「自分を変えてやろう」“覚悟の参戦”アジア大会は準優勝…再起を誓う大関友翔「フロンターレでもう一度、自分と向き合ってやりたい」

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2026年10月04日 11:22  サッカーキング

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U-21日本代表MF大関友翔 [写真]=Getty Images
 2010年の広州大会以来、16年ぶりの頂点を目指して一歩一歩、勝ち進んできたU-21日本代表。自国開催であることに加え、指揮を執るのが2027年3月以降、A代表を率いる大岩剛監督ということで、チームへの注目度はひと際高かった。

 迎えたファイナルの相手は宿敵・韓国代表。ご存じの通り、2014年仁川、2018年ジャカルタ、2022年杭州と3大会連続で韓国に敗れ、タイトルを逃しているだけに、何としてもリベンジを果たしたかった。今回の韓国はオム・ジソン(スウォンジー)、ヤン・ヒョンジュン(セルティック)らA代表経験のあるオーバーエージ3人を含めたU-23代表。日本より経験・実績ともに上だが、「過去のアジア大会のチームより強くない」という評価もあった。だからこそ、若きジャパンには付け入る隙があったのだ。

 実際、ゲームは序盤から拮抗した展開となった。中盤のリーダー・大関友翔は巧みな位置取りでゲームメークに関与。15分にはンワディケ・ウチェブライアン世雄に惜しいスルーパスを配球するなど、彼らしい技術を戦術眼で攻撃に変化をつけていった。そんな矢先の26分、エースFWのンワディケが負傷退場。成長中の大学生ウインガー福永裕也が入り、右ワイドに陣取ったが、中盤を本職とする嶋本悠大が急遽FWに入らなければいけなくなり、日本としてはなかなか起点を作れなくなる。

 それでも粘って0−0で折り返し、後半には相手に圧をかけていた中、一瞬のミスから失点を喫してしまう。後半16分、右サイドのヤン・ミョンヒョクの突破を佐藤海宏が止めきれず、深い位置からのクロスを許した。次の瞬間、若き守護神・荒木琉偉が飛び出してパンチングしたものの、ボールが流れ、不運にもオム・ジソンの前に飛んでしまい、そのままフィニッシュを仕留められてしまったのだ。「あの判断自体、自分は間違っていないと思いますけど、ポジショニングとかもうちょっと余裕を持って弾けたかな」と荒木は悔しさをにじませたが、チームとしてはどうにかして巻き返すしかなかった。

 大関も懸命にチャンスを作ろうと敵陣侵入を試みて、何度かいい形は作ったものの、あと一歩ゴールに届かない。横山夢樹のシュートがGK正面に飛び、石井久継の決定機もポストを直撃。結果的にはデータも内容も日本の方が上回ったが、0−1のままタイムアップの笛。背番号14は豊田スタジアムのピッチに倒れ込んで顔を覆い、敗戦の責任を痛感していた。

「大会を通して守備陣がすごく頑張ってくれて、GK含めてゼロで抑える試合が多い中、ウズベキスタン戦も韓国戦も攻撃の質をもっと求めなきゃいけないと思いました。点が取れないようじゃ、アジアでは勝てない。そこは反省しないといけないなと思います」と決勝トーナメント以降、無得点に終わった大関は、改めて反省を口にした。大関にとってこの大会は「川崎フロンターレで試合に出られない自分」から抜け出す絶好のチャンスだった。1年前にE-1選手権でA代表を経験し、ロサンゼルス五輪世代の希望の星と目されたが、そこから停滞が続き、本人も「何とかしなければいけない」と危機感を募らせていたからだ。

「フロンターレで試合に絡めない中で『代表で自分を変えてやろう』と思ってここに来ました。剛さんにはたくさん使ってもらって徐々に感覚も良くなってきたし、前でプレーする意識も多く持てましたけど、韓国みたいに実力のある相手に対してもっとチームの攻撃を組み立てられるような動きをしないとフロンターレでは出られない。日本を勝たせる選手にはなれないなと思いました」と大関は苦渋の表情を浮かべていた。

 大岩ジャパンでは《4−3−3》の右インサイドハーフが主戦場。森保一監督の《3−4−2−1》と布陣が違うため、A代表の攻撃陣・ボランチ陣との単純比較はできないが、本人は同時期に活動していたA代表の中盤を見て、思うところが多々あったようだ。

「A代表の試合は全部見てますけど、鎌田(大地)選手のうまい縦パスの入れ方、攻撃の組み立て方は本当に参考になります。立ち位置と判断の速さは自分には足りないところだなと感じますね。佐野(海舟)選手や(田中)碧さんもうまく可変して、賢くプレーしている。特に碧さんはフロンターレにいた時から守備強度が高かったですけど、切り替えがここ数試合本当にすごいなと。佐野選手も縦パスへの反応速度が高いので、自分はそういう部分を突き詰めていかないといけないですね。アジア大会でいろんな国と戦って、まだまだ自分の実力が足りないと感じたので、フロンターレでもう一度、自分と向き合ってやりたいなと思います」

 大関にとって今大会は「A代表との距離」を再確認する好機だった。攻守両面で足りないところがいくつも感じたはずだが、それを糧にしなければ、さらなる飛躍はない。尊敬する田中碧もプレミアリーグに上り詰めるまでに数々の挫折に直面。それを乗り越えて今の地位をつかみ取った。大関は今、足踏み状態が続いているかもしれないが、ここから一気にブレイクできるはず。むしろ、そうしなければならない。川崎Fで目の色を変えて、脇坂泰斗らのポジションを奪いに行く21歳の若武者の前向きな変化を待ちたいものである。

取材・文=元川悦子

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