ポストシーズンの「ホームフィールドアドバンテージ」をあらためて考える【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第237回

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2026年09月25日 17:30  週プレNEWS

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「ホームフィールドアドバンテージ」について語った山本キャスター


「ホームフィールドアドバンテージ」について語った山本キャスター

こんにちは、野球大好き山本萩子です。

昨年、メジャーリーグのワールドシリーズ第3戦から第5戦を、ドジャースタジアムで観戦しました。舞台はロサンゼルス、客席を埋めていたのはほぼドジャースファン。トロントから駆けつけたというブルージェイズファンの猛者もいらっしゃいましたが、その数はごくわずかでした。

【写真】山本萩子さん フォトギャラリー

一球ごとに球場が揺れる感覚は今も忘れられません。ポストシーズンという特別な期間だからこそ、"ホーム側の勢い"をより強く肌で感じました。

今年3月、ワールドベースボールクラシックの決勝トーナメントはマイアミで行なわれたこともあり、近隣するベネズエラやドミニカ共和国のファンの方が球場の一体感を作り上げていました。歓声に飲み込まれて自分の五感まで奪われてしまいそうな、これまで味わったことのない感覚でした。

ホームチームが優位なのは、野球に限ったものではありません。サッカーでは「ホームアドバンテージ」、アイスホッケーでは「ホームアイスアドバンテージ」と呼ぶそうです。競技ごとに呼び名があるほどですから、どのスポーツにも共通して存在するということですね。

メジャーリーグは広大なアメリカを舞台にしていることもあり、基本的にはその地元球団のファンが訪れます。一方で日本プロ野球は各球場への訪れやすさに加え、「歌」も含めた応援の文化があり、ビジター応援専用の席が設置されています。球場はもちろん、対戦相手によってもその範囲が変わる場合もありますが、たとえば甲子園は、いつでも球場全体がホームチーム一色に染まったかのような感覚に陥るほど。

DeNAは昨年のクライマックスシリーズ(CS)に出場するにあたって、レギュラーシーズンではビジター応援席になっているレフト外野席をすべてホーム側とし、ビジターの応援エリアを左翼ポール際上部のウィング席に限定しました。これにはDeNAファンからも賛否の声が挙がったそうです。

CSのアドバンテージは今季から改定されました。ただ、ファーストステージでは、順位が上のチームのアドバンテージは「ホームで戦えること」だけ。それを最大限に生かそうというDeNAの狙いが見えますね。チケットの申し込みは、3年前のホーム開催時より大きく伸びたそうです。


連休何しました?

この施策はとても意味のあるものだと思います。CSのファーストステージには、ファイナルステージでリーグ1位だったチームに与えられる「勝利」のアドバンテージがありません。そしてホームで試合が開催できるのは、レギュラーシーズンで順位が上だったから。その見返りとして、「後攻で戦術を組み立てられる」ことの他に、ホームのファンが球場を埋めるという"ご褒美"があってもいいのかもしれません。

ポストシーズンだけは特別でもいいと思います。メジャーのポストシーズンで感じたのは、球場全体が一丸となって応援している特別感でした。一球ごとにどっと沸いて、ファンの集中力も熱量も、レギュラーシーズンとはまるで違います。

盛り上がるのはホームチームのファンだけではありません。圧倒的に少ないビジターチームのファンも、負けじと声を出す。少ないからこそ燃える、ということもあるはずです。レギュラーシーズンだったけれど、数年前に甲子園に訪れた際、まさにそんな感覚になったのを覚えています。

メジャーのワールドシリーズが初めて行なわれたのは1903年。長い歴史のなかでチームが増え、リーグチャンピオンシップ、ディビジョンシリーズとラウンドが増えました。一方で日本では、パ・リーグで2004年にプレーオフが始まり、2007年にセ・リーグでも導入されて「クライマックスシリーズ」が定着しました。

まだ約20年。少しずつ、しかし確実に、順位が上だったチームの「開催権」の価値がより認められるようになってきたように思います。さらには最後まで順位を争うからこそ、レギュラーシーズンの最後まで、緊張感のあるヒリヒリした試合を楽しめる利点もありますよね。

今年からCSのファイナルステージのルールが変わり、ファーストステージを勝ち上がった相手が「勝率5割未満」か「1位と10ゲーム差以上」のどちらかに当てはまる場合、7試合制となり、1位球団のアドバンテージが1勝から2勝に増えることになりました。成績の差が、アドバンテージにより濃く反映されるようになりましたね。

メジャーリーグも、ポストシーズンのレギュレーションを目まぐるしく変えながら、歴史を築いてきました。レギュラーシーズンとはまったく別物とも言える特別感や緊張感を、日本のプロ野球でも少し、楽しんでみたい......。

それでは、また来週。

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

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