この相談に、他のママたちからは「お墓の管理は大変だよ」と教えてくれました。また今の時代、「長男だからお墓を守る」も当たり前でなくなってきているのかもしれません。
お墓に入りたいのなら自身で墓守をする選択肢もある
墓代はお母さんが出すと決まっていて、相談者さんも「自分と自分の旦那もお墓に入りたい」と決めているとのこと。しかし現状を一度、客観的に整理してみてもよいかもしれません。費用は出さない、管理もしない、何も負担せずお墓に入ろうとする相談者さんたち。その状態の人が弟さん夫婦に憤慨したところで、きっとまわりからは図々しいと一蹴されて終わってしまうでしょう。弟さん夫婦に「面倒なことは長男である弟に任せ、自分たちはラクをしよう」と思われている可能性もあります。ここは相談者さん夫婦が墓の管理をすると申し出てもよいのではないでしょうか。
『自分が入るためのお墓ならそれこそ、相談者さん夫婦で用意して管理したらいいと思うけれど』
『弟家族を巻き込まないであげて。お父さんと相談者さん家族が入ったお墓を弟さんのお子さんに墓守させるのは負担ですよ』
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埋葬・供養のかたちは多様化している!選択肢はまだあるよ
無理にお墓にこだわらなくても、お墓のかたちは多様化しています。樹木葬に変えたといった方からもコメントが届きましたよ。
『うちは樹木葬に変えた。楽だしいいよ』金額は場所によってバラバラだと思いますが、共同墓地という選択をした方もいました。
『7年前に父親が亡くなりましたが、弟夫婦のこの先の負担等を考えて、共同墓地にしました。それでも、年5千円は費用がかかります。母親も弟夫婦も、これで良かったと納得しています』扉がずらっと並ぶ、ロッカー式納骨堂にした親族をもつ方からも「あれは良いよ」と感想が届きました。
『最近叔父が亡くなったけれど、従兄弟は永代供養にして、ロッカールームみたいな納骨堂にお骨を入れているよ。あれは良いね。掃除の手間がないし、最初に費用を払えば後の管理費はいらない方式。うちもあれにしたい』弟さん夫婦がお墓に入らないと決めたのは、お墓があることによるメリットとデメリットを検討したうえでのことでしょう。自分たちは入らないと決めただけで、弟さん夫婦も相談者さんたちと同じように、お父さんを弔いたい気持ちはもちろんあるはずです。しかし決して軽くない管理の負担が、弔いの気持ちを妨げてしまうかもしれません。
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文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko