「もう夫と一緒には暮らせない」と悩む50代妻へ。熟年離婚を回避した夫婦3組のターニングポイント

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2026年09月29日 21:41  All About

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定年前後の夫婦げんかは、我慢か離婚かの二択ではありません。相談件数4万件の離婚カウンセラーが、事例を交えながら「関係修復」に成功した熟年夫婦のターニングポイントを紹介します。(※画像:Shutterstock.com)
「もう、この人とは暮らせない」と思うほど夫に腹が立つのに、すぐに離婚したいわけではない――そんな矛盾した気持ちを抱える女性は少なくありません。

今の関係からは逃げたいけれど、本当は別れたくはない。できることなら、穏やかに暮らし続けたい。それは熟年夫婦にとって、決して珍しいことではないのです。

では、離婚寸前までいった夫婦が関係を立て直すとき、どんな変化があるのでしょうか。今回は、多くの夫婦相談を受けてきたなかから、3つの「ターニングポイント」をご紹介します。

事例1.「夫を変えよう」とするのをやめた55歳

55歳のA子さんは、定年退職が近づいた夫への不満でいっぱいでした。

脱いだ服はそのまま、家事を頼めば露骨にイヤな顔をする、身だしなみに無頓着すぎる……数え上げればきりがありません。「定年後、毎日この人が家にいるなんて耐えられない」と、本気で離婚を考えていました。

A子さんは「もっと家事を手伝ってほしい」「少しは私の気持ちを考えてほしい」と何度も夫に訴えましたが、夫が変わる気配はありませんでした。

そんなA子さんの転機は、「夫を変えることをやめよう」と決めたことでした。夫が脱いだ服を片付けるのをやめてそのままにしておく。食事も「今日は自分でお願い」と伝えて何もしない。夫に合わせていた休日には、自分だけで友人と出掛ける――そんなふうに夫を変えようとしなくなったら、次第に夫への怒りが減っていったそうです。

【アドバイス】相手ではなく、自分を主語にして考える

相手を変えようとすると、変わらないことが分かるたびに、あなた自身が失望してしまうものです。であれば、「夫に何をしてもらうか」ではなく、「私はどうすれば機嫌よく暮らせるか」というように、主語を「夫」から「私」に変えて考えてみましょう。

こうすると、「夫に期待しない」「夫をあきらめる」という消極的な姿勢ではなく、自分の幸せを相手任せにせず、自分自身で選び取れるようになります。

事例2.「夫婦なんだから一緒」をやめた58歳

58歳のB美さん夫婦は、顔を合わせればけんかばかりでした。

夫がテレビを見ていれば「ほかにやることないの?」と妻は言い、妻が出掛けようとすれば「また遊びに行くのか?」と夫……互いにイヤミを言い合い、けんかになる。「同じ家にいるだけで息が詰まる」と、B美さんは離婚届まで取り寄せていました。

ところが夫婦が選んだのは、すぐに離婚することではなく、夫婦の距離を取り直すことでした。休日は別々に過ごす、食事も週末以外は一緒にとらない、互いの部屋には勝手に入らない――そんなふうに、あえて距離をとるルールを決めたのです。

すると、顔を合わせる時間が物理的に減ったことで、イライラすることも激減し、穏やかに会話できるようになったといいます。

【アドバイス】夫婦は常に一緒である必要はない

若い頃は、夫婦の距離の近さが愛情の証だったかもしれません。しかし50代からは、「ちょうどいい距離」こそが愛情になることも少なくないのです。

距離をとることは、疎遠になることでも心が離れることでもありません。関係を壊さないために、あえて距離を置く――それも立派な夫婦関係の知恵と考えましょう。

事例3.「離婚できない」を「離婚しない」に変えた52歳

52歳のC菜さんは、長年夫との関係に悩みながらも、「私には離婚なんて無理だ」と思っていました。一番の理由はお金です。経済的に1人で生活していく自信がなかったのです。

そこでC菜さんは、すぐに離婚するためではなく、「もしも1人になったら、どう暮らしていくか」を調べはじめました。自分の収入、貯蓄、住まい、将来の生活費、この先の仕事についても具体的に計算し、見直したのです。

すると半年ほどして、C菜さんの気持ちに変化が起きました。「離婚できないから、この人といる」と思っていたときより、夫に腹が立たなくなったのです。「もしも本当に無理になっても、どうにか1人で生きていけそうだ。だったら今は、まだ離婚しないでおこう」――そう思えるようになったと、笑って話してくれました。

【アドバイス】離婚後の生活をシミュレーションする

離婚を回避するためにこそ、「離婚しても生活できる準備」をしておくことは役に立ちます。

経済的にも生活面でも自立できる自信がつけば、「仕方なく一緒にいる」から、「私は今、この結婚生活を選んでいる」へと変わるからです。それは、自分で選び取っている“主体的な人生”への転換でもあります。

夫婦は「元通り」にならなくていい

関係修復というと、「昔の仲のいい夫婦に戻らなくては」と考えるかもしれませんが、必ずしもそれがベストとは限りません。

20代や30代の頃と50代とでは、仕事も家族も体も、人生で大切にしたいことも変わっているからです。だとしたら、夫婦の形だって変わっていいはずです。相手を変えようとしない、少し距離をとってみる、1人でも生きていける自分になる――その結果、「やっぱり離婚する」という答えにたどり着くこともあるかもしれません。それもまた、自分自身が考えて選んだ人生です。

反対に、「離婚はいつでもできる。でも私は今、この人といることを選ぶ」と思えるようになったことで、夫婦関係が穏やかになる人もいます。

「我慢するか、離婚するか」の二択だけではありません。今の夫婦関係が苦しいなら、終わらせる前に、2人の関係の“形”を変えてみるという選択肢もあります。

熟年夫婦の関係修復とは、昔の2人に戻ることではなく、これからの人生に合った、新しい2人になっていくことです。「もう我慢できない」と思った今だからこそ、はじめられる夫婦関係もあるのです。


岡野 あつこプロフィール

夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。32年間で相談件数3万8000件以上、2200人以上の離婚カウンセラーを創出。著書多数。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』。
(文:岡野 あつこ(離婚ガイド))

このニュースに関するつぶやき

  • 熟年離婚回避方法・・自分の場合は喧嘩になりそうなときは口を利かない、顔をあわせない。喧嘩しそうな時に顔をあわせたら即離婚を選ぶと思うから。親にはなるべく愚痴を言わない。
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