「またあの舞台に必ず戻る」日本代表デビュー果たし固めた決意…中野就斗「経験させてもらったことをしっかりと広島に還元しないといけない」

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2026年10月12日 09:47  サッカーキング

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 AFCアジアカップ2027に向け、複数人の新戦力がテストされた日本代表。その中で、欧州組の若手以上にインパクトを残したのが、サンフレッチェ広島の26歳DF中野就斗だった。

 9月28日のベネズエラ代表戦、10月5日のニュージーランド代表戦の2試合に先発。デビュー戦は右ウイングバックでプレーし、失点に絡むシーンもあったが、力強さや推進力などの強みもアピールした。第2戦は右サイドバックで出場。積極的に高い位置に攻め上がり、上田綺世の先制点につながるクロスも供給し、好印象を残したのである。

 その中野が広島に戻って最初の公式戦となったのが、10月11日の東京ヴェルディ戦。今回の広島は今季8試合で総失点6というリーグトップの堅守をリードしてきた佐々木翔、塩谷司の2人が揃って負傷欠場。中野は3バック右に入った。その隣には同じくニュージーランド戦に出場した荒木隼人がいて、背後にはFIFAワールドカップ2026の日本代表GK大迫啓介も陣取るという豪華な陣容。中野に課されたタスクはまず失点をゼロに防ぎ、右サイドから攻めを加速させることだった。

 けれども、前半の広島はやや停滞。バルトシュ・ガウル監督も「安全なプレーを選択しすぎた」と苦言を呈した。ヴェルディが相馬直樹新監督から就任間もなく、4バックへの変更や2トップ採用も含めてどう出てくるか分からなかったところもあり、より慎重に構えてしまったところもあったのだろう。「相手も中をしっかり守ってハードワークしてくる中で、自分たちのアクションが少なくて、ただボールを持っているだけの作業になってしまった」と中野自身も反省する。

 それでも、後半頭からセバスティアン・アレー、松本泰志、東俊希の3枚を投入すると流れが一変。後半開始2分で松本が豪快なミドル弾を決め、チームも重圧から解放される。そこからはアタッカー陣を中心に流動的に立ち位置を変えながら敵を混乱に陥れ、後半13分に得意のサイド攻撃から鈴木章斗が今季7ゴール目をゲット。2−0とリードを広げ、終盤には今夏10年ぶりに古巣復帰を果たしながらケガで長期離脱していた浅野拓磨もリーグ戦初出場。非常にいいムードで勝ち切り、勝ち点20で2位に浮上した。

 中野も「今の広島は誰が出ても勝てる強いサッカーができていると思う」と改めて手応えを口にした。ただ、彼にしてみれば、Jリーグで単に勝利するだけでなく、プレー内容を研ぎ澄ませていかなければいけないという思いはひと際、強まっているはずだ。

「僕は試合でしか成長できないと思っているので、公式戦の舞台でチャレンジして失敗して、また考えてというのを繰り返していけない。今までもそういうことを続けてきたからこそ、今があると考えています。今、取り組むべきなのは、攻撃の部分ではもっともっと果敢に上がっていくことだったり、ラストの精度を怠らないこと。守備では本当に圧倒的な存在にならないといけないと思います。やっぱり国際試合で感じたことを忘れてはいけない。『またあの舞台に必ず戻るんだ』ということをつねに頭に入れて、自分を突き詰めていくことが大事ですね」と中野は力を込めていた。

 一足先に日本代表を経験し、今回追加招集で加わるチャンスを得た荒木は「自分も久しぶりに代表活動に参加して、攻守両面の強度が非常に高いと感じたし、切り替えとか、人にガツンと行く部分は強かったですね。そこで絶対に負けないというところを広島でやらないといけない」と神妙な面持ちで語った。中野もここから代表に定着していこうと思うなら、特にその部分を徹底的に追求していくべきだろう。

 中野が日本代表で担うポジションは、右ウイングバック、右サイドバック、3バック右の3つになりそうだ。本人は「どこで出ても自分の良さを出せると思う」と究極のマルチタスクを目指す構えだが、それぞれのポジションには百戦錬磨の猛者がひしめいている。右ウイングバック・右サイドバックであれば、鈴木淳之介、菅原由勢といった欧州で実績を積み上げる選手がいるし、3バック右に関しては、今シリーズで大きく株を上げた瀬古歩夢を筆頭に、既存の冨安健洋、渡辺剛らもいるのだ。

 目下、国内組の中野も近い将来、欧州移籍の話が出そうだが、今は広島の一員。荒木や大迫のみならず、浅野、佐々木、塩谷といった日本代表経験のあるプレーヤーから刺激を受けながら、自分自身を最大限、引き上げていくしかない。「日本代表でデビューして、メンタリティはもちろんのこと、勝利への執着心はすごく高まりました。周りにいるのは世界で戦ってきている選手。彼らと同じ基準でやることで、自分もチームももっと上に行けると思う。自分自身も国際舞台を経験させてもらったことをしっかりと広島に還元しないといけない。『チームを引っ張る』という言葉よりも、プレーで示していければいいですね」と目を輝かせた中野。伊東純也や谷口彰悟のように20代後半からグングン成長し、日本代表の主軸になるべく、彼には追い風が吹いている今を生かしてほしい。

取材・文=元川悦子


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