大きな胸を小さく見せるブラジャーが人気を集めている。2010年から「小さく見せるブラ」を販売しているワコールでは、累計売上枚数は約58万枚を突破。10年以上前から同様のブラジャーを展開しているフェリシモでは「ボリュームおさえて フラットブラ」がロングセラー商品となり、トリンプ・インターナショナル・ジャパンでは直営店「アモスタイル バイ トリンプ(AMO'S STYLE by Triumph)」で新商品「小さく包み込むブラ」を1月15日から販売するなど、各メーカーからバストの大きい女性の悩みを解消するアイテムが多数登場している。
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ワコールの「小さく見せるブラ」は、「バストをコンパクトに見せたい」や「無理に盛り上げたくない」という声に着目し、20代から30代の女性を対象に開発。WEB通販限定の取り扱いだったが、発売開始から1週間で当初の計画数量が完売し、翌年からは店頭でも販売されるようになった。その後、同様の機能を備えた商品を「アンフィ(AMPHI)」などの他ブランドでも展開し拡充を図っている。フェリシモでは、購入者からは「手持ちのブラを全部このブラ(フラットブラ)に替えた」といった声もあるといい、根強いファンを獲得。新商品を発売するトリンプ・インターナショナル・ジャパンでも、過去に大きなバストをすっきり見せる商品を販売していたが、消費者により分かりやすく伝わるよう新しいネーミング「小さく包み込むブラ」を打ち出した。カップ上辺のストレッチレースでバストを上部までしっかり包み込む「ちょっと深めの3.5/4カップ」(1月15日発売)と、肩ひもの付け根位置やカップの内側に工夫を取り入れバストを強調しすぎずに美しいシルエットを実現させた「感動シルエット」(1月22日発売)の2シリーズを用意し、サイズはそれぞれDからGカップまでを揃える。
各社が大きなバストを持つ女性をターゲットに商品を展開している背景には、胸の大きな女性が増加していることがあげられる。トリンプ・インターナショナル・ジャパンの調査による年間売上データのカップ別推移を見ると、1980年はDカップ以上の割合が全体の4.5%だったのに対し、2013年には47.1%と大幅な増加傾向にあることが判明。「タイトな服やピタッとした服を着用した時」や「夏場や薄着の時」「Tシャツを着用した時」にバストの大きさが気になりファッションを自由に楽しめないといった声が強く、ワコールでも夏の時期に売上が伸びるという。
現在は、単に"大きな胸を小さく見せる"ということだけではなく、デザインや機能、アウターに体形が響かないことなど、アンダーウェアの多様性が重要視され始めている。フェリシモでは、「シャツスタイルがすっきり決まるマニッシュスタイルな女性のためのベーシックフラットブラ」などファッションに合わせたブラジャーも展開。大きな胸を持つ女性をターゲットにしたアイテムが拡大する一方で、胸の小さい女性を対象にしたブランドも注目を浴びている。ニーズに合わせたブラジャーの需要は今後さらに高まり、多様化が進むのではないだろうか。