
<巨人14−1中日>◇19日◇東京ドーム
「よっしゃあ」。巨人田中将大投手(37)が後ろを振り向き、ほえた。1回、中日の先頭福永への初球を投じる直前だった。首位阪神に1ゲーム差。前夜は9回サヨナラ勝ち。2週間ぶりの1軍マウンドに「昨日ああいう勝ち方をして、残り少ない中で投げる。なんとかいい仕事ができればと思っていた」。勝利への思いがあふれ出た。
雄たけびとは対照的に、投球は冷静だった。ツーシーム、スライダー、チェンジアップ、スプリットを操り、竜打線に的を絞らせない。大量援護を受け、4回にはリードが7点に広がった。「だからといって失点をするのは絶対に嫌だった」と緩まなかった。中盤以降は二塁を踏ませず、7回4安打1失点。テンポ良くアウトを積み重ねた。
三塁を守る幼なじみ坂本からは声かけがあった。「いいタイミングで来てくれるんで助かっています」。ともにプロ20年目を迎えた盟友の声も背に受け、役割を果たした。
投球を終えベンチへ戻っても、表情は厳しいまま。「納得できるわけではない」と、好投にも満足はしなかった。今季初めて東京ドームのお立ち台に立つと、ようやくほおが緩んだ。「ほっとしました。めちゃくちゃうれしいです」。約4カ月半ぶりの白星となる歴代単独2位の日米通算204勝目でチームを2連勝に導いた。首位阪神を追う残り10試合。百戦錬磨の右腕が、逆転優勝への勢いを加速させた。【北村健龍】
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