ハンガリーで先週、約2万人もの群衆が首都ブダペストに集結。国内で導入予定だった「インターネット利用税」に反発してデモを繰り広げ、オルバン首相の退陣も要求した。今回のデモは、オルバンが10年に政権を握って以来最大規模。若い世代が怒りを爆発させた。
オルバンはこれまで財政赤字削減のために銀行、エネルギー企業、通信企業などに対し特別税を導入してきたが、場当たり的な課税が経済を危うくしかねないと懸念されてきた。
ネット税導入計画では、個人に月2.89ドル、法人に月20.64ドルを課税する予定だったが、大規模なデモに見舞われ、税導入は見送ることに。
政府はネット税で通信会社から莫大な税収が上がると主張したが、「情報を得る権利を侵す」という批判が強かった。かねてからオルバンは強権的と批判されてきただけに、国民の自由を制限するとみられたのだろう。
しかも、「欧州経済がなんとか不況に陥らずにいるのはネット事業のおかげだ」と、欧州委員会の広報担当者は言う。その点、ハンガリーのネット環境はどこを取ってもEUの平均以下。「課税など愚の骨頂だ」
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[2014.11.11号掲載]
クキル・ボラ
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