関暁夫が語る忍者×防犯・防災の融合 甲賀の地で開催『情熱防災・防犯フェス』で魅せた“新たな命のつなげ方”

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2026年10月02日 19:00  オリコンニュース

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『甲賀流忍法 まるっとまるーむ 情熱防災・防犯フェス〜みんなで学ぶニンニン祭り〜』 (C)ORICON NewS inc.
 甲賀市観光まちづくり協会が主催し、情熱クラブ一般社団法人が企画・運営を手がけた体験型イベント『甲賀流忍法まるっとまるーむ情熱防災・防犯フェス〜みんなで学ぶニンニン祭り〜』が、滋賀県甲賀市まちづくり活動センター「まるーむ」で9月26日に開催された。「忍の極意は、生きる知恵」をテーマに、遊びながら防災・防犯について学べる催し。情熱クラブの象徴的な存在である“Mr.都市伝説”こと関暁夫が甲賀忍者の文化が継承される地で提唱する、新たなる防災・防犯の“流儀”について、イベントの模様を関のコメントと共にお届けする。

華やかな紫着物を纏ったくノ一が登場

 情熱クラブは、関の「災害やテロなどの有事に見舞われた際、世の中のために自分たちができることを考えて行動していきたい。子供たちの未来、日本の未来のために活動する」という思いに共鳴した有志が集まり、2023年12月に設立。防災を軸にしたイベントは、これまでも2025年6月の『スポーツ・防災フェス in 北海道』、同年11月の『新宿歌舞伎町防災・防犯フェス』、オリコンニュースで取材も行った2026年5月の『ワンダーファームでワン!だふる 情熱ペット防災 in いわき』などが実施されてきた。

■「防犯と忍者の融合は盲点だった」甲賀市長も舌を巻く、忍術を現代の防災へ応用する斬新な試み

 この日はあいにくの雨模様となったが、会場には親子連れを中心に多くの来場客の姿が見られ、悪天候を吹き飛ばすほどの熱気が満ちあふれていた。歴史深き「忍者の町」として知られる滋賀県甲賀市において、伝統的な忍者文化と現代社会の重要課題の一つである防災・防犯を融合させたイベントが開催されたのは興味深いところ。情熱クラブによると、過酷な乱世を生き抜いた忍者の知恵や生存術は、現代の危機管理や生き抜くためのサバイバル戦略として捉え直せるとのこと。ひいては町おこしにつなげる狙いもあるという。

 取り組みについて岩永裕貴・甲賀市長も、「忍者の町として、これまで科学や技術、忍術、文化といった側面を中心にアピールしてきたが、防犯と忍者をマッチングさせる発想はなかった。忍者と防犯・防災の親和性の高さに改めて気付かされたし、新たな入口として関心を持ってもらえるのでは」と期待。防災・防犯という日常に直結する入口を設けることで忍者への興味が深まり、同時に忍者を通じて防災意識が高まる。双方向の価値を生み出す可能性を秘めている。

 会場内には防災・防犯×忍者を体現した、「食:たべる」「備:そなえる」「守:まもる」「活:いかす」「継:つなぐ」といった各テーマに沿った内容を体感できるブースのほか、ふれあい動物園やキッチンカー、ワークショップなどが展開。「一人前の忍者を目指せ!忍者修行!五術めぐり」と題したスタンプラリーも行われるなどエンターテインメント要素を交え、来場者へ防災・防犯に対する意識を楽しませながら啓蒙していた。

 その様子を目の当たりにした岩永市長は、市内にある『るろうに剣心』や『侍タイムスリッパー』といった話題作のロケ地の魅力も活かしつつ、単なる観光や文化継承にとどまらない、滞在型観光や実用的な知恵を融合させたエンターテインメントへの発展にも強い期待を寄せた。

 忍者が持つ生き残り哲学を現代の防犯・防災と掛け合わせる試みは、単なる歴史の保存を超え、一人ひとりの防災意識を根底から革新するアプローチとも言える。文化の継承が過酷な時代を生き抜くための実践的な知恵として昇華していく。その一端を垣間見られた印象を受けた。

■3年放置した防災リュックは「ただのゴミ箱」!?

 現代社会における防災対策は、非常用リュックの準備や避難訓練といった形式に囚われ、本質的な意識改革に至らないケースも少なくないという。公助に頼りすぎず、自己完結型のサバイバル精神を防災に取り入れることは、万が一の備えを実効性の高い行動へと変革するために必要不可欠な意識の一つ。そう語ったのは、一般社団法人Re防災project代表理事の喜多村建代氏だ。「時代の発展と共に変化するリスク」をテーマに対応策を提示した。

 15年間の専業主婦を経て48歳で起業した経歴を持つ喜多村氏は、防災における意識変革の重要性を訴える。災害を他人事と捉え、救助を待つばかりの国民性に危機感を抱いたことが起業の原動力となったという。喜多村氏は防災のあり方を「自動車のシートベルト」に例えて解説。「かつては着用が義務化されていなかったシートベルトが、普及活動を経て無意識の日常行動となった」と説くように、災害対策も無意識の日常化を目指すべきと主張する。

 トークテーマの中でひときわ来場者の興味を引いたのが、防災リュックの見直し&アップデート。喜多村氏は「3年間放置された防災リュックはただのゴミ箱」と刺激的な表現ながら、使う人の年齢やその時の状態、また季節に応じて必要なものが変化するため都度、見直しが必要だと力を込める。さらに必要なものは人それぞれ、加えて平時に使い方を確認しておくことなど、見逃しがちなポイントも指摘。また家族の電話番号を紙に書いてスマホケースに挟むといった備えの重要性まで、さまざまな提示・知識を披露していた。

 ステージ終盤、喜多村氏は、「あなたの命は世界にたった一つだけの宝物。自分の命の圧倒的な価値を認識し、自分で自分を守る自律的な意識を持ってほしい」と呼びかけ、「自分の命があってこそ大切な人の命を救える」と切々と訴えかけていた。

■「耳がでっかくなっちゃった」から一転…マギー審司が明かす助け合いの原点と子供の笑顔が持つ力

 親しみやすいアプローチを通じて防災知識を定着させるエンタメ防災。その最たるものがタレントのマギー審司防災トーク&マジックショーだった。マギー審司はステージに立つや縦横無尽のトークと手品で会場を魅了。ハンカチの色変えマジックでは、客席の子供たちから「虹色にして!」「紫!」と自由すぎるリクエストが飛び交い、「虹色は持っていないから無理!」「紫もダメ」と軽妙なノリツッコミで切り返し、場内を爆笑の渦に巻き込んだ。

 おなじみの「耳がでっかくなっちゃった」を決めるマジックでは、通常は撮影禁止だが、このシーン限定で写真撮影を公認。会場の一体感と熱量を一気に高める巧みな演出を見せていた。

 トークパートに入ると表情を一変させ、自身の原点となる震災体験を語り始めた。宮城県気仙沼市出身のマギー審司は、東日本大震災で親族を亡くした過去を持つ。悲しみに暮れる被災地を訪問し、避難所を巡ってマジックを披露する中で痛感したのは、子供の笑顔が持つ絶大な力。つらい状況でも子供たちが声を上げて笑う瞬間、その姿を見た親や周囲の大人たちも束の間の安らぎを得て笑顔を取り戻す。「子供の笑顔は地域全体を明るく照らす。自分たちが提供する笑いの時間が、明日を生きるエネルギーになる」というマギー審司の言葉に、会場中が聴き入っていた。

 さらに震災後、駅前で自ら募金箱を持って街頭に立った際のエピソードを披露。幼い子供が「ママ、この人たち何やっているの?」と尋ね、母親が「大変な人たちを助けるお金を集めている」と教えると、その子は「今月のおこづかいまだもらってないけど、100円ちょうだい!」とおねだり。もらった100円玉を真っ直ぐな目で募金箱に入れてくれたという。「大事なのは金額ではなく助け合おうとする気持ち。誰にでもできる支援が必ずある」と熱く語る姿に、観客は深くうなずいていた。

 ステージ後半では、観客参加型の「防災クイズ」を実施。地震発生時にまず行うべき行動、瓦礫の下に閉じ込められた際のSOS手段、事前に家族で確認しておくべき備え、大雨や冠水時の行動といった設問が出題された。マギー審司は「大きな耳を出す」「マギーの耳を触る」といったコミカルな選択肢をあえて選択して笑いを誘いつつ、非常時における正しい知識を子供たちの心へと確実に定着させていった。

■関暁夫が警告! ネット遮断、ドローンテロ、複合災害…「あなたはどうする?」

 会場では来場者へと精力的に声をかけ、マギー審司のステージ直前にはまるで前説のように客席を盛り上げていた関にインタビューを敢行した。

 防災・防犯と忍者の掛け合わせについて、関は「忍者は歴史的に見ても地政学を読み解き、水がない場所でいかに水を作り出すかとか方角を見失ったときにどう調べるかなど、生き残る術を熟知していた。そこは現代の防災と強くリンクしている」と熱弁。「忍者の知識から生きる術の勉強を子供も大人も一緒に学びましょうというイベント」とイベント趣旨を説明した。

 甲賀市には「出会えたことに心の底から感謝しています」と口にし、「市長を中心に市役所や地域の方が一丸となってさまざまなところに呼びかけてくださり、会場となった「まるーむ」も快く開放してくださった。いい経験をさせていただきました」と謝辞。「甲賀の地にもともとある忍者文化を僕らが客観的に捉え、一緒にやらせていただきながら学んでいるだけ。甲賀市の基盤にある歴史が未来につがるキーとなっているのでしょうね」と地域全体で未来の防衛基盤を構築することの重要性を強調した。

 関が情熱をもって提示する最も重要な根本概念が「命のつなげ方」だ。関は、「忍びの世界は掟が厳しく、一子相伝の中、一族ごとの命のつなげ方。それが防災とか国防にもつながっていく。戦乱や天災を乗りこえ現代へと命をつないできた我々のDNAには、本能的に生きる術が刻まれているはず。まず自分の命を助けることが大事です」と忍びたちが命懸けで伝承してきた生存のノウハウを、時代を超えて現代の国防や防災の概念へと接続していく重要性を説く。

 めまぐるしく時代の情勢が変化する現代、これまでの「当たり前」が通用しない状況に遭遇する可能性は極めて高いかもしれない。そんな状況下、身につけておくべき生き抜く力とは何だろうか。

 前提として関は、「防災は自然災害だけではありません」と切り出し、「国際情勢が荒れている中、ミサイルもそうですけど、いつドローンによるテロが起きてしまうのかという可能性も否めない。化学薬品や放射線によるテロが発生した場合どうすべきかといったCBRNEテロ対策がありますが、現在の危機管理はそこまで来ています」と語る。

 さらに「自然災害でも富士山の噴火による複合災害の危険性も懸念されていると言われています。近年では災害が起きるサイクル、スパンが短くなっている。それに伴ってか、人災が重なるケースも増えています」と警鐘を鳴らす。

 その上で関は次のように呼びかける。
「こういう記事をきっかけに今一度、家族内で第一次避難としてどこで合流するのかなどを話し合ってほしい。災害が起きた際、携帯電話の電池があっても電波が届かないことも。それと応急処置は自分のスキルとして覚えておく必要もあります。ネットが遮断された時、もしもの時、あなたはどうするか。そこを備えてほしい」

 今回のイベントは「忍びの知恵×現代防災」という新しいモデルを提示し、大盛況のうちに幕を閉じた。かつて過酷な時代を生き抜いた忍者の「何が何でも生き残る」哲学は、科学技術やインフラに囲まれて生きる現代人に、自律心と備えの重要性を改めて呼びかける。

 防災は決して他人事でも特別なことでもない。自分の命の価値を知り、大切な家族と話し合い、今日から小さな一歩を踏み出すこと。それこそが未来へ命をつなぐ確かな道筋となるはずだ。甲賀の地から発信された情熱と知恵が、今後の防災および個人の生活防衛における新たなロールモデルの一つとして、全国へ広がっていくことに期待したい。
(取材・文:遠藤政樹)

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