AI普及で「人材育成を見直さねば……」8割が実感 それでも進まない、予算や時間以外の理由とは

0

2026年10月10日 05:41  ITmedia ビジネスオンライン

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia ビジネスオンライン

AIの普及で人材育成はどう変わる?

 生成AIが急速に普及したことで、人材育成の在り方に影響が出ている――。そう実感する企業が増えている。しかし、なかなか対策は進んでいないようだ。


【調査結果をグラフで見る】人材育成の見直しの必要性と対応状況


 人材育成などを手掛ける産業能率大学 総合研究所(東京都世田谷区)と調査会社のHR総研(東京都千代田区)は、人事担当者を対象に「生成AIと人材育成に関する人事実態調査」を実施した。その結果、AIの普及が人材育成の在り方に「影響を与える」とした企業は約8割に達した。


 生成AIの普及について、人材育成の在り方に「大きく影響すると考えている」と回答した企業は40.3%、「やや影響すると考えている」は38.8%だった。


 具体的には「能力・スキル」「育成方針・体系」「育成内容・方法」「マネジメントの在り方」「人材育成に関する制度・運用」の全ての項目で、半数以上が見直しや対応の必要性を感じていた。


 一方、実際に「見直しや対応を実施している」と回答した割合は15.0〜19.4%で、いずれの項目でも2割未満にとどまった。


●見直しが進まないワケは?


 なぜ、必要性を感じながらも対応が進まないのか。理由として多かったのは「全社として生成AI活用の方向性が明確ではない」(48.3%)、「生成AIの活用によって、仕事や役割がどのように変わるか整理できていない」(46.9%)だった。


 「必要な時間や工数を確保できていない」は20.8%、「必要な予算を確保できていない」は17.9%にとどまった。人手や予算の不足だけでなく、生成AIをどう業務に組み込むのか、その方向性を定められていないことが、人材育成の見直しを阻む要因になっているようだ。


●「管理職の育成」に悩み……管理職向けのAI研修は進まず


 AIの普及に伴い、人材育成上の課題が大きいと感じる階層は「管理職」が最も多く59.4%に上った。以降「中堅社員」(53.1%)、「経営層」(39.7%)、「若手社員」(32.8%)、「新入社員」(31.9%)が続いた。


 現在実施しているAI活用に向けた周知・研修では「生成AIの基礎知識に関する周知・研修」(41.2%)、「生成AIの利用ルールや留意点に関する周知・研修」(40.9%)が多かった。


 一方で「管理職向けの生成AI活用に関する周知・研修」は7.7%、「情報の真偽確認や根拠確認に関する周知・研修」は8.9%にとどまった。


●「自分で考えた?」 新人・若手育成にも立ちはだかる壁


 新人や若手社員の育成にも懸念が生じている。最も多かったのは「本人がどこまで自分で考えたのかを確認しにくい」で76.2%だった。


 「生成AIをどのように活用させるかについて、上司・先輩によって指導にばらつきが出やすい」(69.5%)、「生成AIを用いた成果物の内容や妥当性を見極めにくい」(68.1%)、「新人・若手と上司・先輩の間で、生成AI活用の知識やスキルに差が生じやすい」(65.8%)が続いた。


 本調査は5月22日〜6月23日、日本企業・組織で人事施策または人材育成に関わる担当者、責任者を対象にインターネットで実施し、320社から回答を得た。



    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定