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赤ちゃんが生まれると、一度はSIDS(乳幼児突然死症候群)のことが心配になってしまいませんか? SIDSとは、今まで順調に健康に育っていた赤ちゃんが、ある日突然死亡すること。
日本では、年間約150人の赤ちゃんがSIDSが原因で亡くなっていて、赤ちゃんの死亡原因2位となっています。
一方、アメリカでは死亡原因1位です。それもあって、最近ではよくSIDSのCMも流れています。もしものことを想像するだけで、胸が苦しくなりますよね……。
そこで今回は、ロサンゼルス在住の筆者が妊娠中に産婦人科で習った、SIDSの予防法をご紹介します。少しでもこの情報が、たくさんの人のお役に立てれば幸いです。
■1:赤ちゃんを仰向けで寝かせる
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まず、赤ちゃんを仰向けで寝かせてください。これがSIDSの予防で一番大事だと言われています。
アメリカ小児科学会の報告によると、うつ伏せ寝の赤ちゃんはSIDSで死亡する可能性が高いそうです。そのため、1992年から「健康な赤ちゃんは仰向けで寝かせるように」との呼びかけが始まり、仰向け寝が重要視されるようになっていった、とのこと。
仰向け寝によって、窒息も防ぐことができます。
■2:赤ちゃんを夫婦のベッドで寝かせない
次は、ベビーベッドの場所です。最低でも生後6ヶ月までは両親と同じ部屋のベビーベッドで寝かせてください。
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両親と同じベッドに寝るのは、寝返りで赤ちゃんを潰してしまう可能性があるのでNG。さらに、両親と違う部屋のベビーベッドも何かあったときにすぐ対処できないのでNG。アメリカでは赤ちゃんと寝室を分ける家庭が多いので、この部分もよく強調されています。
また、硬いマットレスを利用して、中には枕、人形、おもちゃなどは一切置いてはいけません。そして、赤ちゃんを布団や衣類で暖めすぎないことも大事です。
■3:赤ちゃんを煙草の煙から遠ざける
両親が喫煙する場合、SIDSの発症率が高くなります。周りの人がタバコを吸っている場合も危険なので、赤ちゃんを喫煙者から遠ざけてください。
喫煙者に限らず、誰かが赤ちゃんを触る前には、必ず手を洗ってもらうことも大事です。出先では難しいですが、室内では清潔な環境を保っていきましょう。
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■4:赤ちゃんに粉ミルクではなく母乳を与える
最後は、赤ちゃんの食事です。粉ミルクより母乳の方がSIDSの発症率が低くなるので、可能であれば母乳にしてください。これは、母乳の方が赤ちゃんの免疫機能がよくなるからだそうです。
また、母乳だと、SIDSの予防だけでなく、ママと赤ちゃんの絆も深まるといったメリットもあります。もし選べるなら、考えてみましょう。
いかがでしたか? 赤ちゃんにとってどんな環境が一番いいのか、きちんと知ることがとても大事ですね。
ご紹介したのは出産後にできることばかりでしたが、赤ちゃんが生まれる前もSIDSは予防できます。それは、煙草を吸わない、薬物を使用しない、検診にきちんと行く、きちんとした栄養ある食事を摂る、次の赤ちゃんを生むのに一年間を空ける、など。
こういったことで、SIDSのリスクを低くできるそうです。
さらに、妊娠中ではなく、妊娠前から赤ちゃんが生まれるまで正しい知識を得たいなら、『スプラウト』というiPhoneアプリの利用も検討してみてください。アメリカで開発されたアプリですが、日本語版もあります。
妊娠から出産までのお医者さんからのアドバイス、体重管理、胎動カウント、妊婦検診のスケジュール管理など、ママにとってとても役立つ情報が得られるアプリで、毎週胎児の発育画像まで見れちゃうのです。
SIDSを世界中で減らすために、ぜひ身近な人にこのことを教えてあげてくださいね。
【参考】
※ 11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です - 厚生労働省
※ Reducing the risk of SIDS – American Sudden Infant Death Syndrome Institute
※ SIDSを少なくするために – NPO法人 SIDS家族の会
※ スプラウト 妊婦さんのための情報アプリ – NPO法人 SIDS家族の会
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