ママ友に“利用され続けた”30代女性。会計時に店員が言った「スッキリする一言」で縁を切ることができたワケ/ご近所付き合いはどれくらいの距離感が望まれているのか調べてみた

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2026年09月22日 08:50  日刊SPA!

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※画像は生成AIによるイメージです
保育園の送り迎えで毎日顔を合わせるうちに、自然と話すようになった人。同じ年ごろの子どもがいて、夫の帰りが遅いのも同じで、気がつけば休日にランチへ行く仲になっている。そんなふうに始まった関係が、いつのまにか自分ばかりが我慢する形になっていた、という経験はないでしょうか。
こども家庭庁の取りまとめによると、令和8年4月1日時点で保育所等を利用する児童の数は265万人。待機児童数は2435人で、前年より181人増えています(こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」)。265万人の子どもに送り迎えがあるということは、その数だけ保護者同士が顔を合わせる場面があるということでもあります。

今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気記事から、保育園で仲良くなったママ友に役員仕事を押しつけられ続けた女性の話。転機になったのは、花屋の店員が放った一言でした。

記事の後半では、人が地域の付き合いにどのくらいの距離感を望んでいるのか、内閣府の世論調査を調べてみました。「深く助け合いたい」は、いまや多数派ではないようです。

* * *

◆「ステキなママ友」と思っていた人の本性は…

 仲良くなった人とは、いつまでも良い関係を続けていきたいもの。けれどなかには、仲良くなればなるほど相手をぞんざいに扱うような人もいるようだ。今回はそのような悲しい体験をして学んだことがあるという江隅幸子さん(仮名・30代)の話を紹介したい。

 幸子さんは、同じ保育園に子供を通わせるママ・A美さん(仮名・30代)に声をかけるタイミングがあった。過去に接点はなかったが、同い年でお互いに夫が多忙ということもあり、休日のランチや平日の夕食を一緒に楽しむことも増えていったとか。

「A美は結婚を機に、夫の実家があるこの地域へやってきたそうです。そのため親しい人もいなくて心細かったそうで、私が声をかけた瞬間の嬉しさを手紙にしたためてくれたほど。大人になって年賀状以外で文書のやり取りはなかったので、すごく嬉しかったです」

 お互いの子どもたちが仲良く遊んでいたこともあり、「ステキな友だちができた」と嬉しく思っていた幸子さん。ところが、だんだんと違和感を抱くようになる。

◆面倒な仕事を押し付けられ…

 たとえば、「私も手伝うから」とA美さんに言われて立候補した保育園の役員仕事は、すべて押し付けられた。

「保育園の先生たちには、『お手伝いできることがあれば、何でも言ってください』と積極的に声をかけておきながら、実際に頼まれると、仕事の都合や体調を理由に私に押し付けてくるのです。そして、まるで自分が率先してやったかのように話す感じも嫌でした」

 けれど周囲は、真実を知る由もない。気がつけば、明るくて積極的で話し上手なA美さんは、いつの間にかママ友たちの中心的な存在となっていた。少し距離を置きたいと思っていた幸子さんだが、ママ友たちの集まりの際、A美さんは毎回のように幸子さんを誘ってくる。

「その度に断ろうとして『その日はちょっと予定が……』と伝えるのですが、『じゃあ、いつだったら大丈夫?』と、ほかのママ友たちがいる前で聞かれてしまいます。そうすると、ほかのママ友たちの手前もあって無下には断れなくて……。結局、行くハメになります」

◆花屋で偶然会ったA美に言われた図々しい一言

 A美さんとは距離を置きたいけれど、ほかのママ友たちから変に思われたくはない。そんな気持ちで参加しては、A美さんが率先して引き受けた店の予約や買い出しなどについて、「仕事でバタバタしてて忘れてた」「仕事で遅れそうだから」と押しつけられる日々。

「モヤモヤしていたある日、『娘が予選を勝ち抜いて出場するから』と、共通のママ友からコンサートに招待されたんです。A美には『いっしょに行こう』と誘われましたが、その日は午前中に仕事が入っていたので別々に会場へ向かうことになりました」

 ところが、自宅マンションが近いこともあり、数少ない花屋さんでバッティング。仕事が押してしまった幸子さんがコンサートの最後に渡す花束用の花を急いで選んでいたところに、A美さんが駆け込んできたのだ。

「コンサートの開場時間が迫っていたこともあり、向こうも慌てていたので挨拶だけ済ませて花選びに集中。花束にしてもらう花が決まってレジへ辿り着いた瞬間、『あ、ごめん。先にいいかな?タクシー待たせてるから!』とA美が背後から声をかけてきたんです」

◆花屋の店員が放ったスカッとする一言

 戸惑いながらも「タクシーを待たせているなら仕方ないか……」と考え、「いいよ」と譲ろうした幸子さんだったが、先に花屋さんが一言。「え?先にこの方(幸子さん)が並んでたんだから、この方のお会計を先にさせていただきますね」と言ったのだ。

「その一言で、目が覚めたんです。モヤモヤしていた気持ちをスッと晴らしてくれたような感じ。それに、花屋さんのようにきちんと判断してくれる人もいるとわかり、ほかのママ友たちの前だからと無理することはないと思えたんです」

◆「関係性の見直し」も大切なこと

 これまでのことを冷静に振り返り、「私のことなんて、ママ友だと思っていない」と判断した幸子さんは、徐々にA美さんとの距離をとりながらお付き合いをやめていったのだとか。しばらくはひとりぼっちになるような寂しい瞬間もあったが、その後は状況が好転。

「いまは、何かを押しつけてきたりしないママ友たちと仲良くやっています。まわりの目や子どものこともあるので、嫌なことがあってもなかなか口には出せないママ友の関係ですが、違和感を覚えたときはお互いの関係性を見直してみたほうがいいかもしれません」

 仲良くなればなるほど、人の本性は表に出やすいもの。なかには人の善意や親切につけ込んで、どんどん図々しくなる人もいる。負担を背負わされたりトラブルに巻き込まれたりしないためにも、違和感を覚えたら早い段階で距離を置くことも大切といえるだろう。

<TEXT/夏川夏実>

* * *

◆■望ましい付き合いは「助け合う」より「世間話や挨拶」

内閣府が令和7年10月から11月にかけて実施した「社会意識に関する世論調査」(有効回収数1732人)では、地域での付き合いはどの程度が望ましいかを聞いています。

結果は、「地域の行事や会合に参加したり、困ったときに助け合う」が26.2%、「地域の行事や会合に参加する程度の付き合い」が27.4%、「世間話をする程度の付き合い」が21.9%、「挨拶をする程度の付き合い」が21.4%、「地域での付き合いは必要ない」が1.4%でした(内閣府「社会意識に関する世論調査(令和7年10月調査)」)。

世間話か挨拶くらいがいいという人を合わせると43.3%。困ったときに助け合いたいという人の26.2%を上回っています。前回調査と比べても、「助け合う」は30.3%から26.2%へ下がり、「世間話をする程度」は19.2%から21.9%へ上がっていました。

浅い付き合いを望むのは冷たいことのように思えますが、数字のうえではそちらのほうが多い、ということになります。

◆■実際の付き合いは、ほぼ半々

同じ調査では、実際にどのくらい付き合っているかも聞いています。「付き合っている」とする人が52.7%、「付き合っていない」とする人が45.8%。ほぼ半々です。

年齢別に見ると、「付き合っていない」とする人の割合が高いのは18歳から29歳、30歳代、40歳代、50歳代。子育て中の世代が、ここにそのまま入ってきます。付き合いが少ないのは、時間のない世代のほうなのかもしれません。

エピソードの女性は、A美さんと距離を置いたあと、しばらく寂しい思いもしたと語っていました。それでも最終的には、押しつけてこない人たちとの関係に落ち着いています。なぜそう転んだのか、世論調査を眺めてもそこまでは書かれていません。

ただ、望ましい距離感が人によってこれだけ違うのなら、合わない相手と無理に深く付き合う必要もないのだろう、とは思います。断るのが苦手な人ほど、付き合いを全部やめるか続けるかの二択に見えるかもしれませんが、選択肢は挨拶だけ、世間話だけ、というところにもあるようです。

次に誘いを断るとき、自分が望んでいる距離はどのあたりなのか。一度だけ考えてみてもいいかもしれません。

<再構成/日刊SPA!編集部>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Xアカウント:@natukawanatumi5

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