消費税8%はお部屋を借りる際に関係ある?

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2014年03月17日 18:41  マイナビニュース

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写真提供:マイナビニュース

2014年4月より5%から8%に上がる消費税率。そこで、大きな買い物でもある住宅などは増税前の駆け込み需要が伸びたとも言われています。では住宅といっても「賃貸」の場合はそもそも消費税増が関係してくるのでしょうか。賃料のほかに敷金・礼金に共益費、仲介手数料などについても影響があるのかどうか、春からの新生活でお部屋探しをしている方も多い今、“不動産・住生活”のプロに消費税増の影響範囲を聞いてみました。


Q.消費税8%はお部屋を借りる際に関係ある?
A.賃貸期間が1ヶ月以上の居住用の賃貸物件には、消費税はかかりません。敷金や礼金、更新料にもかかりません。ですから現在、検討中のアパートやマンションの契約を4月1日以降にしたからといって、賃料や敷金がプラス3%分で計算されることはありません。


ただし、4月1日以降に引っ越しをすると、引っ越し業者(*課税業者の場合)に増税分を払うことになります。また、アパートやマンションを仲介した不動産会社(*課税業者の場合)へ支払う仲介手数料には、3%分が加わります。加えて、退去時のクリーニング費用、設備などの修理費用にも3%分が追加されます(*課税業者の場合)。さらに、オフィスや店舗などを借りるならば、住宅と異なり、消費税がかかります。


また、駐車場を部屋と別に借りているなら、駐車場使用料の分だけに3%分が課税されます。ところで、駐車場は車の保有にかかわらず、全戸に駐車場があるタイプではその駐車場は「駐車場付き住宅」として、「住宅」の賃貸として扱われるため、消費税の対象外です。


ただ、その引っ越し業者や不動産会社などが課税業者かどうかは、売上金額で決まります。それは、決算書を見せてもらうか、会社に尋ねる方法しかありません。よほど小規模な事業者以外は、消費税は支払うものと考えておいたほうがよいでしょう。


一方、現在の賃貸借契約で「4月1日以降の分について、賃料や共益費の値上げする」と言われた場合は、どうしたらよいのでしょうか。そもそも、先ほどお伝えしたように消費税は居住用賃貸物件にはかからないのですから、「増税分の賃料を上げる」という理由は成り立ちません。


しかし、たとえば、契約書に「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向って建物の借賃の額の増減を請求することができる」などとあったら、どうなるのでしょう。この内容を元にして、賃料値上げを言われることがあるかもしれません。


しかし、現実的には一方的な値上げは認められず、話し合いで決めることになります。話し合いがうまくいかなければ、最終的には裁判で決着することになります。ですから、値上げを言われた場合、どのような部分で費用の負担が増えたのか、周辺の物件と比べてどの程度、賃料が低いのかなどを尋ねてみましょう。借りている側も言われた負担増が厳しいようなら、自分の生活の実情を伝え、きちんと話し合いましょう。話がまとまらなくても、値上げ前の賃料を払い続けていれば、部屋を追い出されることはありません。
ただ、賃料を払わなければ、債務不履行(契約を守らないこと)で追い出される可能性があります。きちんと賃料は払い、丁寧な話し合いを続けましょう。


高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる方法』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中



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