群馬県の草津温泉感謝祭に参加した、滋賀県草津市観光物産協会のマスコットキャラクター「おんせんどろぼう」(右)=8月、群馬県草津町(同協会提供) 認知度の低さを逆手に、自治体などが観光PRを進めている。「まだバレてない」「温泉がない方の草津」。担当者は自虐ネタを武器に「地域の魅力を知ってもらえるきっかけにしたい」と意気込み、19日から始まった秋の大型連休にも期待を寄せている。
「まだバレてない秋田県。」。県観光戦略課によると、県内には世界自然遺産の白神山地や8月にある秋田竿燈(かんとう)まつりなど豊富な観光資源がある一方、全国的な認知度の低さが課題という。そこで県は5〜7月、逆手に取ったキャッチコピーを掲げて宿泊クーポンを配布するキャンペーンを展開した。
観光庁の宿泊旅行統計調査(第2次速報)によると、県内の6月の延べ宿泊者は33万9100人で前年同月から34.4%増え、伸び率は全国トップに。担当者は「キャンペーンの効果が表れた」と手ごたえを感じる。
日本屈指の温泉地、群馬県草津町と混同されることが多いという滋賀県草津市は「温泉がない方の草津」とPRし、知名度向上を目指す。同市観光物産協会は昨年、マスコットキャラクター「おんせんどろぼう」を発表。琵琶湖を温泉にするため全国の温泉を盗むという設定が話題を呼び、8月には草津温泉感謝祭にも参加を果たした。
市観光物産協会の阪本佳奈さん(29)は「自虐のように見えるかもしれないが、草津市の魅力を知ってもらうきっかけになれば」と話す。
牛丼チェーン「松屋」が島根県出雲市に今春オープンし、全国で唯一出店がない都道府県となった鳥取県。県のキャラクター「トリピー」はXに「ぜんぜん気にしてないんだからね!」と投稿したが、添えられた写真には「こっち来て」と書かれたうちわが写っていたことが注目を集め、80万超のPVを記録した。
4月には、県産食材を使ったコラボメニューを県のXで募集する「#鳥取に松屋が来たら」キャンペーンを展開した。企画した県広報課の中垣咲紀さん(35)は「最後の県になったことをネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに変えて魅力を発信していきたい」と話している。

認知度の低さを逆手に取り、「まだバレてない秋田県。」とのキャッチコピーを掲げて県が展開する観光キャンペーンのポスター(同県提供)

鳥取県のキャラクター「トリピー」によるXの投稿(同県提供)