
クックパッドのポッドキャスト番組「ぼくらはみんな食べている」。食や料理に熱い思いを持ち活躍するゲストを迎え、さまざまな話を語ります。クックパッド初代編集長の小竹貴子がパーソナリティを務めます。第90回目・91回目のゲストは、料理家・栗原心平さんです。
料理家・栗原心平さんの母は、料理研究家として絶大な支持を集める栗原はるみさんです。だからこそ、幼い頃から食の英才教育を受けてきたのだろう、と誰もが思ってしまいます。ところが本人の口から出てきたのは、拍子抜けするほど飾らない一言でした。「あんまり教わった記憶ってないんですよ」。台所で一人、身につけてきたものについて、クックパッドのポッドキャスト番組「ぼくらはみんな食べている」で語ってくれました。
子ども時代、アニメを待てずに始めた台所仕事
そもそも料理を始めたきっかけは、必要に迫られたことだったと本人は振り返ります。母は広島のテレビ局でレギュラー番組を持ち、月に何度か家を空けていました。父の帰りも遅く、姉と2人でごはんを作ることになったといいます。
|
|
|
|
「両親、起きるのが遅かったんで。アニメを見たくて早く起きて、その待ち時間がもったいないから、作り始めたっていうのが最初」
父がよく作っていたコンビーフとキャベツの炒め物を見よう見真似で作り、そこにスクランブルエッグを添えたそうです。
レシピ本を開いたのは、小学生でケーキを焼いたときの一度きり。以降はほとんど見ていないといいます。覚え方は、失敗を一つずつ潰していくケーススタディでした。
例えば、味噌汁について。家ではだし入りではない普通の味噌を使い、出汁は別にきちんと取っていたそうです。だからこそ、出汁を取らずにお湯に味噌を溶くだけで作ってみたときに、その物足りなさにはっきり気づいたといいます。もう一つ覚えているのが、お茶漬けです。居酒屋で親と食べる出汁茶漬けは美味しいのに、家でずっと食べていたお湯漬けはどこか物足りない。その違いに、あるとき気づいたそうです。
母の影響は「間違いなく受けている」、けれど
心平さんの著書『栗原家のご飯』シリーズには「母と父、そして祖母に教わった味が僕の原点」と綴られています。はるみさんからの影響について尋ねると、心平さんは「間違いなく受けてるでしょうね」と即答しました。
|
|
|
|
その繋がりは、食卓にも表れています。はるみさんは日曜になると、油分をあまり使わない手作りのポテトサラダを持ってきてくれるそうです。その量は2キロ。心平さんの息子さんは、それを1食で1キロ食べてしまうといいます。食べるからまた持ってくる、そしていずれ飽きる。「おばあちゃんパターン」だと心平さんは笑います。
心平さんには、もう一人、原点となった人がいます。静岡・下田に暮らす祖母です。両親が共働きだったため、長い休みは最初から最後まで祖母のもとで過ごしており、根本は祖母から教わった感覚があるといいます。祖母は料理上手で、それははるみさんにも通じるところがあり、コロッケの味は実家のものが一番だと即答するそうです。和食が根底にあり、醤油をきかせた素朴な味だといいます。
心平さん自身もその味を受け継いでいるそうですが、同じレシピで作ると味は変わるといいます。
「僕の方がやっぱり酒の量が多いんで、ボディが強いという。母の方が優しい目ですね」
|
|
|
|
では祖母の味はどうだったのか、尋ねてみました。
「おばあちゃんも、祖父が毎日晩酌するタイプだったんで、割とボディ強めだったと思いますね」
祖母は濃く、母は優しく、そして自分は再び濃い。根本は祖母に教わった感じがする、と心平さんは言います。教わったというより、身についた。そういう感覚だったようです。
レシピの組み立て方に見えた、ふたりの分かれ道
母から一度も手取り足取り教わったことはありません。それでも受け継がれているものは確かにあります。ただ、同じ出汁の旨味を土台にしながらも、行き着く先はふたりで違うようです。
「あんまり肉とか動物性のもので旨味を担保しようとしない、うちの母は。どっちかっていうと、その素材の土台をそのまま活かしちゃう。野菜単体でいけるものはそれでいっちゃうので、僕よりずっとシンプルだと思います」
ポッドキャストとは?
インターネット上で配信される、ラジオのような音声コンテンツ。スマートフォンのアプリやPCのブラウザ上で、好きな時間に聴くことができます。
ご視聴はこちらから
🎵Spotify
https://hubs.li/Q02qmsmm0
🎵Amazon Music
https://hubs.li/Q02qmslg0
🎵Apple Podcast
http://hubs.li/Q02qmztw0
【ゲスト】
第90回・第91回(8月14日・8月21日配信) 栗原心平さん
株式会社ゆとりの空間 代表取締役社長/会社の経営に携わる一方、幼い頃から培ってきた料理の経験を活かし、料理家としても活動。全国各地で出会った食材や料理、お酒から着想を得て、日々のごはんのおかずにも、お酒に合うつまみにもなる、作りやすく実践的なレシピを提案している。代表的著書に『栗原家のごはん 祖母から母に、母から僕に、そして僕から息子へ。』『栗原家のごはん 一年の食卓』(大和書房)ほか多数。最新著書『小学生からチャレンジ!栗原心平のお料理ドリル』(小学館)が好評発売中。テレビ東京系列『ぺこもぐキッチン』にレギュラー出演中。
HP:https://corp.yutori.co.jp/
https://gochichan.com
Instagram:@gochisosamachannel
@shimpei_kurihara
YouTube:ゆとりの空間チャンネル
【パーソナリティ】
クックパッド株式会社 小竹 貴子
料理愛好家・ 料理の楽しみ共創室 部長/創業期から参画し、初代編集長としてメディアづくりに携わる。現在は、料理家や生産者といった食のつくり手の声を届ける活動を行っている。「日経ウーマンオブザイヤー2010」受賞。プロの技術や食材の背景にある物語を、暮らしに馴染む言葉で伝えることをライフワークに、生活者の目線で食の楽しさを探求している。
X: @takakodeli
Instagram: @takakodeli
