画像はイメージです ネットやSNSの普及により、さまざまな施設で利用マナーが問題視されることが増えている。誰もがリラックスを求めて訪れる温浴施設も、身勝手な利用者のマナーが元でトラブルになってしまうことがある。
そんな、サウナでのトラブル体験を話してくれたのは、IT企業に勤めている高島俊さん(仮名・35歳)。ここ数年の日常生活の中で一番憤りを覚えた経験だったという。
◆外気浴の時間こそ至福という人も多いだろうが…
「サウナには4、5年前からハマっていて、家の比較的近くに自分好みのスパが出来て、そこに通うようになりました。高めの設定温度のサウナに、キンキンに冷えた水風呂、外気浴用のリクライニングチェアもフルリクライニングできるチェアがあって、その施設でサウナに入った後のクールダウンは本当にリラックスできる時間でした」
だが、ある時からそんなお気に入りの施設に不満を持つようになった。
「常連客がフルリクライニングできるチェアを私物化し始めたんです。リクライニングチェアにタオルを置いたまま、サウナに行ったり、温泉を楽しんだり。常識的に考えてありえない行動をとるようになりました」
そのせいで、サウナの満足度は大きく下がることに。
「他に座るタイプのチェアはいくつかあるんですが、やはり寝そべることができるリクライニングタイプとは違いがあります。サウナのルーティンの中で一番良い時間であるクールダウンを楽しめなくなって、整うことも減っていきました」
◆サウナを3人で私物化しはじめた!
そんな常連たちの行動に次第に我慢ができなくなったという。
「鬱憤が溜まって、40代ぐらいの常連がタオルをリクライニングチェアに置いて離れようとした時に『ここ空きましたよね? 使いますよ』と声をかけたんですが、そうしたら『戻ってくるからダメ』と言われました。『使ってないのにおかしくないですか』と食い下がると、『はあ? こっちはどれだけこの店に金を落としたと思ってんだよ。店も俺たちが優先的に使うの認めてるんだわ』と凄まれて……」
店が認めていると言われ、高橋さんは引き下がるしかなかった。
「それまでは常連がいても1人か2人だったのが、そのうちに3人でつるんで来ては、リクライニングチェアがあるスペースを独占することが増えていきました。静かにクールダウンしたいのに、3人でゲラゲラと大声で笑ったり、下品な話をしたり……。周囲にいるだけでも嫌な気分にさせられるようになったんです」
◆苦々しく思う客とネットレビューで共闘開始!
ある日、見かねた別の客から声をかけられた。
「3人がチェアから離れた隙に、近くにいた他のお客さんから『アイツらむかつきますよね』と話しかけられました。話しているうちに意気投合して『レビューサイトに書こう』という話になって……。それまでもレビューサイトのその施設のページに常連への批判はポツポツ書き込まれていましたが、常連の横暴を見かけるたびに書き込んでいるうちに、だんだんと賛同者が増えていきました。最終的にコメント欄は常連たちに対する不満が埋め尽くすようになったんです」
◆見事に炎上! 店側の対応やいかに…?
それからしばらく経って、そのサウナを訪れた時のこと。
「例の常連たちはいるのに、リクライニングチェアが場所取りされている形跡もなく、下品な笑い声も聞こえてこなくて静かなものでした。不思議に思っていると、外気浴スペースの壁に『場所取り禁止』『大声での会話はお控え下さい』と大きく描かれたポスターが貼られているのに気づきました」
のちに仲良くなった店員からこんな話を聞くことができたという。
「店が認めているというのは真っ赤な嘘で、常連たちの思い込みが生んだマイルールに過ぎなかったようでした。レビュー欄の炎上を受けて、店側も本格的な対策に乗り出したようで、それ以降はリクライニングチェアも使いやすくなって、以前のように快適な施設になりました」
ネットやSNSで発信がしやすくなった現代では、泣き寝入りせずに声を上げることが、迷惑客に対抗するためには有効な手段なのかもしれない。
<TEXT/和泉太郎>
【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め