
セルジオ越後の「新・サッカー一蹴両断」(43)
北中米ワールドカップ後の再スタートとなった4試合を4戦無敗で終えたサッカー日本代表。しかし、攻撃面では課題も見え、新戦力の台頭も十分とは言いがたい。続く11月の2連戦、なかでも強豪ブラジルとの一戦に向けて、何が求められるのか。おなじみのご意見番・セルジオ越後氏に聞いた。
【4戦無敗でも見えた若手起用の課題】
4戦無敗で、キリンカップも優勝できたのはよかった。でも、内容は物足りなかった。
ウルグアイ戦はアディショナルタイムの2得点で勝ったが、それまでは押される時間帯も多かった。ベネズエラ戦も先制され、逆転して2−1。エクアドル戦は0−0からPK戦にもつれ込み、決勝もFIFAランキング86位(※対戦時。日本は17位)のニュージーランドに2−1の辛勝だった。ワールドカップ優勝を目指すなら、ホームで力の差を示すべき相手ばかり。反省すべき4試合だった。
気になったのは、初代表や代表経験の浅い選手の出場時間だ。塩貝健人はウルグアイ戦で代表初ゴールを決めたけど、出場は後半38分から。エクアドル戦は後半41分、ニュージーランド戦は後半33分からだった。松木玖生はウルグアイ戦で先発し、代表初出場初ゴールを決めたものの、そのほかはニュージーランド戦の後半42分からだけ。後藤啓介も、先発したベネズエラ戦の45分間にとどまった。
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この出場時間では、塩貝の決定力が本物なのか、松木が戦力になるのかは見えない。高さ(191�僉砲里△觚綟�も、引いて守る相手に対し、クロスやセカンドボールを生かす形で試してほしかった。アジアカップへ向けたいいシミュレーションになったと思うんだけどね。
ただ、森保一監督の任期はアジアカップまで。FIFAランキングをひとつでも上げたい協会からはつねに勝利を求められているのだろうし、本人も過去2大会で優勝を逃したアジアカップを制し、有終の美を飾りたいはずだ。そう考えれば、未知数の若手を我慢して使うより、計算できるこれまでの主力に頼るのも仕方がない。
そもそも僕は、森保監督をアジアカップまでの半年間だけ続投させるというやり方に反対だった。若手を試しにくい状況をつくった責任は、森保監督ではなく日本サッカー協会にあると思う。
いずれにしても、接戦が続き、若手や新戦力を十分に試す余裕もなかった。例えばベネズエラ戦は、ハーフタイムに主力5人を入れ、先制されたものの攻撃は活性化し、勝ちきった。ほかの試合も同じ。いつものメンバーに頼っただけで、ワールドカップの時より強くなったとは言えない。
【4バックの評価は難しい。11月のブラジル戦に期待】
4試合目のニュージーランド戦では、約2年半ぶりに4バックでスタートした。堂安律や前田大然が守備に追われず、両サイドバックの鈴木淳之介、中野就斗も高い位置を取れたのは、相手との力関係で優位に立てたからだろう。それでもカウンターから危険な場面を作られ、失点もした。評価は難しいね。
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引いて守る相手を崩せなかったのも課題だ。ボールは回すけど、ドリブルや縦への仕掛けが少なく、相手の守備を動かしたり、ペナルティーエリア付近でファウルを誘ったりできない。新たな武器となる選手も出てこなかった。
11月のシンガポール遠征では、ブラジル代表、パラグアイ代表と対戦する。注目はやっぱりブラジル戦だ。
ブラジル代表は9月、10月と親善試合を行なっているけど、ワールドカップのメンバーから10人以上が入れ替わり、カゼミロやアリソンらが外れて若手が多く選ばれた。11月のメンバーがどうなるかわからないけど、日本にとってはベスト32で敗れた相手へのリベンジマッチ。勝つためにベストメンバーで臨むべきだし、森保監督もそうするだろう。
ヨーロッパ勢との試合を組むのが難しい状況にあって、強豪との対戦は貴重な機会。このブラジル戦もムダにはできない。ワールドカップのリベンジと、1年前の再現に期待したい。
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