

ヘーゲルは重そう、という心配を吹き飛ばしてくれるタイトルだ。マルクス解説で話題を呼んだ斎藤幸平氏がやさしく読み解く『寝ながらヘーゲル』(NHK出版、1133円)が10月13日に発売される。論破、炎上など、ギスギスした社会に生きる私たちが読むべき一冊だ。
SNSの時代、承認欲求は暴走し、対立は終わらず、社会分断は広がり続ける。その根底にある仕組みを、ヘーゲルは主著『精神現象学』で、まるで現代を予言するかのように鮮やかに描き出していた。人間は繰り返し間違い、傷つきやすい、もろい存在であるからこそ、私たちは他者なしには生きていけず、他者と痛みを分かち合い、自らの誤りを訂正し、相手を許すことができ、一緒に協力して新しい知識や自由社会を作っていける、と。
のちにマルクス思想誕生のきっかけとなり、近現代思想を方向づけることになったこの名著を、著者が分かりやすく読み解いた一冊。古今の哲学書の最高峰とも呼ばれるこの書物も、承認、自由、共同体をめぐるヘーゲルの洞察をたどれば、驚くほど現代的な書物であることが分かり、いま私たちの社会で何が起きているのかが見えてくる。NHK「100分de名著 ヘーゲル『精神現象学』」に大幅加筆して刊行される。
読書の秋、「寝っ転がりながら」同書に挑戦するのもいいかもしれない。定価1133円(税込)。

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