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2026年09月22日 12:11 ITmedia Mobile

「Z世代に人気のアプリといえば、『BeReal』でしょ」──確かにその通りです。しかし、Z世代が早くも次のアプリへ視線を移していることをご存じでしょうか。
そのアプリとは、日本のApp Store無料アプリランキングで上位を走る、韓国発のVlogアプリ「setlog(セットログ)」です。
パレンテが実施した10〜20代の学生ユーザー対象の調査によると、setlogを「知っている」と答えた人は91.4%と9割を超え、「使っている」と答えた人の合計も7割を上回っています。
これほどまでにZ世代をひきつけるsetlogとは、一体どのようなアプリなのでしょうか。
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●Vlogアプリ「setlog」とは
setlogは、韓国のnew chatが手掛けるアプリです。2025年12月にiOS版、2026年4月にAndroid版が登場しました。リリース当初は韓国語版のみでしたが、Android版のリリースとほぼ同じタイミングで日本語にも対応。これをきっかけに、2026年5月ごろから日本国内での利用者が急増しました。
仕組みは至ってシンプルです。通知が届いたタイミングで、インカメラかアウトカメラのどちらかを使い、2秒前後の動画を撮影します。初期設定では1時間おきに通知が届きますが、間隔の変更は自由です。仮に撮り逃した時間帯があっても、その部分は黒い画面のまま記録されるだけでペナルティーはありません。
アカウントの作成はパスキーで行います。交流は「ログルーム」と呼ばれる友人限定グループで行い、学校の友人や家族、恋人など複数のグループに参加が可能です。グループへの参加には、招待者から6桁の数字コードか招待リンクを受け取る必要があり、これらを知らない第三者が中身を目にすることはまずありません。
1グループあたりの上限は20人。1日の区切りは午前4時から翌午前4時までで、その間にグループ内へ投稿された動画が自動でまとめられ、1本のVlogが簡単に完成します。出来上がったVlogは端末へ保存できる他、カレンダーをさかのぼって過去の動画を見返すことも可能です。
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setlogには加工機能やフィルターが搭載されておらず、スマホ内に保存した画像や動画の投稿もできません。機能としては、投稿にひとこと添えるキャプション機能や、グループ内でのリアクション、コメントのやりとりなどが用意されています。
基本は仲間内で楽しむアプリですが、完成したVlogはXやInstagramのストーリーズに投稿する動画コンテンツとしても活用できます。これまでに、アイドルグループがコンサートの1日をメンバーそれぞれの視点で投稿した例や、ふれあい動物園の動物たちの1日を記録したVlogなどが公開されてきました。旅行の思い出を参加者全員で共有・記録するといった使い方もおすすめです。
●変わりゆくSNSの潮流にマッチ
ここまで読んで「何かに似ている」と感じた方もいるかもしれません。mixiの「マイミク」限定公開や、GREE・モバゲーの招待制コミュニティーに代表されるように、当時のSNSは不特定多数へ発信するものではなく、顔見知りの仲間内で交流する場でした。実名制を採用し、「友達申請」を承認した相手だけに公開範囲を絞れるFacebookも、同様の発想に基づくサービスです。
SNSの潮目が変わったのは、Twitter(現X)やInstagramでいかに注目を集めるかが主流となってからです。Twitterではフォロワー数やリツイート数で拡散力を競い、影響力の大きさが重視される風潮が生まれました。
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Instagramでは「インスタ映え」が2017年の流行語大賞に選ばれるなど、大衆に見せるための作り込んだ投稿が求められるようになったのです。Facebookも日本国内ではビジネスSNSとしての性格を強め、友達の数や経歴を「人脈」としてアピールする場へと変化していきました。
その潮流に変化をもたらしたのが、2016年8月に登場したInstagramの「ストーリーズ」機能です。投稿した写真や動画が24時間で自動消去されるため、映えを気にせず気軽に投稿でき、新たにつながった相手に過去の投稿を見られる心配もなくなりました。
2018年の発表資料によると、当時既に国内デイリーアクティブアカウントの7割がストーリーズを利用しており、「消える」という仕様が投稿の心理的ハードルを大きく下げたことがうかがえます。
同年11月には「親しい友達」機能も加わり、公開範囲を特定のリストに限定できるようになりました。この頃から、共有相手を厳選してありのままの自分を見せるスタイルへとシフトしていったのです。
そして2023年前後から支持を集め始めた「BeReal」は、「作り込まないリアルな日常」をコンセプトに掲げ、無加工の写真や動画を共有するアプリとして急速に広まりました。
BeRealの公開範囲は原則として承認済みの友人のみに限られており、ストーリーズが開拓した「クローズド」な世界観を踏襲しています。その上で、独自の制約を設けることでエンタメ性を高めました。
1日1回ランダムに届く通知から2分以内に、イン・アウトカメラで同時に撮影しなければならないというルールです。撮り直し回数まで共有される仕様も手伝い、「盛らない日常」を目指したはずが、結果として一発勝負のような緊張感を生むことになりました。
setlogは、まさにこうしたSNS体験の進化形といえます。何物にも縛られず、親しい仲間内だけで安心してリアルな日常を共有できる「ゆるさ」こそが、setlogの持つ最大の新しさです。
●若者がsetlogを支持する3つの理由
あらためて、setlogが若者に支持される理由を3つのポイントに整理します。
1つ目は「クローズドな設計」です。setlogの交流はグループ内に限定されており、フォロー/フォロワーという概念が存在しません。一般的なSNSでは異なる人間関係が一律「友達」として扱われるため、万人受けする投稿を意識せざるを得なくなります。しかしsetlogであれば、グループごとに相手に応じた自分を自然に使い分けることが可能です。
2つ目は「時間に追われない設計」です。BeRealのような「2分以内の撮影」という厳しい制約がなく、指定された時間帯の中で都合の良いタイミングを選べます。BeRealに追われる感覚から「BeReal疲れ」を覚えるユーザーも増えている他、社会人になって友人同士で同じ時間を共有しづらくなった世代にとっても、setlogの自由度の高さがフィットしています。
3つ目は「日記としての需要」です。setlogはグループに参加せず1人で利用することも可能で、その場合は投稿の制限もありません。撮りためた動画は自動で1本のVlogにまとめられるため、他者に見せるためではなく、自分専用のライフログとして活用できます。
実はBeRealでも、過去の投稿を自分だけで振り返る「メモリーズ」機能が人気を集めており、「思い出を残したいが過去の投稿を人に見られたくはない」というニーズが存在します。setlogはこうした欲求を最初からくみ取った設計になっているのです。
●setlogは親しい人と気兼ねなく交流できる
こうして振り返ると、setlogのヒットは、SNSの歴史の中で一度失われた「仲間内で完結する安心感」を、動画という新しいフォーマットによって取り戻した結果であると捉えることができます。
年齢を重ねるにつれ新しいSNSを始めるのは少々おっくうに感じがちですが、setlogの仕組み自体は極めてシンプルです。家族や気心の知れた旧友とグループを作り、緩やかに日常を共有してみるのも良いでしょう。特に旅行などのイベント時に活用すれば、手軽に思い出Vlogを作成できるため非常に有用です。
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