもがぐずった時に備えて、お菓子やお気に入りのおもちゃを用意していたという。

「周りに迷惑をかけないように、できる限り準備をしていましたが……。乗車から1時間ほど経った頃、娘がぐずり始めてしまいました」

 泣き声が大きくなる前にデッキへ移動し、お菓子を食べさせたり、おもちゃで気を紛らわせたりしたものの、なかなか機嫌は戻らなかった。

 途中からは夫とも交代しながら、30分ほどかけてあやし続けた。ようやく娘が落ち着き、席へ戻ったその直後だった。

 隣の席に座っていた男性が、車内中に聞こえるような大声で「うるさい子連れはグリーン車に乗るな!」と言い放ったという。

「迷惑をかけないように、すぐデッキへ移動して必死にあやしていました。それなのに、あんなふうに言われてしまって……。子どもが泣いてしまった申し訳なさはありましたけど、『ここまで配慮しても責められるんだ』と悲しくなりました」

◆車掌が男性に言ったひと言

 突然の怒鳴り声に、周囲の乗客も一斉に佐伯さんのほうへ視線を向けた。騒ぎに気づいた車掌が駆けつけ、事情を確認すると、男性に対して「他のお客様のご迷惑になりますので、お席を別の車両にご用意いたします」と言ったという。

 注意されたのは佐伯さん一家ではなく、大声をあげた男性だった。男性は何も言い返せず、席を立って別の車両へ移っていったそうだ。

「車掌さんは、私たちがデッキへ移動していたことも見てくださっていたのだと思います。感情的にならず、冷静に対応してくださったおかげで、本当に救われました」

 佐伯さんは、「子ども連れだから何をしても許されるとは思っていません。だからこそ、できる限り周りへの配慮をしていました」と振り返る。

「あの日以来、小さな子どもを連れて移動している人を見かけたら、『大変だよね』という気持ちで見守るようになりました」

◆「ヨーロッパでは普通です」と車内でおむつ替え

 休日に新幹線で旅行先に向かっていた中田由香さん(仮名・30代)は、3列シートの窓側の席に座っていた。

 通路側には赤ちゃんを抱いた女性が座っており、赤ちゃんは静かに眠っていた。しかし、乗車から30分ほど経つと、赤ちゃんが泣き始めたという。

「おむつを替えたいのかなと思っていたら、空いていた真ん中の席に赤ちゃんを寝かし始めたんです。『まさか、ここでおむつ替えをする気じゃないよね?』と思いました」

 もし本当に“おむつ替え”が始まってしまったら困ると感じた中田さんは、できるだけ角が立たないように話しかけることに……。

「すみません。おむつ替えはここではやめていただきたいのですが。多目的室があると思います」と優しく声をかけると、女性は不機嫌そうな表情を浮かべたという。

 そして「ヨーロッパでは赤ちゃんのおむつ替えはどこでもやっています。日本は不寛容で冷たい」と車内に響くような声で言い返してきたそうだ。

◆「ジョークですか?」と反論した外国人女性

 すると、後方の席に座っていた白人女性が立ち上がり、中田さんのほうへ近づいてきた。赤ちゃんを座席に寝かせようとする様子や、母親が大きな声で言い返す姿を見て状況を察したようだ。

 女性は母親に向かって、英語で「ジョークでしょ? ヨーロッパでも公共の場でおむつ替えなんてしません」と言い放ったという。

「母親には英語が通じていないようでした。ただ、『No』という言葉や女性の表情から、自分の行動を否定されていることは伝わったみたいです」

 母親は赤ちゃんを抱き、多目的室の方向へ歩いていった。

 女性は中田さんに向かって、「びっくりしたわ。私たちも公共の場では、おむつは替えないわよ」と笑顔で話しかけてくれたそうだ。

「外国では普通という言葉で、迷惑行為を正当化する人を見かけることがありますけど、実際にはその国でも非常識とされていることはあるんですよね。まさか、外国の方が声を上げてくれるとは思っていなかったので、とても印象に残っています」

 約20分後、母親は席に戻ってきたものの、わざとらしくため息をつきながら、「大変」「疲れた」と独り言を繰り返していたようだ。

 子ども連れであることを免罪符にせず、周囲も必要以上に責めない——。互いに相手の立場を思いやることが、誰もが気持ちよく新幹線を利用するために欠かせないことではないだろうか。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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