【レポート】Macの「写真」アプリによってiCloudフォトライブラリが完成? - 「写真」アプリの登場で写真管理が変わる

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2015年03月29日 12:22  マイナビニュース

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写真提供:マイナビニュース

●「iPhoto」「Aperture」に変わり「写真」アプリが登場
まもなく登場する予定のOS X 10.10.3では、これまで使われてきたアルバムアプリ「iPhoto」や「Aperture」に変わり、「写真」(Photos)というアプリが使われるようになる。iPhotoから「写真」に変わると、Macユーザーにとって、iPhoneやiPadとの写真連携はどのように変わるのだろうか?


○iPhotoから「写真」へ


これまでMacで使われてきた「iPhoto」は、2002年1月に最初のバージョンが公開されたアルバムアプリだ。デジカメを接続して写真を取り込むほか、アルバムやカレンダーを作成したり、iCloudやFlickrなどのオンラインアルバムサービスとの同期機能が提供されていた。


昨年6月の開発者向けイベント「WWDC 2014」で、iPhotoとApertureが廃止され、iOSと同じ「写真」アプリが提供されることが発表されていたが、以来約8ヶ月、音沙汰がないままだった。2月になり、ようやく「春提供」という情報が公開され、開発中のOS X 10.10.3のパブリックベータ版に「写真」アプリが搭載された。現在公開されている情報から、iPhotoから「写真」への移行で何が変わるのかを見ていこう。


●機能的には大きな変更点なし
○機能的にはiPhotoから大きく変わらず


まず、「写真」ではiOS 8の「写真」アプリとインターフェースが共通化される。iPhotoはバージョン11までのiTunesに似たインターフェースで、左側のサイドバーに「ライブラリ」「共有」「アルバム」「プロジェクト」という項目が並んで分類されていたが、これがiOSと同様に「写真」「共有」「アルバム」「プロジェクト」(Macのみ)というタブに変わる。iPhotoの「ライブラリ」では写真が「イベント」「写真」「人々」「撮影地」という単位で区分けされていたが、「写真」タブではiOSと同じく「年別」「コレクション」「モーメント」という分類になる。


また「共有」タブの中は、従来はiCloudのフォトストリームがここに割り当てられていたが、フォトストリームやiCloudフォトライブラリは「写真」タブ全体がその役割を担うことになるため、ここにはiCloud共有アルバムが配置される。アルバムのほか、誰がどんな写真を投稿したか、コメントをつけたかなどがわかる「アクティビティ」も「共有」タブに含まれる。


「アルバム」タブでは自分が作ったアルバムのほか、顔認識機能による「人々」の分類結果や、特定条件に合致した写真を表示する「スマートアルバム」、ビデオ、パノラマ、スローモーション、バースト、タイムラプスといった撮影方法別での分類もここに表示される。アルバム機能そのものはiPhotoと変わらない。「プロジェクト」タブもこれまでと変わらず、作成したフォトブックやカレンダー、スライドショーなどが登録される。


編集機能については、iPhotoよりもやや高度なレタッチ機能が追加される。基本的にはiOS 8の編集機能に近いが、OS Xでのみ提供される機能もいくつかあるようだ。


○取り込み方法も従来通り


写真の取り込みについては従来通り、USBケーブルで接続するなり、メモリカードを読み込むなり、手段は自由だ。iPhoneやiPadで撮影した写真についてはiCloud経由で自動的に同期されるので、取り込み作業自体を考慮する必要がない。この快適さは際立っており、サードパーティ製のデジカメにも、iCloud Photo Libraryへの自動アップロード機能をライセンスしてほしいほどだ。


全体として、見た目は現代風のフラットデザインを採用したものに変わるが、機能面では(編集機能を除いて)iPhotoから大きく変わることはない。ライブラリの移行機能も用意されるため、iPhotoユーザーであればほとんど違和感なく移行できるだろう。


●iCloudフォトライブラリの完成形とは?
○ローカル型の「iPhoto」からクラウド型の「写真」へ


ライブラリについては、従来のiPhotoがローカルに写真をストックしていたのに対し、「写真」では基本的にiCloudフォトライブラリが中心になる。具体的には、「写真」に取り込んだ写真はすべてフル解像度でiCloudにアップロードされ、そのコピーがローカルのライブラリに保存されることになる。容量が十分にあれば、過去に撮影したデータもすべてiCloudにアップロードでき、Mac以外にもiPhoneやiPad、AppleTV、WebのiCloud.comからいつでもアクセスできるようになる。これこそがiCloudフォトライブラリの完成形だ。


Macでは基本的に、ローカルにもオリジナル(フル解像度)の写真が保存されるが、MacBook Airのように容量が少ない機種の場合は解像度を下げた、容量の小さいバージョンだけを保存することもできる。


ただし、これには問題もある。撮影した写真やムービーがiCloudに保存されることを考えると、容量の圧迫が懸案事項だ。iCloudは標準で5GBしか容量がなく、ここにiPhone本体のバックアップやアプリが作った書類なども保存される。写真をどんどん撮っていると、たちまち容量がいっぱいになってしまうのは目に見えている。iCloudを使わずにiPhotoのようにローカルのみで写真を保存することも可能だが、それでは「写真」を使うメリットがなくなってしまう。


容量の拡張は月額単位での課金となり、20GBで月額100円、200GBで月額400円、500GBで月額1200円、1TBでは月額2400円となる。多くのユーザーは200GBで十分だとは思うが、年間4800円という金額に見合った価値があるかどうかは評価が難しい。


個人的には、iPhoneを使い続けるつもりであれば、200GBくらいまで増設したほうが、クラウド中心の快適な写真ライフが送れるのでオススメだが、このあたりは個人の価値観や使い方にもよるので断言はできない。


Google+のように、無料で写真を事実上無制限にアップロードできるオンラインアルバム/フォトストレージサービスもあるため、有料で容量を拡張するかどうかはよく考えてからにしても遅くはないだろう。


(海老原昭)



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