“2mlの採血”が誰かの命を救う手助けに…臓器移植だけではない「移植医療」を支える「骨髄バンク」「臍帯血バンク」の役割とは?

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2026年10月12日 05:10  TOKYO FM +

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“2mlの採血”が誰かの命を救う手助けに…臓器移植だけではない「移植医療」を支える「骨髄バンク」「臍帯血バンク」の役割とは?
杉浦太陽と松井玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30〜7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。

10月11日(日)の放送テーマは、「臓器移植だけじゃない。知ることからはじまる、移植医療」。厚生労働省 移植医療対策推進室の出内主基(でうち・かずき)さんと於保崇史(おぼ・たかふみ)さんから、臓器提供の仕組みや造血幹細胞移植の種類、患者とドナーをつなぐ取り組みについて伺いました。


(左から)松井玲奈、出内主基さん、於保崇史さん、杉浦太陽



◆いのちをつなぐ移植医療の仕組み

「移植医療」と聞くと臓器移植を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、それだけでなく、骨髄や臍(さい)帯血などを移植する「造血幹細胞移植」もあります。こうした医療によって救われるいのちがあります。

また、出内さんは、移植医療とほかの医療の違いについて、「一番の特徴は、基本的にはドナーさんがいなければ成り立たないということです。しかし、移植医療については、まだ十分に知られているとはいえない状況です」と話します。事故や病気は、誰の身にも突然起こり得るものです。そのため、移植医療について知っておくことは大切です。

◆臓器提供と造血幹細胞移植

まずは、臓器提供がおこなわれるまでの仕組みを学びます。臓器提供は、本人が生前に提供する意思を運転免許証やマイナンバーカードなどの書面で示しており、家族が拒否しない場合におこなわれます。一方、本人が臓器を提供しない意思を示している場合は、その意思が尊重されます。本人が意思を書面に残していない場合でも、家族の承諾によって提供がおこなわれることがあります。

つまり、もしものときには、本人に代わって家族が重大な判断を迫られることになるため、日頃から臓器提供について関心を持ち、自分や家族の意思を話し合っておくことが大切です。

続いて、造血幹細胞移植についてです。造血幹細胞は、骨の内側にある骨髄というところで、白血球や赤血球、血小板などの血液細胞をつくる元となる細胞です。「造血幹細胞は、自分の複製を作りながら白血球などの細胞に成長していくのですが、この過程で細胞に異常が生じると、白血病をはじめとする血液の病気を発症することがあります」と於保さんは説明します。

こうした病気の治療法の1つが造血幹細胞移植だと述べ、「患者にドナーから採取した造血幹細胞を移植することで、正常に血液を作る力の回復を目指します」と解説します。その主な移植方法は3つあります。

・骨髄移植
ドナーの腰の骨から骨髄液を採取し、そのなかに含まれている造血幹細胞を点滴で移植します。

・末梢血幹細胞移植
薬を使って、骨髄にある造血幹細胞を血液中に流れ出すようにし、採取した細胞を移植します。

・臍帯血移植
臍帯血は、赤ちゃんとお母さんをつなぐへその緒や胎盤に含まれる血液です。造血幹細胞が豊富に含まれているため、出産時に採取した臍帯血を保存しておき、必要な患者に移植します。

このうち、どの移植方法を選ぶのかは、患者の病状やドナーの状況などを踏まえ、医師が判断します。ただし、誰の造血幹細胞でも移植できるわけではありません。於保さんは、「血液型に『ABO血液型』などがあるように、造血幹細胞にも『HLA型』があり、その種類は数万通りあります。移植には、このHLA型が適合していることが重要です。兄弟姉妹間で適合する確率は4分の1ですが、血縁関係のない人同士では、数百〜数万分の1しかありません」と話します。そこで、患者とドナーをつなぐ公的事業として活動しているのが、「骨髄バンク」「臍帯血バンク」です。

出内さんは、「骨髄バンク」「臍帯血バンク」の役割について、「骨髄バンクは、骨髄や末梢血幹細胞を提供することを希望してくれているドナーさんを登録しておき、骨髄などが必要な方に紹介する役割があります。臍帯血バンクは、赤ちゃんとお母さんをつなぐへその緒からとれる臍帯血を保存し、いつでも提供できるように備えています」と紹介します。

骨髄移植や末梢血幹細胞移植では、患者と適合するドナーを探し、造血幹細胞を採取する必要があるため、移植までにある程度の時間がかかります。一方、臍帯血はすでに保存されているものから適合するものを選べるため、すぐに移植が必要な病状の患者にも、速やかに移植することができる可能性があります。また、於保さんは、「妊婦さんと赤ちゃんをつないでいたへその緒から造血幹細胞を採取するので、提供する際に、お母さんや赤ちゃんへの負担はありません」と補足します。

◆知ることから始める移植医療への協力

ここまで臓器提供や造血幹細胞移植の仕組みについて学んできましたが、移植医療を支えるために、私たちはどのような協力ができるのでしょうか。出内さんは「骨髄バンクへの登録は、献血ルームなどで2mlの採血をするだけでできます。一方、臍帯血を提供するには、公的臍帯血バンクと提携している産科施設で出産することが必要です」と解説します。

日本赤十字社の造血幹細胞移植情報サービスでは、実際に移植を受けた患者や、移植医療に関わった人たちの体験談を読むことができます。於保さんは、患者の声には、造血幹細胞を提供したドナーや、治療に携わった医療スタッフへの感謝が多く寄せられていることに触れ、「普段、私も医師として治療に関わっている時には、その患者さんの『今』を
救うために精一杯ですが、ドナーさんの善意やこうした私たちのがんばりが、患者さんのその後の新たな人生の道を開いているのだと改めて感じました」としみじみ語ります。

この言葉を受け、杉浦も「こうして患者さんの体験や医師のお話を伺うと、移植医療が多くの人の支えによって成り立っていることを改めて感じます」と深くうなずいていました。

そして最後に、出内さんは、「移植医療は患者さんとドナーさん、医師、移植コーディネーターなど、たくさんの人の力がつながって初めて成り立つ医療です。そのつながりによって、移植を必要とする患者さんの命が支えられています。皆さん、まずは移植医療について知ってください。そして、臓器移植や造血幹細胞移植について、ご家族や大切な人と話し合うきっかけにしていただければと思います」と呼びかけました。

番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「移植医療」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は“移植医療はたくさんの方の協力によって支えられています”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“臍帯血バンク 骨髄バンク 移植医療を知ろう!”と注目ポイントを挙げ、「移植医療について詳しく知りたい方は、厚生労働省のWebサイトをご覧ください。臓器移植や造血幹細胞移植、臍帯血移植について詳しく紹介しています」とコメントしました。


(左から)松井玲奈、杉浦太陽



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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
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