
世の中には、会社の売り上げを優先するあまり、従業員の身内の不幸すら軽視する職場があるようだ。
投稿を寄せた埼玉県の40代男性は、20数年前にアパレル業界で働いていた当時の出来事を振り返る。男性によると、当時の勤務先は「売り上げを作るためなら人殺し以外はなんでもありな会社」だったという。
ある夏の日に親戚の叔父が亡くなったと実家から連絡が入った。
「結婚式の盛り上げ役を頑張ってくれたり、私が物心つく前から可愛がっていただいた叔父でした」
通夜と葬式は繁忙日の土日に重なっていた。とはいえ8月の閑散期で「自分がいなくても店舗は十分回るはず」という状況だったため、男性は店長に「通夜だけでも参列したい」と申し出た。しかし……。(文:篠原みつき)
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「ああ、遠い遠い。お前が行かなくても大丈夫だろ。行かなくてよし」
店長から返ってきたのは信じがたい言葉だった。そのときのやり取りは、こうだ。
「死んだおじさんってどんな関係の人?」
「父方の親戚の叔父さんです。父の妹さんのご主人ですが」
「ああ、遠い遠い。お前が行かなくても大丈夫だろ。行かなくてよし」
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葬儀よりも「売り上げを優先しろ」と休ませてもらえず、当時は「ハラスメントの定義がなかったころ」だったこともあり、男性は泣く泣く出勤したという。
後日、公休を使って叔父宅を訪れ、ようやく線香をあげることができた。叔母からは「気にしなくていいんだよ。仕事は大事だからね」と言われたものの、最後の別れに参列できなかった後悔は残った。さらに、
「本家側である両親や周辺の親戚からは『恩知らずか』と厳しい叱責がありました」
現在は別の会社で働く男性は、その経験を反面教師にし、部下や後輩にご不幸があった場合は「各日に参列できるように人員管理をしています。それが当たり前のことですので……」と書いている。
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