ウルグアイ戦に向け、前日練習を行うサッカー日本代表 ©産経新聞サッカー日本代表が再始動する。9月24日には仙台でウルグアイ戦(19:05キックオフ)、9月28日には広島でベネズエラ戦(19:35キックオフ)、10月1日には横浜でエクアドル戦(19:10キックオフ)、10月5日には国立競技場でパナマ戦もしくはニュージーランド戦(19:30キックオフ)が行われる予定だ。
今夏に開催されたFIFAワールドカップ2026でブラジルに敗れて以来の試合であり、4年後のワールドカップに向けて新たなスタートを切る意味で大きな注目が集まる。
◆異例だった「半年間の契約延長」
今夏のワールドカップ後、日本サッカー協会は異例の決断を下した。森保一監督の続投を決めたものの契約期間は来年1月に開催されるアジアカップまでの半年間で、その後は現在U-21日本代表(ロサンゼルス五輪代表候補)を指揮する大岩剛監督に引き継がれると発表された。
大陸選手権までという契約はヨーロッパではよくある話だが、ヨーロッパではワールドカップと大陸選手権(ユーロ)の間に基本的に2年の期間があるため、契約期間も2年間となる。
一方、アジアの場合はアジアカップが基本的にワールドカップ開催年の翌年1月に開催されるため、大陸選手権を一区切りにする契約は稀だ。
アジアのほとんどの国がワールドカップを最終目標とした4年タームで強化を考えて、4年契約を締結するのが通例と言える。現在行われているアジア大会と日程が重なるなど、異例の契約に至った理由は様々考えられるが、日本サッカー協会は次のワールドカップに向けて当面の継続路線を選択した形だ。
そして、アジアカップを戦う森保監督には優勝という命題を突きつけた。ただし優勝すれば良いというわけではなく、そこには次のワールドカップへ向けた継承と進化も含まれる。
◆アジアカップで圧倒的な結果を出せなければ…
日本代表がワールドカップで常に優勝を狙えるような世界的強豪国の仲間入りを果たすという目標は、前回のワールドカップで明確化された。
前回大会でのアジア勢はベスト32が最高成績でノックアウトラウンドには進出したが、勝ち上がったチームはひとつもない。結果から見れば、いわゆる優勝候補に対しては善戦するにとどまった。
この点を踏まえると、世界的な強豪国と肩を並べるにはアジアカップでも圧倒的な結果を出さなければならない。
アジア各国のチームも成長しているとはいえ、“強豪国側”に入ることを目標とするのが、今の日本代表だ。森保監督がトロフィーを掲げる有終の美を見せてほしいところだ。
◆将来の日本代表を担う新戦力に要注目
先に継続路線と述べたが、戦略や戦術的には進化しなければ次のアジアカップでは勝てない。相手の進化や研究を考慮すると、現状維持では対策されてしまうだろう。
良い守備から良い攻撃と森保監督が常々言ってきたように、規律性や切り替えの速さを生かしたコンセプトは継続すべきだが、戦略や戦術は進化させるべきだ。言い換えると、この半年間でその進化の指針を見せることが森保監督による最後の仕事のひとつと言える。
さらに、4年後を見据えた新戦力の発掘も仕事のひとつになる。契約期間が半年間の森保監督にはアジアカップ優勝が最大の責務であり、その達成だけを考えれば次代の新戦力は必要ないのかもしれない。しかし、森保監督に託された命題には日本代表の継承と進化がある。実際に佐藤龍之介といった、次を見越したメンバーを複数名招集している最中だ。
これらを踏まえると、今回の見どころは戦略・戦術的な進化の兆しと、将来的に日本代表の中心となる新戦力の発掘になる。森保監督は4バック採用の可能性を示唆するなど、何かしらの兆しを見せようとしている。
また、インターナショナルマッチウィークが変更となり、約3週間で4試合が行われる。これによりフィードバックを受けて再び試す機会を得られることになり、必然的に選手も試される機会が多くなる。よって、新戦力を見られる機会も増える見込みだ。
どこを変化させようとしているのか、そして誰が活躍するのかといった点に、これまで以上に注目して試合を観戦してほしい。
<TEXT/川原宏樹>
【川原宏樹】
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる