観客数激増・チーム数倍増で7シーズン目を迎えるDリーグ ソフトバンク榛葉会長は「スポンサーというよりパートナー」

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2026年09月30日 09:50  webスポルティーバ

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ソフトバンク榛葉淳氏 × Dリーグ神田勘太朗氏  特別対談(前編)

 Dリーグの7シーズン目が10月6日(火)に開幕する。日本発のプロダンスリーグとして始まったDリーグは、昨シーズンからよりキャパシティの大きいトヨタアリーナ東京に会場を移したこともあり、23-24シーズンと比較して観客数が2.6倍に激増。さらに今シーズンからチーム数が合計20チームとなる。創設時は9チームだったため、こちらも倍以上だ。このことからもわかるとおり、Dリーグは右肩上がりに成長し、企業からも熱視線を浴びている。

 そんなDリーグを創設時からずっと支え続けているのが、ソフトバンクだ。トップパートナーとしてここまで6シーズンをともに歩み、7シーズン目も引き続きサポートする。ソフトバンクはどのような思いでDリーグに寄り添っているのか、そしてDリーグはどんな相乗効果を得たのか――。ソフトバンク株式会社 取締役会長の榛葉淳氏、DリーグCOOの神田勘太朗氏に話を聞いた。

【パートナーとして参画】

(ふたりが入室&着席)

榛葉 お忙しいんじゃないですか。

神田 ついこの間、(Dリーグ25-26が)終わったと思ったら、すぐに開幕が来たって感じです(笑)。

――このような対談は日程調整に時間がかかるものなのですが、取材申請書を出した翌日には日時・場所が確定しました。おふたりの距離感の近さがうかがえます。

榛葉 勘太朗さんとは、立ち上げの時からずっと一緒にやってきましたので。

神田 そうですね。榛葉さんとは何度もお会いしていますから。

――お忙しいおふたりですので、さっそくお伺いしていきたいのですが、ソフトバンクはDリーグが創設された2020年からトップパートナーとしてサポートしてきました。Dリーグがスタートしていないなかで、契約の決め手となったのはどんなところですか。

榛葉 まず、DリーグCEOの平野岳史さん、COOの神田勘太朗さん、HIROさん率いるEXILEの方々とお会いしました。平野さんは起業家・実業家として、HIROさんはダンスの先駆者のひとりとして従前から存じておりましたし、勘太朗さんはダンスへの造詣が深い方として、非常に尊敬しておりました。その3人がリードして立ち上げるということで興味を持ちました。

 最初に勘太朗さんらからプレゼンを受けたのですが、そのなかで日本のダンスシーンの現状と課題を語られるとともに、プロリーグの必要性、さらに世界を視野に入れた明確なマイルストーンと戦略のお話をしていただき、それらを熱い思いを持って我々に伝えてくれました。

 また2012年から中学校でダンスが必修になっていること、パリ五輪でブレイキンが採用されたことも相まって、実はスポンサーというよりも、パートナーとしてこのDリーグ構想に参画させていただきたいと感じました。これが契約に至った経緯となります。

神田 最初は私が中心になってお話をさせていただいたのですが、長らくダンスは、アーティストの後ろで踊ったり、催し物のにぎやかしとして出演したりすることが多く、エンターテインメントの端役であって主役ではありませんでした。それでも魅せるショーとして少しずつ盛り上がってきましたが、ひとつのマーケットにはなりきれていませんでした。

 そんな背景のなかで、誠に勝手ながら、ソフトバンク様の業界での立ち位置が、Dリーグが掲げた理念やカルチャーと似ているなと感じていました。つまりカウンターカルチャーなのではないかと。主役や主流派が持つ価値観や体制に対して、異を唱えカウンターを打っていくという意味です。

 ダンスで世界に打って出るなら、そういう気概のある方々とご一緒して共創・共闘できれば、きっと現状を破壊して新しいものを作れるのではないかと思いました。ですからソフトバンク様にお願いをさせていただきました。

榛葉 Dリーグは開幕して7シーズン目を迎えますが、勘太朗さんはずっと変わらず、このパッションを持ち続けています。そこは本当にすばらしいと思っています。

神田 本当にありがたいお話です。自分は熱量100%で生きてきました。もともと自分の母親がダンサーで、ダンスで世界を変えたいなと思って、小学時代の卒業式で「ダンスで世界を変えます」と宣言しました。その後紆余曲折はありましたが、その熱量が冷めないまま、気づけばもうすぐ47歳です(笑)。

【社内で見せる盛り上がり】

――榛葉さんは実際にDリーグを観戦して、どのような感想を持たれましたか。

榛葉 初めて観戦した時には、本当に感動しました。わずか2分15秒のショーにもかかわらず、ダンサーたちは踊り終わった後、立っていられないほど、まさに全身全霊をかけていました。ひとつの対戦のために、ゼロから曲を作り、振り付けを考え、踊り込む。この準備には想像を絶するくらいの努力と集中力が必要だと感じました。

 私はダンスというスポーツを経験したことがなかったがゆえに、感動とインパクトを受けました。応援しているファンの方々も食い入るように見ていて、会場の雰囲気もすばらしいと思いました。

 最初のころは、ダンスの良し悪しについて細かいところはわかりませんでしたので、勘太朗さんに見方について解説していただき、今では少しずつ理解できるようになってきました。

神田 榛葉さんに最初にお伝えしたのは、「まずは2分15秒のダンスを見た時のシンプルな感想、ファーストインプレッションが大事です」ということでした。最初はダンスの上手い下手を判断するのは難しいと思いますので、知識ゼロの状態で見るアートと同じで、「なんか好きだな」という感覚でいいと思っています。

 そのあとに、HIPHOPやブレイキンなどチームが軸としているダンスジャンルや、チームが大事にしているコンセプトなどの情報を追加していくと、作品の謎が解けるように理解が深まっていくのかなと思います。最終的にはダンサーのパーソナリティーまでわかっていくと、より面白くなっていきます。それが理想ですね。

――ソフトバンクの社員の間でDリーグの話題が出たり、Dリーグに観戦に行く人が増えたりといった反響はありますか。

榛葉 とくにこの数年、大きな盛り上がりを感じていて、非常に手ごたえを感じています。スタート当時はコロナ禍ということもあって無観客で開催していましたが、今は社員への観戦枠に毎回応募者が多く、抽選になっています。まさに争奪戦ですね。

――ソフトバンク社内も非常に盛り上がっているということですが、Dリーグとしてはどんな面で盛り上がりを感じていますか。

神田 大きいところで言うと、お客様の層です。これまでダンスのショーを見るのはダンサーが中心だったのですが、それに加えて今では一般の方々、まったくダンスに関心がなかった方々も来てくれています。Dリーグはそんな方々にどうダンスを届けるかに重きを置いてきました。ここ最近とくにこの変化のスピードが上がっていると感じます。

 それからDリーグとしてこれまでさまざまな変化、チャレンジを試みてきましたが、そのひとつが「シンクロ」(※)です。ダンスは感覚的であり、定性的に見る側面が多くて、勝敗を分けるのが難しかったんです。そこでぴったりそろえて踊るシンクロを導入しました。
※シンクロパフォーマンス:出場する8名全員のダンスがそろっていたかを評価する項目

 導入当初は反対の声がすごかったです。「ダンスへの冒涜だ」とか、「なんだこのルールは」とか言われていましたが、シンクロはダンスの実力に関係なく練習の量で結果が変わります。また、ジャンルが違うダンス対決なので、統一規格が必要だと我々は考えました。感性を中心としたグルーヴではなく練習量で結果が出ることもあり、公平性が担保できたと感じています。それによってひとつのイノベーションが起きました。

榛葉 導入したのは、3シーズン前くらいでしたか。

神田 テストを始めたのがまさに3年前からです。

榛葉 シンクロは、ダンサーの技術の面でもジャッジの面でもどんどん進化してきていますよね。前例のない、非常に面白い試みですので、大いに期待しているところです。

神田 このシンクロ票のほかに、観客がジャッジする「オーディエンス」の票、エースダンサーの個人スキルを評価する「エースパフォーマンス」の票などもあって、そこにダンスの実力が掛け合わされることによって、競技性が増したと感じています。

後編に続く >>

text by Sportiva

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