<すき家労働問題・下>バイトの7割「45分以上の休憩ない」データにみる過酷な実態

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2014年09月06日 10:51  弁護士ドットコム

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深夜の「ワンオペ」(店舗での1人勤務)など、過酷な勤務実態が指摘されている「すき家」の労働問題。<すき家労働問題・上>では、ある男性クルー(アルバイト)の告白を紹介したが、過酷な実態はデータでどう裏付けられるだろうか。すき家を運営するゼンショーホールディンスは7月末、第三者委員会がまとめた労働実態の調査報告書を公表した。その中から、アルバイトを対象に実施したアンケートの調査結果を紹介する。


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●「労働環境に不満があった」84%


調査は今年6月に行われ、4〜5月の労働実態について聞いたという。アルバイト468人に送付して、回収数は229人、回収率は49%だった。年齢層は18〜29歳が41%で最も多く、性別は男性37%、女性63%で女性のほうが多かった。



すき家の労働環境について、不満があったかどうかの質問に対しては、「不満があった」と回答したのは84%で、「不満はなかった」は16%にとどまった。



「不満があった」と回答した人に、不満の内容について複数回答でたずねたところ、「サービス残業があった」が最多の55%で、最も多くの不満が集まっていた。続いて、「業務内容が過酷であった」の51%、「『ワンオペ』であった」の48%となっている。



●「ワンオペやめるべき」78%


問題となっている「ワンオペ」については、「やめるべきである」が78%、「やめる必要がない」が22%で、廃止を訴える声が圧倒的に多かった。



自由回答では「強盗が多発したときにワンオペ状態を改善すると言っていたのに、ワイヤレス非常ボタンを導入しただけで、ワンオペ改善なされなかったことに失望しました」「強盗が入って警察から言われて、やっと2オペにしたと思っても、あっという間にワンオペに戻していたり、信じられないとおもった」などの意見が書き込まれていた。



「ワンオペ」の勤務を中心に、休憩がとれないことが問題視されているが、「勤務時間が6時間を超えた場合に45分以上の休息をとれているか否か」の質問に対しては、「45分以上の休息をとれることはほとんど無い」が68%で半数以上を占めた。「45分以上の休息をとれないこともたまにある」が16%、「6時間を超えて働いたことがない」が10%、「45分以上の休息をほぼ毎回とれている」が6%だった。



●8割が「サービス残業をしている」


アルバイトの中で最も不満の高かった「サービス残業」については、「サービス残業をすることがたまにある」が44%で最多。「頻繁にサービス残業をしている」が36%、「サービス残業をすることは、ほとんどない」が20%で、8割がサービス残業をしていることが明らかになった。



「サービス残業をしている」と回答した人のうち、その理由を複数回答で尋ねたところ、「単位時間あたりの売上を確保するため」が68%で最も多く、「実際の労働時間どおりの申請をしづらい雰囲気があるから」が59%だった。



すき家では、従業員1人1時間あたりの売上金額である「労時」が重視されている。「労時」を確保するため、場合によっては、労働時間の申告を減らす手段としてサービス残業が行われていたようだ。「申請しづらい雰囲気」についても、調査報告書は「労時意識の反映とみることができよう」と指摘している。



だが、調査報告書の指摘を受け、ゼンショーは「すき家」の労働環境改善を打ち出しており、9月末で「ワンオペ」をやめることも表明している。現実にどこまで改善が進むのか、注目されている。



『<すき家労働問題・上>「ワンオペは大変だね」と客に同情されたーーバイトが実態告白』はこちら。


(弁護士ドットコムニュース)



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