「ばぁば」と呼ぶユナの様子を義母はうれしそうに眺めています。しかし……。
こんなとき頼りになるのは夫のはずなのに、夫は義父の顔色をうかがっているのか、ほんの少し声をかけただけで諦めてしまいました。もっとガツンと言ってくれたらいいのに!
これって私たちの教育の問題なんでしょうか? 子どもはすぐに何でもできるようになるわけじゃない。だんだんと言葉を覚えていくものだと思うのです。もちろん大きくなってもワンワンと言い続けるのなら、どこかのタイミングで「あれはいぬだよ」と教える必要もあるでしょう。それに仮に義父の言い分が正しいにしても、大声でしかも厳しく言ったところでユナには伝わらないと思うんですけど!
可愛い娘、可愛い孫が泣かされているというのに見て見ぬふりをする夫と義母に私はあきれてしまいました。この家で、そんなに義父は偉い立場なんでしょうか。義父の機嫌をとらないとこの家では過ごせないのでしょうか。まるで義父のご機嫌とりをしているように見える夫と義母が私には理解できません。そんなことなら帰省なんてするんじゃなかった。せっかくの年末年始なのに……私は怒りと虚しさと複雑な感情を抱えていました。
孫に向かって「とんだ1才児」と言い放つ義父。内容はともかくとしても、いちいち大声で1才児を叱らないでいただきたい! そもそもまだ1才なんだから、正しい言葉の使い方をできるわけがないと思うんですが……。とにかくツッコミたいことは山ほどありますが、相手が義父ということもあり、私は少し遠慮をしながら様子を見ていました。しかし肝心の夫も、義母でさえもそんな義父の暴言に無視を貫くのです。どういうこと? せっかくの帰省ではありましたが、こんな環境なら、こっちから願い下げ! さてどうやってこの状況を打破すればいいだろうか。様子を伺いながらも、義父にガツンと一言をお見舞いしないと気が済まなくなっていくのを感じています。
【後編】へ続く。
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