米アマゾン・ドット・コムのクラウド部門のデータセンター=米バージニア州、2025年9月(EPA時事) 【ワシントン時事】米経済が底堅さを保っている。商務省が9月30日発表した4〜6月期の実質GDP(国内総生産)確定値は大きく上振れた。人工知能(AI)ブームに伴う投資活発化などが景気を押し上げる構図が続く。同時に公表された物価指標はインフレの根強さを示す内容で、連邦準備制度理事会(FRB)が10月下旬の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切るかが当面の焦点となる。
実質GDP確定値は前期比2.2%増と、改定値から0.7ポイント引き上げられた。AIデータセンター建設ラッシュを受け、設備投資が9.0%増(改定値8.5%増)と全体をけん引。GDPの7割を占める個人消費も3.8%増(同3.4%増)と、株高などを背景に好調さを保った。
一方、8月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.4%上昇。予想(3.7%上昇)を下回ったことで過度なインフレ懸念が和らぎ、市場では10月の利上げ観測がやや後退した。
ただ、コンピューターソフトウエアなど一部項目の算定方法の変更が指数を押し下げた側面もある。インフレ率はFRB目標の2%を大幅に超過しており、「依然として高過ぎる」(ミネアポリス連邦準備銀行のカシュカリ総裁)状態に変わりない。
米イラン紛争の出口が見えず、原油価格の高止まりが続く中、インフレのさらなる長期化懸念がくすぶっている。大和総研ニューヨークリサーチセンターの藤原翼研究員は、今後の指標で物価上昇圧力の強さが示された場合、「(FRBが)10月会合で様子見の選択肢を取ることは難しくなる」と分析する。