住宅ローンは繰り上げ返済した方がいい? 金利上昇で変わる「100万円」の使い道

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2026年10月05日 20:31  All About

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日本銀行の利上げで、住宅ローン金利の上昇が意識されるようになりました。手元に100万円の余裕資金がある場合、繰り上げ返済に回すか、預金などで持っておくか迷う人もいるでしょう。判断材料になるのが「借入金利」と「運用金利」の差です。※サムネイル画像:PIXTA

利上げで住宅ローンにも影響

日本銀行(日銀)は、2026年9月18日、政策金利を1%から1.25%へ引き上げました。市場では、インフレの状況を見つつ、今後も継続的な政策金利の引き上げが予想されています。

これを受けて、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は、変動型住宅ローン金利の基準にもなる短期プライムレートを11月2日から年2.375%から年2.625%へ引き上げると発表しています。

変動金利で借りている人は、今後の見直しによって適用金利が上がる可能性があります。そこで選択肢として出てくるのが「繰り上げ返済」です。

100万円の繰り上げ返済で減る利息はいくら?

繰り上げ返済の効果を簡単に考えてみます。

住宅ローン金利が年1%なら、100万円の借入残高に対する1年間の利息は単純計算で約1万円です。年1.5%なら約1万5000円、年2%なら約2万円になります。

100万円を繰り上げ返済すれば、その後は返済した元本にかかる利息を払わずに済みます。

実際に減る利息の総額は、残りの返済期間や返済方法、繰り上げ返済の方式によって変わりますが、住宅ローン金利が高くなるほど繰り上げ返済の効果も大きくなります。

普通預金との差は意外に小さいことも

一方、100万円を手元に残せば利息を受け取れます。

三菱UFJ銀行の普通預金は11月2日から年0.5%です。100万円なら1年間の利息は税引前5000円、税引後では約3984円になります。

住宅ローン金利が年1%なら、100万円にかかる利息は単純計算で約1万円です。

つまり「年1万円の支払いを減らす」のか、「税引後約4000円を受け取りながら100万円を手元に残す」のか、という違いになります。

個人向け国債なら年2.24%

2026年9月募集分の個人向け国債「固定5年」は年2.24%です。100万円なら年間の利子は税引前2万2400円、税引後では約1万7850円になります。

仮に住宅ローン金利が年1%なら、表面上は繰り上げ返済による利息軽減より、国債の税引後利子の方が大きくなります。

ただし、これは単純な1年間の比較です。住宅ローン金利は将来上昇する可能性があり、個人向け国債「固定5年」の金利は購入時に固定されます。

また、個人向け国債は発行から1年間、原則として中途換金できません。1年経過後に中途換金する場合も、直前2回分の各利子相当額が差し引かれます。

住宅ローン控除が残っている人は条件が違う

もう1つ確認したいのが住宅ローン控除です。

住宅ローン控除を受けている期間に繰り上げ返済すると、年末のローン残高が減り、控除額が小さくなる場合があります。

さらに、繰り上げ返済によって返済期間が短くなり、住宅ローン控除の適用要件を満たさなくなるケースにも注意が必要です。

「ローン金利が上がったから返した方が得」と、金利だけで判断できない理由の1つです。

100万円を返すと100万円は使えなくなる

繰り上げ返済には、預金や国債とは大きく違う点があります。

100万円を預金していれば、必要になったときに引き出せます。個人向け国債にも一定の制限はありますが、中途換金の仕組みがあります。

住宅ローンを100万円繰り上げ返済すると、その100万円を生活費や急な出費に使うことはできません。

金利差が小さいなら、手元資金を減らさないことにも意味があります。

金利だけでなく手元に残るお金を見る

住宅ローン金利が上がれば、繰り上げ返済によって減らせる利息も増えます。一方で、預金や個人向け国債の金利も以前より高くなっています。

まず確認したいのは、現在の住宅ローン金利、住宅ローン控除の残り期間、そして繰り上げ返済後にいくら現金が残るかです。

繰り上げ返済に使える100万円があっても、全額を返済する必要はありません。50万円だけ返済し、残りを手元に置く方法もあります。

日銀による政策金利引き上げに伴う金利上昇局面では、「借金を早く減らす」だけでなく、手元資金を残す価値と比べて考える必要があります。

※住宅ローンの金利、繰り上げ返済の方法、手数料、住宅ローン控除の適用条件は契約や金融機関、入居時期などによって異なります。預金金利は三菱UFJ銀行、個人向け国債は2026年9月募集分の「固定5年」年2.24%を例にしています。利息・利子は概算です。

文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
(文:田代 昌之(金融文筆家))

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