新型リーフ「オープンリリーフカー」公式魔改造の舞台裏!

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2026年09月30日 06:40  週プレNEWS

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横浜スタジアムで初公開された、3代目「日産リーフ」をベースにした新型リリーフカー


横浜スタジアムで初公開された、3代目「日産リーフ」をベースにした新型リリーフカー

日産が自らの手で、新型リーフのオープンカーを造った。その正体は、横浜ベイスターズの投手をマウンドへ送り届けるリリーフカー。しかも製作には、整備士を目指す学生たちも参加。市販車とはまるで違うEVは、いったいどんな仕上がりなのか!? 週プレ自動車班が現地取材した!!

【写真】9月22日デビューの新型リリーフカーの内装

【球団が選んだのは「一番派手なヤツ」】

やったぜ、日産!

世界初の量産型EV(電気自動車)として知られるリーフ。その3代目となる新型リーフが、なんとオープンカーになった。しかも、ただのコンセプトカーではない。横浜スタジアムで実際に走るリリーフカーだ。

日産は長年、横浜スタジアムを走るリリーフカーのベース車を提供してきたが、今回はひと味違う。日産が自らデザインや改造なども担当したというのだ。

神奈川県厚木市にあるNTC(日産テクニカルセンター)の技術開発本部・試作部が市販車のルーフやドアに手を入れ、文字どおり自分たちの手で屋根をぶった切った。これはもう日産による�犖�式魔改造�瓩澄�

というわけで9月9日、週プレ自動車班は横浜スタジアムへ向かった。最寄りのJR関内駅から歩くこと数分。空はどんよりと曇り、猛烈な蒸し暑さが全身にまとわりついてくる。湿気を含んだ空気が、やけに重い。前日、関東・東海地方を襲った記録的な大雨の影響だ。各地で被害も発生していた。

「晴れ男の自負があるんですが、年々、効力が薄くなって。でも、今日はどうにかなりましたね。屋根がないクルマなので雨だと......」

そう笑う日産関係者の視線の先に、ターコイズブルーの新型リリーフカーが現れた。屋根はない。実に開放的だ。ベースは2026年1月に発売された3代目リーフ。ホーム用とビジター用の2台が製作された。


新型リリーフカーの元ネタとなった、今年1月に発売された3代目日産リーフ。価格438万9000〜599万9400円

今回、報道陣に披露されたのはホーム用。後部座席には横浜DeNAベイスターズの象徴である星をイメージしたシートがバーン!

驚いたのは、その開発スピード。市販車の新型リーフも担当している足立浩哉氏(車両計画・車両要素技術開発本部 車両・商品戦略企画部 車両&プラットフォーム計画グループ主担)はこう語る。

「デザイナーと製作担当者が密接に関わることで、デザイン決定から形になるまで1ヵ月半〜約2ヵ月と、かなり短い期間で開発できました。内装は、どういった形やレイアウトなら前席を含めたスペースを確保できるか、これまでのリリーフカーを研究しながら造りました」


新型リーフを��公式魔改造��した日産の開発メンバー。左から佐藤信秋氏、長谷川聖氏、足立浩哉氏

デザインを担当した長谷川聖氏(グローバルデザイン本部 第二プロダクトデザイン部)はこんな秘話を明かす。

「デザインで気を使ったのは、スタンドから見て観客の期待感をグッと集中させることですね」

日産はデザイン4案をベイスターズ側に提示した。その中から選ばれたのは、最もド派手な案だったという。

【未来の整備士も�犖�式魔改造�瓩忙伽錙�】

実車製作の現場には、もうひとつ仕掛けがあった。全国に5校展開する日産自動車大学校の学生たちの参加だ。各校からふたりずつ、計10人が厚木のNTCに集結。

ルーフやドアをカットした後の処理や磨き、カラーリングなど、細かな作業を担当。シート製作だけは協力会社が担ったが、それ以外は基本的に日産社内で製作されたという。

日産の国内マーケティング&セールス執行職の杉本全氏は舞台裏を語る。

「学生のみんなは、リリーフカーに触れるなんて想像もしていなかったので、とても喜んでいました。整備士を目指している学生にとって、本当に良い機会をいただいたと思っています」

設計を担当した佐藤信秋氏(車両生産技術開発本部 新車生産準備技術センター 試作検証課)も学生たちの仕事ぶりをこう振り返る。

「学生たちはみんな優秀で、言うことは素直に聞いてくれるし、手先も器用ですごく助かりました」

もちろん、ただ新型リーフの屋根をぶった切っただけのクルマではない。リリーフカーは、勝敗を左右する選手をマウンドへ運ぶ、いわば�狷�く勝負カー�瓩任發△襦�だから、スタジアムならではの使い勝手が徹底されている。


9月22日デビューの新型リリーフカーの内装。ド派手な��星��の後席に加え、運転席まわりも選手ファーストの専用仕様に仕上がっている

まず、市販車にあるセンターコンソールを撤去。助手席側の床もフラット化し、選手がスムーズに乗り降りできるようにした。乗降用ステップの高さも、野球用スパイクを履いた状態での動線を考慮して設定。さらに、スタンドから見たときに投手の表情がしっかり見えるよう、シートの座面の高さまで調整している。

リリーフカーには長い歴史がある。横浜スタジアムでは1970年代から日産車ベースのリリーフカーが使われてきた。ブルーバード、Be−1、エスカルゴなど、個性的な日産の名車たちが、長年にわたりマウンドへ向かう投手を運んできた。

2017年シーズンからは初代リーフ、2018年シーズンからは2代目リーフがベース車両として採用され、今回ついに3代目へとバトンタッチされた。

この日、車両のお披露目とともに写真撮影、記者会見に臨んだベイスターズの相川亮二監督、筒香嘉智(よしとも)内野手、伊勢大夢投手。3人とも、まだEV運転の経験はないという。だが、静かで力強いEVへの興味は十分で、リリーフ投手の伊勢投手は、こんなコメントを口にした。

「ボディの色も変わって、乗り心地も良くなっていると感じました。リリーフ陣全員で、新しい気持ちで臨みたいです」


新型リリーフカーに乗る横浜DeNAベイスターズの相川亮二監督(運転席)、筒香嘉智内野手(後席右)、伊勢大夢投手(後席左)

週プレ自動車班は、屋根のない新型リーフを見つめ、ひとつの妄想を抱いた。例えば観光地。例えば大型ショッピングモール。

例えばテーマパーク。屋根を開け放ったリーフが、人を乗せてゆっくりゆっくり走る。今回のオープンカーは野球場だけで終わらせるには、正直言ってチト惜しい気がするのだ。

やっちゃえ、日産!!

取材・文・撮影/週プレ自動車班 撮影/山本佳吾

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