「優秀だが、嫌なヤツ」はどうすればいい? 日本企業のマネジャーが考えるべき3つの対処法

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2026年09月29日 08:21  ITmedia ビジネスオンライン

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「優秀だが嫌なヤツ」、どうすればいい?

 「あの人は口は悪いけど、実力は一流だから」――このように、周囲の人が我慢している社員はいないだろうか。こうした黙認を続けていると、割を食うのは常に周囲の側だ。たった一人の影響でチーム全体のパフォーマンスが低下する可能性もあるし、優秀な人材から静かに辞めていき、気づいたときにはその人しか残っていない、という事態にもなりうる。


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 今回は“優秀だけど嫌なヤツ”を指す「ブリリアント・ジャーク」について解説する。部下育成やチームマネジメントに悩んでいる人は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。


●こういう人は昔から組織にいた


 ブリリアント・ジャークとは、仕事の能力は高く優秀(Brilliant)だが、協調性がなく周囲に悪影響を及ぼす嫌な人(Jerk)を指す。


 ただしこうした存在自体は、決して新しいものではない。昔の日本企業なら、職人気質な人、モーレツ社員、一匹狼の営業エース。呼び方こそ違えど、どの組織にもいた。


 そして周囲は大抵我慢した。「あの人は社内のルールは守らないが、腕は一流だから」「売り上げを上げているんだから、多少の横暴は目をつぶろう」。こうして受け入れられてきたのである。


 つまり、存在が新しいわけではない。新しいのは「それを許さない」という価値観のほうだ。


 この存在に明確な名前がつき、問題視されるようになったのは、ITバブル以降の米国である。


 決定的だったのが、動画配信大手Netflixだ。2009年ごろに公開した企業文化の指針で、同社はこう明言した。ブリリアント・ジャークは容認しない。チームワークに対する代償があまりに大きいからだ、と。


 天才であっても、他人を尊重できない人間は組織の文化を破壊する。この考え方が、世界中に広まっていった。


 長年、名前がなかったために放置されてきた違和感に、ようやく名前がついたと言ってもいいだろう。


●なぜ許されなくなったのか


 では、なぜ「成果を出せばOK」から「それでもダメだ」へと変わったのか。理由は以下の3つである。


1. 1人の天才では勝てない時代になった


2. 心理的安全性が重要視された


3. 放置した損失が数値化された


 一つ一つ見ていこう。


1人の天才では勝てない時代になった


 現代のビジネスは、以前とは比べものにならないほど複雑になった。1人のスター社員がスタンドプレーで押し切れる領域は確実に狭まっている。


 多様な専門性を持つメンバーが、互いに補い合いながら成果を出す。このスタイルに移行した以上、協調できない人材の価値は相対的に下がっていく。どれだけ個人の数字が高くてもチームを成長に導くことができないからだ。


「心理的安全性」の重要性が証明された


 Googleの研究などによって、チームの生産性を最も高めるのは、メンバーが恐怖を感じず、安心して発言できる環境だということが明らかになった。


 ブリリアント・ジャークは、この環境を真っ先に壊す。誰も反論しなくなり、質問も出なくなる。そのせいか、間違った方向へチームが進んでも、誰も異を唱えることができない。そういうチームができあがってしまうのである。


放置した損失が数値化されたから


 そして決め手になったのがデータだ。


 組織行動学者のウィル・フェルプスらが行った、通称「腐ったリンゴの実験」は有名だ。5〜15人程度のチームに、性格の悪い人、怠け者、周囲を暗くする人のいずれかを1人だけ混ぜる。すると、チーム全体のパフォーマンスが30〜40%も低下したという。恐ろしい事実である。


 注目すべきは、どのタイプであっても結果がほぼ同じだった点だ。攻撃的であろうが、怠け者であろうが、たった1人の存在がチーム全体の生産性を落とす。しかも、そこに離職コストまで加われば、損失はさらに膨らむだろう。「成果を出しているから差し引きプラス」という理屈は、もはや成り立たないのである。


●日本企業が、ブリリアントジャークを切れない本当の理由


 ここまで読んで「ならば即座に解雇すればいいじゃないか」と考える人がいるかもしれない。しかし、日本ではそう単純にいかない。


 解雇規制が厳しい日本では、性格や協調性の欠如を理由に解雇することは現実的ではない。Netflixのように「そもそも所属させない」という対処は、そのまま持ち込めないのだ。


 さらに厄介な問題がある。ブリリアント・ジャークは、誰に対しても攻撃的なわけではないという点だ。


 こうした人は、実はチーム内に味方も多い。努力を重ねているから、尊敬を集めていることも珍しくない。「あの人をロールモデルにしています」と語る若手がいたり「あの人が厳しく言ってもらったおかげで成長できた」と感謝する人がいたりする。


 つまり100%の嫌なヤツではないのだ。ただ、嫌な部分が1割程度に過ぎなかったとしても、その1割がチームに与える影響は甚大だ。その上、結果を出しているとマネジャーはその「1割」だけを理由にバッサリ切ることができない。だから決断を先送りし、問題は静かに深刻化していくのである。


●では、どうするか


 解雇が現実的でない以上、日本企業には別のやり方が必要だ。私が有効だと考えるのは、以下の3つである。


1. 成果の定義を変える


2. 「良いリンゴ」を正当に評価する


3. 人格ではなく、行動を指摘する


 それでは一つ一つ解説していこう。


評価の定義を変える


 個人の数字だけを見るから「数字は断トツだからな」という言い訳が生まれる。チームへの貢献、後輩の育成、情報共有。こうした項目の重みづけを変えることだ。成果評価のみならず、情意評価の質や量を見なおす。評価の物差しが変われば、本人の行動も変わる余地が出てくる。


「良いリンゴ」を正当に評価する


 腐ったリンゴがいるなら、その影響を打ち消す存在も必要だ。場の緊張を和らげ、発言しやすい空気をつくる人材である。ところが日本企業には、こうした貢献を評価する仕組みがほとんどない。目に見えないからだ。ギバーの精神でメンバーを助け、切磋琢磨する姿勢を公正に評価していこう。


人格ではなく、行動を指摘する


 「お前は性格に問題がある」では、相手は反発するだけだ。いつ、どの会議で、誰に、どんな発言をしたか。事実を記録し、その行動が組織にどんな影響を与えたかを具体的に伝えるのもいい。人格の否定は絶対にしてはならない。行動の指摘にとどめるのだ。指摘されれば意外と、


 「そんなつもりは全くなかった。これから気をつけよう」


 と素直に心を入れ替えてくれるかもしれない(もちろん、1度や2度の指摘で変わることはまれだ)。


 「数字は断トツだからな」と言ってブリリアント・ジャークを擁護し続ける限り、その職場は何も変わらないだろう。問われているのは、ブリリアント・ジャーク本人だけではない。その存在を容認してきたリーダーの姿勢や、会社の基準そのものだ。成果を出すが周囲を疲弊させるメンバーに手を焼いている上司は、対話も大事だが、まず評価の物差しを見直すところから始めてほしい。


著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)


企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。



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  • 森保は守田を外すという決断をしたよね(笑)仲良しこよしが日本企業の文化じゃないか?(笑)
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