東京で拡大する「猫付マンション」

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2014年04月12日 15:10  JIJICO

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三者の利害が一致したことで「猫付マンション」が誕生


現在、東京で拡大している「猫付マンション」。部屋を借りる際、文字通り、一緒に猫も付いてくるという物件です。2010年に第1号が文京区に誕生するやいなや、入居希望者が殺到し、注目を集めました。


「猫付マンション」を企画したのは、「東京キャットガーディアン」という猫の保護活動を行う特定非営利活動法人(NPO法人)です。「何らかの事情で飼うことはできないが、それでも猫との生活を夢見ている入居者」と「マンション経営において『ペット可』だけではなく、猫まで一緒に付けるという高付加価値により空室を解消したい賃貸オーナー」、「猫の保護場所をつくって多くの猫を救いたいと考える保護団体」の思惑が合致し、三者の利害が一致した結果です。


また、新しい形態のボランティア活動(猫の殺処分ゼロを目指し、保健所・動物愛護センターなどから猫を引取り、飼育希望の方に譲渡する活動、並びに地域猫活動を行っている)として、行政からも了承を得ています。


進化・多様化していく賃貸マンション


このシステムを利用すれば、転勤が多いなど、さまざまな理由で猫の飼育を諦めている人も、猫と暮らすことができます。飼育を希望する人は面談の上、所有権ではなく、一時保護の場所として猫を選び、ペット飼育可能なマンションで飼うことができます。基本的に退出する際に猫を返却するそうですが、譲渡してもらい、その後も一緒に暮らすことも可能です。何とも斬新なアイデアです。


また、猫付マンションだからといって、全ての部屋が猫仕様になっているわけではなく、家賃も一般的な物件と変わりません(中には、キャットタワーやキャットウオークが付いている物件もあるそうです)。


この猫付マンション、一部の猫好きからは、殺されてしまう猫たちを救えるのは意義のあるシステムだと声が上がる一方、猫を飼うハードルが低くなることから、遊び半分やファッション感覚で猫を飼う懸念もあり、虐待を心配する声もあるなど、意見が分かれています。しかし、本当に猫を愛する人に飼ってもらえれば、飼い主にとっても猫にとっても幸せな生活が送れるはずです。


今は「猫付マンション」以外に、「猫付シェアハウス」も登場しているそうです。他にも「入居時に好きな色や柄のクロスを入居者自身が選べるマンション」や「各部屋にそれぞれワインセラーがあり、入居者専用ソムリエまでいるマンション」なども登場し、賃貸マンションもどんどん進化しています。賃貸住宅は人生の一時期に住むことが多いだけに、私たちの生活を安全に楽しく彩るものであってほしいものです。



(後藤 一仁・不動産コンサルタント)

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  • 住んでいる人の眼が夜になるとランランと輝き、ペロペロと油をなめニャオニャオと鳴く。ふと気付いた家族が恐る恐るその姿を覗くと「見〜た〜な〜」とうなる口元が耳まで裂け…それは猫憑きマンション。
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