いすゞが「JMSビズウィーク2026」で「問い」を立てた理由

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2026年10月14日 08:01  マイナビニュース

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いすゞ自動車とUDトラックスは、いすゞグループとして「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2026」(JMSビズウィーク2026)に出展している。コンセプトは「地球の『運ぶ』を、未来へ運ぶ」だ。「運ぶ」を取り巻く「3つの問い」を設定し、来場者の共感を生み出すことを狙いとする。自社の技術を紹介するだけで完結しがちな展示会で、いすゞがあえて「問い」を立てた理由とは?


いすゞグループの「問い」とは



ブースでは「運ぶ」を取り巻く社会課題への「問い」を入口として、来場者の共感を生み、いすゞグループの取り組みやソリューションへの理解、さらには新たなパートナーとの共創につなげる展示を展開中。日本自動車工業会(自工会)合同展示エリアでは「エルガEV 自動運転バス」も見ることができる。


いすゞグループは中期経営計画「ISUZU Transformation - Growth to 2030(IX)」を掲げ、「商用モビリティソリューションカンパニー」への変革を遂げつつある。ブースでは、その実現に向けた「カーボンニュートラル」「自動運転」「コネクテッド」の3領域に焦点を当て、それぞれの領域で「運ぶ」を取り巻く社会課題に向き合う取り組みやソリューションを紹介している。



大テーマは「ずっと『運び続けられる』未来のために。何ができるだろう。」で、「問い」の内容は以下の3つだ。

○カーボンニュートラル:どこまで地球に寄り添いながら、運ぶことができるだろう



カーボンニュートラルの領域では、「今、環境にも経済にも、うれしい商用車って何だろう?」「EVバッテリーを最大活用して、社会の電力インフラとして役立てることはできる?」「BEVの充電待機を減らし、運行を止めることなく運び続けることはできる?」の3つの問いを設定。地球に優しい運び方を実現するため、車両サイズや使われ方に応じた多様なアプローチでカーボンニュートラルの実現を目指す「マルチパスウェイ」の取り組みをはじめ、バッテリー交換式ソリューション「EVision Cycle Concept」やエネルギーインフラ活用などについて紹介している。


○自動運転:どうすれば、運ぶひとの負担を減らしながら運び続けられるだろう



自動運転の領域では、「より『安全』に、人やモノを運び続けられる世界を実現するには?」「どうすれば、深夜の長距離輸送を持続可能にできるか?」「住む場所にかかわらず、誰もが移動し続けられる未来にするには?」の3つの問いを立てた。安全で信頼できる商用自動運転を実現するため、AIと走行データを活用した自動運転車両のデータドリブン開発や、自動運転専用の実証実験コースの開発、幹線輸送トラックや路線バスにおける実証に加え、遠隔監視など将来の自動運転を支えるオペレーションやシステムの検討など、社会実装に向けた取り組みを紹介している。


○コネクテッド:データの力で、「運ぶ」をどこまで進化させられるだろう



コネクテッドサービスの領域では、「車両の動力源が多様化しても、安心して運び続けられる?」「運行の現場の負担を減らし、もっと効率的に運び続けられないだろうか?」「車両の変化を早く捉え、もっと安定して運び続けられる?」の3つを問う。データから「運ぶ」の未来を創るため、商用車情報基盤「GATEX」(ゲーテックス)に集約した車両データを活用し、運行管理を支援する商用車テレマティクス「MIMAMORI」(みまもり)、車両の安定稼働を支える「PREISM」(プレイズム)、BEV導入・運用を支援する「EVision」(イービジョン)など、物流事業者のさまざまな課題解決を支えるコネクテッドサービスを紹介している。


問いを設定した理由は?



今回の展示で「問い」を掲げた理由は、商用車・物流の世界が一般には身近でありながらも理解されにくく、その背景にある社会課題を来場者自身の生活と結び付けて考えてもらうためだという。



例えば、コンビニに行けばほとんどの場合は品ぞろえが充実しているが、商品が届く背景にはトラックや物流の仕組みがあり、そこには見えにくい課題が存在する。単に「自動運転で配送できる」と伝えるだけでは来場者の理解が深まらないため、「人の負担を減らしながら、どうすれば運び続けられるか」といった問いを通じ、人材不足、時間、労働条件など複数の論点を考える入口にするのが目的だ。



各展示は問いへの答えの一部を示しているが、提示するソリューションがすべての答えではなく、展示を起点に新たな化学反応を起こし、共創を生むことを目指しているという。

「エルガEV 自動運転バス」を実車展示



自工会の合同展示エリアでは、いすゞ「エルガEV 自動運転バス」の実車を見ることができる。



同モデルは国内初のBEVフルフラット大型路線バス「エルガEV」をベースに、世界初の自動運転用オープンソースソフトウェアの開発を主導する「ティアフォー」の自動運転技術を組み合わせたもの。カメラ11台、自動走行用LiDAR8台、ミリ波レーダー6台など複数のセンサーを使用した周囲認識技術と各コンポーネントの車両統合制御技術を採用している。これにより、BEVならではの静かで滑らかな加速性能と安全かつ安定した自動走行を実現する。



型式は「ZAC-LV828L1」で、ボディサイズは全長10,740mm、全幅2,485mm、全高3,330mm、ホイールベース4,990mm。乗車定員は68名で、運転席を含めた座席20席だ。モーターは最高出力250kW(125kW×2基)、最大トルクは960Nm(480Nm×2基)。搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は242kWhで、充電方式はCHAdeMOの急速充電を使用する。

○【写真】「エルガEV 自動運転バス」の実車展示


原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)

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