
ファーウェイ・ジャパンが9月末に開いた日本メディア向けのプレスツアーで、中国・深センの坂田地区にある拠点内の旗艦店と、広東省東莞(とうかん)市の研究開発拠点「松山湖キャンパス」を見学した。日本では販売していないスマートフォンやPC、同社が開発に関わる自動車、欧州の街並みを模したキャンパスの様子を写真で紹介する。
●日本にないスマホが並ぶ深センの旗艦店
旗艦店「華為旗艦店・深セン華為坂田G区」は、坂田地区にあるHuaweiの拠点の中にある。ガラス張りの店内にはスマートフォンやPC、ウェアラブルの他、Huaweiが自動車メーカーと共同開発した車まで並ぶ。店員はスマートフォンの対面翻訳機能を使って製品を説明してくれた。
折りたたみから派生した折りたたまないスマホ「Pura X View」
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スマートフォンの売り場で目立つのは「HUAWEI Pura X」シリーズだ。2025年3月に出た初代のPura Xは、閉じると手のひらサイズで、開くと16:10の横長画面になる折りたたみ機だ。2026年の4月には大型版の「Pura X Max」、9月には折りたたまない板型の「Pura X View」が加わり、3機種がそろって並ぶ。
Pura X Viewは折りたたみ機の横長の画面比率だけを受け継いだ機種だ。6.39型で16:9.5の画面を持ち、約201gの本体に7000mAhのバッテリーを積む。価格は5999元(約14万円、1元=約23円換算)からとシリーズで最も安く、Pura X Maxは1万999元(約25万円)からだ。OSはいずれもHarmonyOS 7で、Androidではない。
3世代目の3つ折り「Mate XT 2」は内折りに
3つ折りスマートフォン「HUAWEI Mate XT 2」も9月に発表したばかり。2024年9月の初代「Mate XT」、2025年9月の「Mate XTs」に続く3世代目で、サムスンが2025年12月に初の3つ折り「Galaxy Z TriFold」を出したのに対し、Huaweiは毎年更新している。
Mate XT 2では折り方を変え、画面を内側にたたむ内折りにした。前モデルまでは折り曲げた画面の一部が外側に出ていたが、Mate XT 2は閉じると画面全体を内側にしまい、外側にある6.5型の画面で操作する。開くと10.2型で、重量は約299gだ。
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プロセッサはKirin 9050 Proで、のぞき見を防ぐディスプレイのモデルも選べる。価格は1万9999元(約46万円)からとなる。
HarmonyOSで動く折りたたみPC「MateBook Fold」
折りたたみPC「HUAWEI MateBook Fold」の実機にも触れた。開くと1枚の大画面になり、画面の下半分を仮想キーボードにするか、付属の物理キーボードを画面の上に磁石で載せて使う。Windowsは搭載せず、OSは自社のHarmonyOSを採用する。価格は2万4999元(約57万円)から。
子ども向けウォッチにはカメラが付く
日本ではHUAWEI WATCHやWATCH GT、WATCH FITなどのスマートウォッチを売っているが、中国には子ども向けのウェアラブルもある。ウォッチ売り場に並ぶ子ども向けモデルは本体の上部にカメラを備え、家族の写真を撮れる。カメラ部分を取り外して単体で撮影できる機種もあり、価格は2298元(約5万円)。
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松山湖キャンパスをモチーフにした土産物
店内の一角には「華為印象」ブランドのグッズ売り場がある。旗艦店の中でもHuaweiのオフィスに隣接する坂田店は、松山湖キャンパスをモチーフにした土産物も扱う。全ページに切り込みを入れ、めくると街並みが仕掛け絵本のように立体的に浮かび上がるノートや、マグネット、タンブラーが並ぶ。中でも目を引いたのが、キャンパスを走る構内列車を模したUSBメモリだった。
筒型のパッケージには日本語の説明も印刷されているが、文字は日本で見かけるフォントとは形が違い、対応OSの欄には「Windows Vista/XP」とある。底面のラベルによると製造は2023年9月で、規格はUSB 2.0だ。
●「鴻蒙智行」の車を展示 自動運転の試乗を10分ほど体験
中国のHuawei旗艦店には、車も展示されている。Huaweiが自動車メーカーと共同で展開するブランド「鴻蒙智行」の車種だ。セレス、奇瑞、北京汽車、江淮汽車、上海汽車の5社とそれぞれ「問界」「智界」「享界」「尊界」「尚界」のブランドを持つ。Huawei自身は車を作らず、運転支援システムや車載OS、外観デザインを担当する。
クーペの「尚界 Z7」は上海汽車との車で、エンジンを持たない電気自動車だ。航続距離は約900kmで、時速100kmまで3.4秒で加速する。SUV「問界 M9」は50万〜60万元する。後部座席のプロジェクタースクリーンに映像を流し、サスペンションで車体を映像に合わせて揺らすデモもあった。臨場感を追求した映画館の4DXのような乗り心地だった。
江淮汽車と組んだMPV「尊界 V680」で、店の周囲の公道を10分ほど走った。運転席にはスタッフが座り、いつでも操作を引き継げる運転支援システムを採用している。Uターンした後の直線では「ここでアクセルを踏みます」の声とともに一気に時速100kmまで加速し、すぐに減速した。工事現場の脇も速度を落とさずに通り、最後は駐車枠への車庫入れまで人の手を借りずに収まった。
ハンドルに手を添えない運転席のスタッフをよそに、車は合流も右左折もためらいなくこなす。街路樹が流れる市街地の道で時速100kmまで踏み込む場面も含めて、日本から来た身には10分間ずっと身構えたままの試乗だった。
●128棟の「ヨーロッパの街」、松山湖キャンパスを訪れた
翌日は深センから車で1時間ほどの東莞市にある松山湖キャンパスを訪れた。着工は2015年、完成は2018年で、約130万平方メートルの敷地を12のエリアに分けて128棟が建つ。研究開発者2万5000人の職場だ。
12のエリアはそれぞれパリ、ハイデルベルク、ブルゴーニュ、ヴェローナなど欧州の街になぞらえている。ヴェローナのエリアにあるローマ風の円形劇場では音楽会などを開き、新製品の発表会の映像にも登場する。中央に立って手をたたいたり声を出したりすると、エコーがかかったように反響する。
構内には3路線の列車が走り、どのエリアにも駅がある。環状線の1号線は13分で8つの町を回り、2号線は20分、3号線は30分で一周する。最初の1編成はスイス製で、以降は中国製となる。
図書館はパリ市庁舎を模した建物に入る。内部はフランス国立図書館のリシュリュー館を模した楕円形の閲覧室で、天井近くの16の窓には東京、北京、パリ、ロンドンなどの都市名が入る。11万冊の蔵書は中国語と英語が中心で、日本語や韓国語を含めて20言語に及ぶ。貸し出しはせず、館内で読む。1713年に英国で刊行されたニュートンの「プリンキピア」第2版も展示していた。
街並みはテーマパークのようだが、ここはれっきとした製品開発の拠点だ。一角にある音響の研究室では、無響室にマネキンヘッドを置き、イヤフォンの雑音への耐性を試している。欧州風の外観とは裏腹に、扉の内側は機材が並ぶ雑然とした研究の現場で、中の撮影はできなかった。写真で見せられるのは街並みまでだ。
日本の店頭に並ぶHuaweiの製品はスマートウォッチやイヤフォンが中心だが、それを送り出している場所は、湖を渡って欧州の街を一周する列車が走る街だった。1日歩き回っても、そこが単一企業の拠点であることを忘れてしまうほどの圧倒的なスケールだった。
(取材協力:ファーウェイ・ジャパン)
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パスワード「123456」だった?(写真:ITmedia NEWS)148

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